ユニーク賢者の異世界大冒険

ハヤテ

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第1章 誕生、ユニークな賢者

第13話 準備完了、いざ異世界(エルード)へ

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*第1章最終話です。

 「ハァ、ハァ。よし、それじゃあステータスオープン」

 ようやくスキルインストールの痛みが治った春風は、早速ステータスのチェックをする事にした。

 幸村春風(人間・男・17歳) 職能:見習い賢者
 レベル:1
 ボーナスポイント:200
 体力:70/70
 魔力:100/100
 攻撃:7
 防御:19(7+10+2)
 知力:10
 精神:10
 器用:10
 敏捷:9
 運勢:5
 魔力属性:風、火、水、土、光、闇、無
 状態異常:呪い(彼岸花の呪い)
 スキル:風魔術、心技体、英知、偽装、気配遮断、体術
 専用スキル:魔術作成、魔石生成、魔導具錬成
 特殊スキル:異世界言語理解
 称号:異世界(地球)人、神(地球)と契約を結びし者、固有職保持者、呪われし者
 装備:学生服、上履き、伊達眼鏡、師匠のお守り、封呪の包帯

 「ちゃんとスキルが増えてるな」

 新たにスキルが加わったのを確認すると、春風は神々にもステータスを見せた。そのステータスを見て、納得の表情をしたり、微妙な表情をするなど、神によって反応は様々だった。

 そんな中で、春風の契約神であるオーディンはというと、

 「なるほど。[心技体]で状態異常を無力化しつつ基礎能力と技術力を鍛えて、[英知]で情報収集。[偽装]と[気配遮断]で周囲を欺き、近接戦闘術として[体術]を選んだというわけだね」

 「一部言い方が失礼ですが、だいたいその通りです。俺としては『これだ!』という思いで選んだのですが……」

 「? どうしたのかな?」

 「状態異常を無力化する[心技体]でも、『彼岸花の呪い』をどうにかする事は出来ませんでした」

 「ああ、そういえばステータスを見ると確かにまだある様だね」

 オーディンにそう言われて、春風はシュンとなった。そんな春風を見てオーディンは、

 「ま、これについては考えても仕方ないという事にしよう。スキル構成については、君らしくて僕は良いと思っているから、ね?」

 と笑顔で言うと、

 「ありがとうございます」

 と、春風も笑顔で答えた。

 「それじゃあ、準備も出来たところで、早速エルードへの道を開くよ」

 「お願いします」

 そして、いよいよエルードへと旅立とうとした時だった。

 「あ、ちょっと待って!」

 突然、アマテラスに呼び止められたので、春風は何だろうと振り向いた。

 「どうしたんですか?」

 「言い忘れてたけど、行く前に貴方に2つ『お願いしたい事』があるの」

 「お願いしたい事……ですか?」

 「ええ。まず1つは、向こうに着いたら向こうの神達と接触して、連絡をとれる様にしてほしいの」

 「ああ、そういえば向こうの神様達とは連絡がとれないんでしたよね? それって、どうすればいいのですか?」

 「簡単よ。オーディンと契約した貴方なら、あの子達に触れるだけで連絡出来る様になるの」

 「なるほど、そうでしたか。それで、向こうの世界の神様のお名前はなんというのでしょうか?」

 「ああ、あの子達の名前は……」

 そして、春風はアマテラスから、エルードの神の名前を教えて貰った。

 「わかりました。そのお願い、必ず叶えます」

 「ありがとう。で、もう一つの『お願い』なんだけど……」

 それを聞いて、春風は微妙に嫌そうな表情をした。何故ならその「お願い」は、春風にとって理解出来ないものだったからだ。

 アマテラスは「まぁ、そうだろうなぁ」と思いながら、困った様な笑みで言った。

 「貴方の気持ちはよくわかるわ。私達だって同じ気持ちだもの」

 「……」

 「だけど、出来たらでいいから、さっきの『お願い』を叶えるついでに、こっちも叶えてほしいって感じなんだ」
 
 アマテラスの言葉に、春風は「ハァ」と溜め息を吐くと、

 「わかりました。そっちの「お願い」も必ず叶えます」

 と、若干納得出来ないと思いながら答えた。

 「ありがとう」

 アマテラスは優しさに満ちた表情でお礼を言った。

 「おーい、準備が出来たよー」

 オーディンにそう言われると、春風はすぐにそばに駆け寄った。

 そして駆け寄った先には、大きな魔法陣が描かれていた。

 「さ、それじゃあ中央に立って」

 オーディンに言われるままに、春風はその大きな魔法陣の中央に立った。

 「では、今から君を『エルード』に送るよ。到着時間は、先に召喚された子達と一緒になる様にしたからね」

 「ありがとうございます」

 「で、地球消滅までの期限だけど」

 「ああ、そういえば聞いてませんでしたね。あの……それで、期限はいつまでになりますか?」

 恐る恐る尋ねる春風に、オーディンは真面目な表情で答える。

 「僕達神々も頑張るけど、あと1年になる」

 「1年ですか。それまでになんとかしないといけませんね」

 「不安かい?」

 「はい。でも、そんな事言ってる場合じゃないですよね?」

 「……ごめん」

 「いえ」

 そう答えると、春風は深呼吸してオーディン達「地球」の神々に向かって、

 「それでは神様の皆さん、行ってきます!」
 
 と、元気よく言った。

 それを聞いて、「地球」の神々は、

 『行ってらっしゃい!』

 と、元気よく答えた。

 その後、魔法陣が光り出し、春風はその光に包まれる様に消えた。

 「彼、大丈夫かなぁ?」

 神々の1柱が不安そうに尋ねた。

 それに対して、オーディンは答える。

 「大丈夫、彼ならきっと出来るさ。この僕が直接彼を改造したんだし。それに……」

 「それに?」

 「『彼女』の弟子だし、ね」

 「ああ、『彼女』かぁ」

 4秒の沈黙後。

 『ば、バレたらどうしよう……』

 その瞬間、神々は全員、不安に苛まれた。


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 どうも、ハヤテです。

 以上をもちまして、「真の序章」とも言える第1章はこれで終了です。

 次回第2章では、いよいよ異世界「エルード」での物語の幕が上がります。

 果たして春風君に、一体どのような展開が待ち受けているのか? 

 彼の今後の活躍に、ご期待ください。
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