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第2章 冒険の始まり
第14話 降り立ったその場所は……
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*第2章の始まりです。
(う、うーん。ここは?)
気がつくと、春風は見知らぬ場所に倒れていた。
起き上がって辺りを見回すと、そこには先に召喚された担任教師の小夜子とクラスメイト達がいて、全員、今の自分達の状況にとても戸惑っている様子だった。
(良かった。皆無事みたいだな)
ホッとした春風はその後、自身の状態を確認する為にステータスウインドウを開いた。幸いな事に、小夜子達はまだ状況が理解出来てなく、春風の行動に気づくことはなかった。
ただ1人を除いては……。
(うん。ステータスはちゃんと開けてるし、変化したところは無いな)
そうとは知らずにステータスを確認し終えた春風は、次に自分が今いる場所を知る為に再び周りを見回した。
どうやらそこは大きな部屋の中で、床と壁と天井が白で統一されていた。
左右の壁には少し豪華な装飾が施された白い西洋甲冑に身を包み、腰に鞘に収めた剣をさげた男女が数人たっていて、後ろをチラリと見ると、ちょっと離れたところに白い大きな扉があった。
(出入り口らしきものはまず1つ)
正面を向くと、そこには2つの豪勢な椅子があり、そこに2人の男女が座っていて、どちらも立派な服を着ていて頭に王冠の様なものをかぶっていた。そしてその背後の壁にも数人の男女と、自分達よりも年下かと思われる立派なドレスを着た少女が1人いた。
部屋全体を見終わった春風は理解した。ここはファンタジー系の漫画とかに出てくる「お城」の中で、現在、自分達がいるのは、王様に会う為の場である「の間」の様だった。
(なるほどね。で、目の前にいる椅子……いや、玉座に座っているのが、『王様』と『王妃様』って事か。でもって、よく見たら玉座の側には王族専用の扉があるな)
未だに戸惑っている小夜子達を他所に、1人納得の表情をする春風。
その時、
「ようこそおいで下さいました、勇者様方」
と言う声がして、春風は正面の玉座の方を見た。そこには、美しい容姿に長い金髪と青い瞳を持ち、物語とかに出てくる「お姫様」を思わせる白いドレスを着た少女と、細かい装飾が施された白いローブに白い長い杖を持った4人の男性がいた。
(誰だろう? まぁ、なんとなくわかるけど。年は俺達と同じぐらいかな?)
春風が冷静にそんな事を考えていると、小夜子が恐る恐る少女に質問した。
「あ、あの、貴方は? ていうか、ここは?」
普段は気の強い小夜子だが、状況が状況なので口調が少しおかしくなっていた。
そんな小夜子に、少女は優しく微笑みながら答えた。
「ここは『セイクリア王国』。そして私は、セイクリア王国第一王女、クラリッサ・ヘレナ・セイクリアと申します」
自らを「王女」と名乗った少女に驚く小夜子とクラスメイト達。しかし、春風だけは冷静だった。
(やっぱ『王女様』だったか)
困惑している小夜子達を前にしても、クラリッサは表情を変えずに続ける。
「あなた方は、この世界『エルード』を救う為に、『神』に選ばれた『勇者』として、私とここにいる魔術師達によって召喚されたのです」
(なるほど、使われたのは『勇者召喚』というわけか)
クラリッサの説明に、春風は周りに気づかれないように鼻で笑った。
その後、
(……何が『勇者様方』だ! お前達の所為で俺達の世界が……『地球』が大変な事になったんじゃねぇか!)
春風は怒りを込めた眼差しで、クラリッサ達を睨みつけたが、すぐにハッとなって周りを見回した。
(よ、よかった、誰にも気づかれていないな。ふぅ、危ない危ない)
安心した春風は、深呼吸して気持ちを落ち着かせた。そんな春風の様子に気づかずに、クラリッサは話を続ける。
「それでは皆様、これより詳しい事情を、私の父であり、ここ『セイクリア王国』の国王、ウィルフレッド陛下がお話しします」
そう言うと、クラリッサは魔術師達と共に部屋の隅に移動した。
(さあて、いよいよ国王様のお話ってわけだな)
そう思って、春風は話をしっかり聞こうと、目の前にいる国王に視線を向けた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どうも、ハヤテです。
というわけで、今日から第2章の始まりになります。
エルードに降り立った春風君は、一体国王から何を聞かされることになるのか?
どうぞ、これからの話をお楽しみください。
(う、うーん。ここは?)
気がつくと、春風は見知らぬ場所に倒れていた。
起き上がって辺りを見回すと、そこには先に召喚された担任教師の小夜子とクラスメイト達がいて、全員、今の自分達の状況にとても戸惑っている様子だった。
(良かった。皆無事みたいだな)
ホッとした春風はその後、自身の状態を確認する為にステータスウインドウを開いた。幸いな事に、小夜子達はまだ状況が理解出来てなく、春風の行動に気づくことはなかった。
ただ1人を除いては……。
(うん。ステータスはちゃんと開けてるし、変化したところは無いな)
そうとは知らずにステータスを確認し終えた春風は、次に自分が今いる場所を知る為に再び周りを見回した。
どうやらそこは大きな部屋の中で、床と壁と天井が白で統一されていた。
左右の壁には少し豪華な装飾が施された白い西洋甲冑に身を包み、腰に鞘に収めた剣をさげた男女が数人たっていて、後ろをチラリと見ると、ちょっと離れたところに白い大きな扉があった。
(出入り口らしきものはまず1つ)
正面を向くと、そこには2つの豪勢な椅子があり、そこに2人の男女が座っていて、どちらも立派な服を着ていて頭に王冠の様なものをかぶっていた。そしてその背後の壁にも数人の男女と、自分達よりも年下かと思われる立派なドレスを着た少女が1人いた。
部屋全体を見終わった春風は理解した。ここはファンタジー系の漫画とかに出てくる「お城」の中で、現在、自分達がいるのは、王様に会う為の場である「の間」の様だった。
(なるほどね。で、目の前にいる椅子……いや、玉座に座っているのが、『王様』と『王妃様』って事か。でもって、よく見たら玉座の側には王族専用の扉があるな)
未だに戸惑っている小夜子達を他所に、1人納得の表情をする春風。
その時、
「ようこそおいで下さいました、勇者様方」
と言う声がして、春風は正面の玉座の方を見た。そこには、美しい容姿に長い金髪と青い瞳を持ち、物語とかに出てくる「お姫様」を思わせる白いドレスを着た少女と、細かい装飾が施された白いローブに白い長い杖を持った4人の男性がいた。
(誰だろう? まぁ、なんとなくわかるけど。年は俺達と同じぐらいかな?)
春風が冷静にそんな事を考えていると、小夜子が恐る恐る少女に質問した。
「あ、あの、貴方は? ていうか、ここは?」
普段は気の強い小夜子だが、状況が状況なので口調が少しおかしくなっていた。
そんな小夜子に、少女は優しく微笑みながら答えた。
「ここは『セイクリア王国』。そして私は、セイクリア王国第一王女、クラリッサ・ヘレナ・セイクリアと申します」
自らを「王女」と名乗った少女に驚く小夜子とクラスメイト達。しかし、春風だけは冷静だった。
(やっぱ『王女様』だったか)
困惑している小夜子達を前にしても、クラリッサは表情を変えずに続ける。
「あなた方は、この世界『エルード』を救う為に、『神』に選ばれた『勇者』として、私とここにいる魔術師達によって召喚されたのです」
(なるほど、使われたのは『勇者召喚』というわけか)
クラリッサの説明に、春風は周りに気づかれないように鼻で笑った。
その後、
(……何が『勇者様方』だ! お前達の所為で俺達の世界が……『地球』が大変な事になったんじゃねぇか!)
春風は怒りを込めた眼差しで、クラリッサ達を睨みつけたが、すぐにハッとなって周りを見回した。
(よ、よかった、誰にも気づかれていないな。ふぅ、危ない危ない)
安心した春風は、深呼吸して気持ちを落ち着かせた。そんな春風の様子に気づかずに、クラリッサは話を続ける。
「それでは皆様、これより詳しい事情を、私の父であり、ここ『セイクリア王国』の国王、ウィルフレッド陛下がお話しします」
そう言うと、クラリッサは魔術師達と共に部屋の隅に移動した。
(さあて、いよいよ国王様のお話ってわけだな)
そう思って、春風は話をしっかり聞こうと、目の前にいる国王に視線を向けた。
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どうも、ハヤテです。
というわけで、今日から第2章の始まりになります。
エルードに降り立った春風君は、一体国王から何を聞かされることになるのか?
どうぞ、これからの話をお楽しみください。
応援ありがとうございます!
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