お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!

MEIKO

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第三章・攻略の行方

19・勘違い

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 僕は何故かそれ以上二人を見ていられなくなって、そこから逃げるように去っていた。何故か、ベ◯ばらのテーマ・ソングを口ずさみながら…

 だけどあの女の子…誰なんだろう?使用人の皆さんとは早々と顔馴染になっているけど、学園に通われている令嬢令息達とは顔を合わせる機会がほとんどない。もちろん学園の敷地内を移動する際にすれ違う時はあるが、そういう時は黙礼するのが礼儀だからだ。

 坊ちゃまと共にいて、言葉を交わすことがあって初めて、お顔と名前を知ることになる。
 だからね、無視スキルがメガトン級の坊ちゃまが、立ち止まって挨拶を返さないとダメなのよ。公爵家令息の坊ちゃまがそうなる方なんて、同じ公爵家か大公家、それに王族の皆さんしか有り得ない。例外では親しいご友人とか。坊ちゃま、いるのかな?
 そんな坊ちゃまには、この学園に入学されたのを機に、是非とも交流を広げて欲しいと思ってる。だけど、何しろ孤高の存在だからね?こういう所での孤独は、生まれついた宿命かも知れない。

 ──だけどうーん…あの令嬢は、どういったご関係なんだろう?
 物凄く気になるが、坊ちゃまのプライベートに干渉し過ぎるのも従者として失格だろうし…
 ふつふつと湧いては消えるそんな感情に、頭を支配されながら寮の部屋へと戻って行った。


 +++++


 「坊ちゃま、本日も授業が終わった後、カフェにお寄りになりますよね?」

 僕はサッと朝のお支度を整えて、最後の仕上げとばかりに首元にタイをお付けしながらそう尋ねた。坊ちゃまは今日も最高にキマっている!朝日よりも輝くお姿に満足げに頷く。

 「そうするつもりだよ。だけど何かあるのかい?」

 「坊ちゃまをお見送りしてから、公爵邸まで行こうと思っています。最近急に寒くなってきましたから、冬物を取りに行こうかと…。お戻りになる時間までには帰る予定ですので、心配しないで下さいね」

 そんな僕の言葉に坊ちゃまは、「なるほど分かったよ」とおっしゃって、部屋を出る時には気を付けて行くようにと念を押された。
 坊ちゃまの衣装は、アルベルトさんとルーシーさんのガチ勢がとっくに鞄に詰め終わっているだろうから、自分の物だけ詰めれば終わりなんだけどね!

 それから僕は、同じ理由で侯爵家へ行くことになっているトムさんの馬車に同乗させて貰い、久しぶりのエドモア公爵邸へと急いだ。だけど今日は、使用人の寮はスッカラカンかも?他の使用人達も全く同じ思いのようで、アプローチには我先にと何台もの馬車の列が続いていた。


 +++++


 「エリオット君、それだけでいいの?坊ちゃまの荷物なんてこんなに沢山あるんだけど…」

 帰りはスコットさんに学園まで送ってもらった。大きな鞄二つと小さな鞄一つ。もちろん大きい方は坊ちゃまので、小さい方は僕のだ。

 「いつも公爵家から支給されている制服ですから。あとはコートとカーディガンくらいあれば充分なんですよ」

 僕は基本、公爵家の使用人の証であるダークブルーの制服を着ている。貴族家といえば黒の制服が多い中で、エドモア家では光沢がある上質な紺地の上下で格の違いを漂わせている。首元のタイには金色に光るピンが、それから胸の名札は本物の宝石をあしらった家紋が彫り込まれている。僕にとってこの制服は自慢だからね~

 「そういえば父が、エリオット君から抱き着かれたって、デレデレで言ってたけど。物凄く嬉しそうだったよ」

 イケおじのアンクルさんが?良かった…嫌じゃなかったんだなと、ホッとする。あの時不安から思わず抱き着いちゃったけど、後で考えたら恥ずかしい…
 デレ…?はちょっと何のことだか分からないけど、やっぱりイケメンは心もイケメンだと感心する。アンクルさん、いくつになっても格好いいしね!キ◯ヌかな~?

 そんな話をしながらスコットさんと荷物を運んで、そろそろ坊ちゃまが帰って来られる筈だと急いでいると…

 「君!ちょっと君だよ…聞こえないの?」

 途端、まるで鈴を転がすような声が聞こえる。僕はそれに驚いて、その声の方へと振り返る。えっ…

 ──ああーっ!あなたは…

 目の前には首を少し傾げて、腕を組みながら僕をじっと見つめる令嬢が立っていた。あの人だ…この前坊ちゃまと同席していたご令嬢だ!ん…だけどなんだか怒ってる?
 
 僕は凄く動揺してしまい、目が泳ぎまくりだ。だけどこれ以上、機嫌を損なう訳にはいかないと、それを隠して平静を装う。

 「どんな御用でございましょうか?それと、お聞きしていないと主人に叱られますので、失礼ですがお名前をお聞きできたらと…」

 どのような身分の方なのか、分からないのでは対応の仕様がない。坊ちゃまとの間柄も気になっているし、思い切ってそう切り出した。すると…

 「僕?…僕は、アンディ・ガドリンだ。ガドリン公爵家の次男だけどぉ」

 それを聞いた時、まるで時が止まったような感覚になる。はあっ?ぼ、僕だって!?

 ──この子、男の子なの?んな、アホな…
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