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第三章・伯爵家当主マリン
41・噂の的
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僕は今、城内の…いや!国中の噂の的になっている。
『皇太子殿下の婚約者は、ロテシュ伯爵のマリン様で決まりらしい!』
この噂があっという間に広まり、さらに噂に尾ひれが付いて有る事無い事言われてしまっている。これはマズいね?
その「尾ひれ」が何だと言うと、僕とレオが城下街で逢引していただの、城の温室で愛を育んでいるだの、もう既に王公認の仲だの、皇太子と結婚したいが為にミシェルと婚約破棄しただのと…
状況や意味合いが違うだけで、起きた事は概ね事実なのが辛い!!
お城でのあの時、王様には仲が良過ぎる故の冗談です!って説明したんだけど、他にも僕達の会話を聞いた人が居たようで。壁に耳あり…ってやつだ。
それにお城、顔パスになったからって頻繁に訪ね過ぎたかな?
でもさ、城の中での事は仕方がないとしても、城下街でも意外と人に見られてたんだね?ビックリだよ!
もしかして、この噂をミシェルも聞いたかな?
──こ、これは、ちょっと…いや!相当マズくないかい?きっとミシェル、怒ってる!
だんだんと心配になってきて、思わずギルフォード公爵家に様子を見に行ってみる。
ずっと忙しくて行けなかったんだ…僕の第二のお家~!
お屋敷の皆んな、元気かな?僕が居なくなって寂しい?それにミシェルも…。そんな事を思いながら遠くから覗いてみる。
「マリン様、そんなの怪しい人みたいですよ?正面から訪ねていけばいいじゃないですか?かつて知ったる家!なんですから…」
一緒に付いて来てくれたオリヴァーにそう言われたけど、ちょっと入りにくいんだよね…また叱られたらどうしょ?怖い~!
建物の陰から公爵家を覗いて、どうしようかな…って悩む。
──顔なじみの門番の人に、ミシェルいる?って聞いてみようかな。偶然、ギルバートさんとか出て来てくれるといいんだけどなぁ~。
──ちょん、ちょん。肩を突つかれる。
「ん、オリヴァー?分かってるって!訪ねてみろっていうんだろ?でもさ、あの嘘の噂を真に受けてミシェルが怒ってたら…って思うと~。それに愛想を尽かされてるかも?って思うと怖いんだよ。クリスを選んで、僕とは結婚しない!って言われちゃうかもしれないよ?」
──ちょん、ちょん。
「ああもう~肩叩かなくても分かってるってー!僕はミシェルが大好きだから結婚したいんだって!心配なんだよなぁ…」
僕はしつこく肩を突つくその手を払って振り返る。えっ┉なんで?
「あわわ!どうしてここに!?ミシェル…」
そこには何とも言えない表情のミシェルが立っていた。
「ど、どうした…のかな?ミ、ミシェル。んで、その表情何よ?」
僕は突然のミシェルに、動揺しまくりでオロオロしてしまう。
「それでミシェル…その顔はどういう意味なのかな?呆れてる…それとも怒ってる?もしかして嬉しいの?」
何とも形容し難い表情のミシェルに困惑してしまってそう尋ねた。それにミシェルは…
「この馬鹿!それ全部だよ!呆れて怒って嬉しいんだー!!」
いきなりミシェルが、めいっぱい叫ぶ。
あのいつも冷静沈着で、貴公子然としたミシェルが!
僕は驚き過ぎて固まっていたけど、そんな僕をミシェルはぎゅっと抱き締める。まるでもう離さない!というように。
「何を言ってる?私がマリンとの結婚を辞めたいだなんて言う訳ないだろう?こんなに好きなのに!それにクリス?何故私がクリスと結婚しないといけないんだ!そもそもクリス令息が私達の結婚にどう関係してるって言うんだ?」
ミシェルは信じられない!といった表情で、そう僕に断言した。
──えっ、どういう事なの?
『皇太子殿下の婚約者は、ロテシュ伯爵のマリン様で決まりらしい!』
この噂があっという間に広まり、さらに噂に尾ひれが付いて有る事無い事言われてしまっている。これはマズいね?
その「尾ひれ」が何だと言うと、僕とレオが城下街で逢引していただの、城の温室で愛を育んでいるだの、もう既に王公認の仲だの、皇太子と結婚したいが為にミシェルと婚約破棄しただのと…
状況や意味合いが違うだけで、起きた事は概ね事実なのが辛い!!
お城でのあの時、王様には仲が良過ぎる故の冗談です!って説明したんだけど、他にも僕達の会話を聞いた人が居たようで。壁に耳あり…ってやつだ。
それにお城、顔パスになったからって頻繁に訪ね過ぎたかな?
でもさ、城の中での事は仕方がないとしても、城下街でも意外と人に見られてたんだね?ビックリだよ!
もしかして、この噂をミシェルも聞いたかな?
──こ、これは、ちょっと…いや!相当マズくないかい?きっとミシェル、怒ってる!
だんだんと心配になってきて、思わずギルフォード公爵家に様子を見に行ってみる。
ずっと忙しくて行けなかったんだ…僕の第二のお家~!
お屋敷の皆んな、元気かな?僕が居なくなって寂しい?それにミシェルも…。そんな事を思いながら遠くから覗いてみる。
「マリン様、そんなの怪しい人みたいですよ?正面から訪ねていけばいいじゃないですか?かつて知ったる家!なんですから…」
一緒に付いて来てくれたオリヴァーにそう言われたけど、ちょっと入りにくいんだよね…また叱られたらどうしょ?怖い~!
建物の陰から公爵家を覗いて、どうしようかな…って悩む。
──顔なじみの門番の人に、ミシェルいる?って聞いてみようかな。偶然、ギルバートさんとか出て来てくれるといいんだけどなぁ~。
──ちょん、ちょん。肩を突つかれる。
「ん、オリヴァー?分かってるって!訪ねてみろっていうんだろ?でもさ、あの嘘の噂を真に受けてミシェルが怒ってたら…って思うと~。それに愛想を尽かされてるかも?って思うと怖いんだよ。クリスを選んで、僕とは結婚しない!って言われちゃうかもしれないよ?」
──ちょん、ちょん。
「ああもう~肩叩かなくても分かってるってー!僕はミシェルが大好きだから結婚したいんだって!心配なんだよなぁ…」
僕はしつこく肩を突つくその手を払って振り返る。えっ┉なんで?
「あわわ!どうしてここに!?ミシェル…」
そこには何とも言えない表情のミシェルが立っていた。
「ど、どうした…のかな?ミ、ミシェル。んで、その表情何よ?」
僕は突然のミシェルに、動揺しまくりでオロオロしてしまう。
「それでミシェル…その顔はどういう意味なのかな?呆れてる…それとも怒ってる?もしかして嬉しいの?」
何とも形容し難い表情のミシェルに困惑してしまってそう尋ねた。それにミシェルは…
「この馬鹿!それ全部だよ!呆れて怒って嬉しいんだー!!」
いきなりミシェルが、めいっぱい叫ぶ。
あのいつも冷静沈着で、貴公子然としたミシェルが!
僕は驚き過ぎて固まっていたけど、そんな僕をミシェルはぎゅっと抱き締める。まるでもう離さない!というように。
「何を言ってる?私がマリンとの結婚を辞めたいだなんて言う訳ないだろう?こんなに好きなのに!それにクリス?何故私がクリスと結婚しないといけないんだ!そもそもクリス令息が私達の結婚にどう関係してるって言うんだ?」
ミシェルは信じられない!といった表情で、そう僕に断言した。
──えっ、どういう事なの?
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