そこは獣人たちの世界

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第一章

*薬局で買い足し

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ほぼ初めての状態だってのにキオを一人で家に帰すのはどうかとも思ったが、薬局のほうに連れていくのはちょっと知り合いもいることを考慮してやめておきたかった。
いや、それよりも俺が今夜のために避妊薬を買いに行くってのを知られたくなかった方がでかいかもしれない。
薬局もちょっと家から距離があるが、人波にさえ気を付ければすぐにつく。というかキオの歩く速度に合わせてたから教会までは少しかかっただけなんだが。
この街唯一の薬局で、それなりの大きさを誇る薬局。薬は俺達にとってはかなり重要な消耗品だ。病気だけじゃなく発情期や魔物から受けた怪我や毒なんかもある。
といってもいつも人がいっぱいというわけではなくむしろ人は少なめ。もともとこの町の周りにそんな危険な魔物はまずいないし、時期的に発情期の奴は多くなるといっても大体の奴が先に用意しちまうもんだ。
だからこの薬局はそこらの居住家より大きいのにだいたい二人日によっては一人で運営してる。この町だからこそそれで間に合ってるんだろうけどな。
スライド式の戸を開けるとすぐ目の前が受け付け、客が待つためのスペースは奥になっている。そんな作りだからこそ客が入ってくればすぐに受付係がすぐに対応してくる。

「いらっしゃい!ってガロか。なんだ?依頼で怪我でもしたか?いや、そりゃないか。」

「あぁ、用事はそうじゃないな。」

やっぱりいたか、こいつは薬局の総管理人だったかなんだかだからいるときのほうが多いからしょうがない。キオを連れてこなくてよかった、狼種に似ている犬種であり、薬局以外でもあってるほどの知り合いだが、いろいろつついてくる奴だ。何言われるかわかったもんじゃない。

「んじゃ何の用だ?」

「避妊薬がほしくてな。」

「なんだぁ!?避妊薬使い切っちまったのか!?ほぇー、あのガロ様がねぇ。」

まぁそういうことを言ってくるとは思ってたが、想定内だ。むしろこの後これよりも面倒なことを言われるだろうな。

「茶化すな、普通の避妊薬はまだ残ってる。常備薬として少しは買い足すが、今回の目的は強いほうだ。」

「強いほうだと!?お前、なにがあったほんとに?まさかコブまで入れるつもりか?」

「そういうことだ。」

「そりゃ、そこまでやるなら必須だろうけど、まさかそんな相手ができたってわけじゃないだろ?」

「どうだろうな。」

あぁ、キオを連れてきてたら完全に察せられてただろうな。連れてこなくて正解だった。だけどこれ以上に進むなら強避妊薬は必須だ。子供を産むことになったらキオの負担が計り知れない。
そもそも子供を育てることになったらしばらくギルドに戻れないから、ギルドに報告も必要になっちまうし、キオの楽しみにしてた魔法を使うのもまた後回しになっちまう。

「はぁ、まぁいい。要求は飲んでやるよ。ほら、これだ。」

カウンターの下からすぐに避妊薬を取り出せるのはやはりこの時期だからこそなんだろうな。俺みたいに避妊薬を買うやつが多いんだろう。いつもとは違う薄赤い袋に入ってるみたいが。

「あぁ、感謝する。」

「ちょっとまった。」

受け取ろうとしたらすっと袋を引き戻された。悪ふざけかと表情を見たら真剣そうな表情だったのでちゃんと聞くことにするか。

「なんだ?」

「飲むなら一日一回まで二錠飲むこと、行為するなら昼飯の後に飲んで、夕飯後くらいまでは待つ必要がある。知ってると思うが、これを飲むとその日一日はまともに魔法が使えなくなるから戦闘だけはしないように。中に入ってるのは10回分だけだ。なくなったらまた買いに来い。」

「なんだ使用方法か、知ってるんだが一応か?」

「そういう仕事だからな。あと、これも持ってけ。」

俺に対して珍しくまともにそういう対応してくるとはとおもてったら、なぜか追加の薄青い袋だけじゃなく瓶まで出してきた。袋のほうは普通の避妊薬のようだが、瓶のほうは何だ?

「袋の方は避妊薬だろうが、こっちは何だ?」

「そっちは弛緩ジェルだ。普通の潤滑油じゃコブまで入れるのはきついぞ。俺も入れると気は使った。後は馬種がほか種と組むと気にも使う。相手の奥にまでたっぷりぬってやれ。」

「弛緩ジェル?まさか筋肉委縮でもさせるのか。」

「そのとおりだが、効果は寝たら治る程度のもんだ。あぁ強避妊薬も寝たら効果がでないからやるまでは眠らせないように気を付けろよ?一応渡した薬の詳しい説明所も袋に入れておいたからな。」

「あぁ、いつもどおりだな。わかってる。ありがたくもらっておく。」

袋二つに瓶もポーチにしまってちらつかせる相手のギルドカードに俺のギルドカードを重ねて会計を済ませる。現金は持ち歩くのは危険だからこの方が楽で済む。

「そんじゃ、楽しくやれよ?」

「言われなくてもそのつもりだ。」

「ほぉ、お前がそんなこと言う相手がいるなんてな。今度紹介しろよ?」

「ふん。お前がそういう弄りをやめたらな。」

これ以上いじられるのはごめんなので早々に薬局を後にする。俺もこんな風にキオをいじってたのだろうか?あぁ家で待つキオに早く会いたくなってきた。飯を作って待っててくれてるはずだ。最近少し抑えの利かなくなった尻尾が、またふわりと動いちまった。
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