ユニーク賢者の異世界大冒険

ハヤテ

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第3章 異世界エルードの真実

第27話 再会、アマテラスとヘリアテス

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 「あ、アマテラス様!?」

 「いやー、無事に繋がって良かったよ」

 「……あの、何で俺の携帯番号知っているんですか?」

 電話の向こうから来たなんとものんきな声に驚いた春風だが、すぐに冷静になって声の主ーーアマテラスに質問した。

 しかし、

 「勿論、神様だから!」

 という答えが来たので、

 「……ああ、それなら仕方ありませんね」

 と言って、春風は無理矢理納得することにした。

 「まぁ、それは置いといて、近くにエルードの神様はいる?」

 アマテラスの唐突な質問に、春風は気持ちを切り替えて答える。
 
 「はい、ヘリアテス様に会う事が出来ました。今、俺の側におります」

 「オッケー。それじゃあ直接話がしたいから、ちょっとスマホを上にかざしてくれないかな?」

 アマテラスにそう言われて、春風は持っている零号を上にかざした。

 すると、画面が激しく光り出し、そこから魔法陣の様なものが展開された。そして、その魔法陣の中から、長い黒髪に白いワイシャツと青いジーンズ姿の女性、アマテラスが現れた。因みに、足は裸足だった。

 「ヤッホー春風君、さっきぶり!」

 まさかの地球の神様登場に、驚きのあまり固まる春風とリアナとヘリアテス。

 しかし、すぐにハッとなった春風は、

 「あ、はい、さっきぶりです……じゃなくて、何でスマホから出てきたんですか!? 俺のスマホどうなってしまったんですか!?」

 と、怒涛の勢いで詰め寄った。

 そんな春風に対して、アマテラスは陽気な態度を崩さずに答える。

 「あぁ、それはね、君がオーディンに肉体改造を施されてた間に、他の神達と一緒にちょこっと君のスマホを改造したの。で、君がエルードの神に触れた事で、こうして通話が出来る様になったというわけさ」

 「ちょっと、他人ひとのスマホに何すんねん!?」

 春風は神様に思わず突っ込みを入れてしまったが、

 「いや、その後すぐにそのスマホを魔導具の材料にした君が何言ってんの?」

 「うっ! はい、すみません」

 と、返されてしまい、春風は言葉に詰まり、謝罪した。

 「さて、と」

 アマテラスはくるりとヘリアテスの方を見て、

 「久しぶりね、

 と、ヘリアテスをニックネームでそう呼んだ。

 「お、お久しぶりです、アマテラス様」

 どこかぎこちない様子で答えるヘリアテスを、アマテラスはジィっと見つめて、

 「うん、久しぶりに見たけど……」

 「な、何ですか?」

 「随分と小さくなってない?」
 
 「ムカ! や、喧しいです! ほっといてください!」

 プンスカと怒るヘリアテスを無視して、アマテラスは次にリアナの方を向いた。

 「リアナちゃん、だったね?」

 「は、はい!」

 突然話しかけられて思わずビシッとなったリアナに、アマテラスは優しく微笑んで、

 「春風君を連れ出してくれて、どうもありがとう。おかげで、こうしてまたへリアちゃんと再会する事が出来たわ。地球の神を代表してお礼を言うわね」

 「そ、そんな、恐れ多いですぅ!」

 恥ずかしそうに言うリアナと、それを見てクスリと笑うアマテラスを見て、春風はふと「?」を浮かべたので、アマテラスに質問することにした。

 「あの、アマテラス様」

 「なあに、春風君」

 「もしかして、俺がこの世界に来てからの行動を知ってたりしてますか?」

 「うん、知ってるよ」

 即答だった。

 春風が「どうして」と言おうとすると、

 「それはね、君とオーディンが繋がっているからだよ」 

 と言って、アマテラスは春風に近づいて、スッと春風の右目を指差した。

 「君はオーディンと契約したその時から、君の右目は同時にでもあるんだ」

 「それって、オーディン様と契約したら自動的にそういう仕組みになるって事ですか?」

 「そ。だから、君が見ている景色は全てオーディンが見ている景色でもあるって事なの。そして、オーディンが見ている景色は、私達他の神も見る事が出来るんだ」

 「はぁ、そうですか……ん? という事は、それってつまり……」

 アマテラスはにっこり笑って、

 「うん! この世界に来てからの君のセリフと行動は、全部知ってまーす!」

 「ガーン! ナ、ナンテコッタイ……」

 そう言って、春風はショックで膝から崩れ落ちた。

 アマテラスはそんな春風に近づくと、
 
 「まぁ、そんなに落ち込まないで。君が色々と質問してくれたおかげで、結構有力な情報が手に入ったんだから、むしろ良くやったと思ってるよ」

 と、春風の肩をポンポンと叩きながら言った。

 「ただ…」

 「?」

 「その後の暴言が結構効いたかな」

 「マジですか!?」

 「うん、特に最後のやつがね。神様なのに私達お腹に大ダメージ受けちゃったよ。信じてくれたのは嬉しかったけど」

 「それは……」

 春風は何か言い続けようとした瞬間、謁見の間での出来事を思い出して、

 「申し訳ありませんでした!」

 と、本日何度目かになる土下座をした。

 「え、どしたの春風君!?」

 驚いたアマテラスに、春風は土下座のまま答える。

 「俺、先生やクラスのみんなを、置いていってしまいました」

 「……いや、状況が状況だし、いくら神と契約して力に目覚めたといっても、今の君はまだ力を扱えない未熟な状態だ。あのままあそこにいても、恐らく何も出来ずに敵に良い様にされるのがオチだろう。そう考えれば、あそこを出たのは正解だと、私は思っている」

 「……」

 「それでも自分を許せないと思うのなら、力と知識と技を身に付けて、それらを100パーセント使いこなせるくらい、肉体的にも精神的にも強くなりなさい。そして、置いていってしまった彼らが困った状態になったら、時には信じて、時にはぶっ飛ばしてでも止めて、そして救いなさい」

 冷静かつ真剣な口調のアマテラスの言葉を聞いて、春風は、
 
 「……はい!」

 と、力強く頷いた。

 その後、アマテラスはヘリアテスに向き直って、

 「さて、じゃあ、へリアちゃん」

 「は、はい!」

 「色々と言い訳とかあると思うけど、取り敢えず、私達の文句、聞いてくれるかな? 勿論、リアナちゃんも一緒に、ね」

 そう言われて、ヘリアテスとリアナはビクッとすると、

 「「はい」」

 と、同時に頷いた。
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