13 / 608
第1章 誕生、ユニークな賢者
第12話 スキル、追加しました
しおりを挟む「え、す、『スキルの追加』って、そんな事が出来るのですか?」
春風がそう尋ねると、オーディンはコクリと頷きながら答えた。
「勿論出来るよ。今君が手に入れた専用スキルの他にも、初期スキルとして幾つか持たせる事も決まりの1つなんだ」
その言葉を聞いて春風は、
「なるほど、そうなんですか」
と納得した。
「それじゃあ早速……」
そう言って、オーディンが春風の額に手を触れると、
「現在のエルードの概念をもとに、『スキルリスト』を展開」
次の瞬間、春風の目の前にステータスウインドウよりも数倍大きなウインドウ5つが現れて、そこには「剣術」や「炎魔術」と言った様々なスキルの名前が表示されていた。
「後はこれを……」
オーディンはそう言うと、指をパチンと鳴らした。すると、
「500ノボーナスポイントヲ入手シマシタ」
と言う「声」が聞こえたので、春風はすぐにステータスを開くと、そこには「ボーナスポイント:500」と記されていた。
「そのポイントを使ってスキルを入手するんだ。そうだねぇ、取り敢えず10個をメドとして、今持っているスキルは5つあるわけだから、あと5つだな」
「わかりました」
そう言って、春風は目の前のスキルリストに向き直った。
スキルリストは1つ星、2つ星、3つ星、4つ星、5つ星とランクごとに分けられていて、それぞれ1つ星=20、2つ星=40、3つ星=60、4つ星=80、5つ星=100と、ランクに応じて必要なポイントが異なる様だった。
春風はスキルを選ぶ前に、スキルのランクについて調べる事にした。調べ方については、取り敢えずリストの名前に触れてみたら説明文が出てきたので、1つ星スキル以外のランクの説明を読んだ。
2つ星……1つ星より上のランク。1つ星よりも少し強力なスキルが多い。ボーナスポイントの振り付けが出来る。
3つ星……中間的なランク。戦闘から生産まで、バランス良く揃っている。ボーナスポイントの振り付けが出来る。
4つ星……5つ星より下のランク。5つ星には及ばないが強力なものが揃っている。ボーナスポイントの振り付けが出来る。
5つ星……最高ランク。ボーナスポイントの振り付けは出来ないが、超強力なものが多い。しかし、使い方を間違えれば世界を滅ぼしてしまう危険性も秘めている。
説明を読み終えた春風は考えた。
ここで普通なら、ポイント全部使って5つ星スキルを5個入手するべきだろう。
世界を救う為なら、その方が確実だと思ったからだ。
しかし、
(なんだろう、それではいけない気がする)
となんとなく感じた春風は、悩んだ末に、各ランクから1つずつ入手する事にした。
(まぁ、契約の時にも言ったけど、いきなり大きな力を持っても扱いに困るだけだしな……)
そう考えて、春風は深呼吸して気持ちを落ち着かせると、スキルリストを見ながら、自分が一番欲しいと思っているスキルをイメージした。
(俺の最大の目的は、故郷『地球』を守って、生きて帰る事だ。その為に必要なのは……)
そして考えた末、春風が選んだスキルの名は……。
心技体(5つ星)……肉体、精神、技術力を際限なく強化するスキル。レベルの限界を超え、レベルアップ時に体力と魔力に100、他の能力に10プラスされる。さらにあらゆる状態異常を無力化し、新たな技と魔術の閃き発生率とスキルの入手率、そして生産スキル使用時の成功率が上昇する。
英知(4つ星)……物質や生物の情報を解析し、知識として手に入れるスキル。手に入れた情報はいつでも見る事が出来る。消費魔力:20。
偽装(3つ星)……魔力を消費して情報を書き換えて他者の目を欺く為のスキル。極めればスキル使用者自身の姿さえも偽る事が出来る。消費魔力:10。
気配遮断(2つ星)……魔力を消費して自身の気配を消し去る為のスキル。制限時間は1回の使用につき10分間だけ。消費魔力:10。
体術(1つ星)……鍛え上げた肉体を武器とする戦闘技術。
(よし、この5つだ)
スキルを選び終えた春風は、ボーナスポイント500のうち300を使い、選んだスキルを入手した。
「スキル[心技体]、[英知]、[偽装]、[気配遮断]、[体術]ヲ入手シマシタ。インストールヲ開始シマス」
その後、「声」が言った様に選んだスキルが春風の頭に入り、結果、
「イッテエエエエエエエッ!」
と、春風は再び、激しい頭痛に襲われるのだった。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
185
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる