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第1章
第40話 旅立ちから出戻り
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「ライトニードル! ライトニードル!」
街道から見える追加のオークやゴブリンに向けて魔法を連射する。
次々と叫び声と共に倒れていくゴブリンにやっと気付いたのか、クラスメイト達は金谷と同じく囲っていた残りのゴブリン達を倒さず街の方へ駆け出した。
「まーた逃げますの、弱虫さんなのですよ」
「友里くん! 倒した魔物は回収しておかなきゃ、血の匂いでさらに追加が来ちゃいますよ!」
「分かった。また身体強化かけるからあそこまでイルをおんぶして近づいて」
街に走り去るクラスメイト背中を視界の端にとらえながらも、ゴブリン達にライトニードルを撃ち続ける。
身体強化した茜ちゃんは街道から離れ、草原をゴブリン達に向けて走り出す。
クラスメイト達は草原を抜け、街道に出たようだ。
あっという間にクラスメイト達が倒した傷だらけのゴブリン三匹のところまでたどり着き、分かったことは、たぶん一人一撃だけして経験値を稼ごうとしいてるんだと思う。
とか考えているうちに、森から出てくる数も減り、最後ちょっと大きなオークを倒した後、今回出てきた魔物は全て倒せたようだ。
「湖の時より数は少ないけど、オークが多いのは良いね」
「お肉になるのでお腹とお口が喜びますの!」
「そうだね、今回は半分くらいオークだから、私達だけじゃ食べきれないよ。そうだ友里くん、またゴブリンは食べちゃうの?」
少し考えたけど、魔石にしておいて方が何かと便利だよね。
銀髪の俺の姿になってる茜ちゃんにお願いして、倒したゴブリンとオークに押し付けてもらう。
もちろんオークは収納しておくけどね。
途中でゴブリンの数が分からなくなったけど、だいたい全部で五十匹ほど、オークは二十七匹いた。
残りはクラスメイト達が倒したゴブリン三匹を金谷の時と同じように収納しておく。
「ん~、面倒だけど、報告はしないと駄目だよね、茜ちゃん、イル、一度王都に戻ろうか」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
冒険者ギルドに戻ると、そこには沢山の冒険者達が集まり、ギルドマスターが冒険者達に指示を出している。
王都に入ってから騒がしいとは思っていたけど、クラスメイト達が報告はしたようだ。
「森から数百の魔物が出てきたと報告があった。今のところスタンピードが起きている報告はないが、森を出たところで集まっている可能性が高い、Cランク以上の者は――」
ギルドマスターの近くには金谷達もいるようだし……あれ? 他の奴らは?
茜ちゃんの頭の上であたりを見渡してみたら、食事処で飲み物片手にこちらの様子を見ていた。
まあ、いるなら三匹は返して、ゴブリンの魔石を売ることにしよう。
『茜ちゃん、イル、とりあえずギルドマスターに報告したいから近付いてくれるかな』
『は~いですの、アカネ、ついてきますの』
イルに手を引かれて、収納から出した篭に入った魔石を茜ちゃんに持ってもらい、話を聞く冒険者達の間をすり抜けて人垣の一番前に出た。
「ギルドマスター、魔物は全て倒しましたから大丈夫です。それから数は五十匹ほどでしたよ」
そう言って、篭を前に出してもらう。
「ユウリがまた倒しましたの! ゴブリンいじめていた人は逃げちゃって、あそこでお茶飲んでますの!」
「イルの言う通りだ。大人数でゴブリンを取り囲み、まるで一人一撃、それも死なないように痛め付けていた。湖の時と同じようにね」
「また君か! それで、すべて倒したと?」
ギルドマスターも、集まっている冒険者達も聞きたいようだけど、まずは原因を作ったクラスメイトに集まってもらうよう職員に指示を出す。
同じギルドにいるわけで、呼びに行った職員と一緒にすぐこちらにやってきた。
「そうだ、この方達の獲物は持ってきたから、返しておくね」
そう言って致命傷にならない傷だらけのゴブリンを三匹出してあげる。
「あっ、僕達が倒したゴブリンだ、君達が持ってきてくれたんだね、ありがとう。僕達は今日初めて依頼を請けたんだ。その成果を持ってこれなかったから悔やんでいたところだったんだよ」
率先して、俺の事を無視し始めた委員長が、笑顔を振りまき握手を求めてきたんだけど。
『委員長っ! 私の髪の毛を最初に切ったくそやろうです! 友里君、ライトニードルです!』
『おい! 過激だな茜ちゃん! でも……俺の幼馴染みをいじめたヤツはやっぱり許せそうにないよね。分かった、ダークバインドで全員縛って、ジワジワと水責め、いや火責めかな……』
『おーちーつーくーでーすーのー!』
イルの念話でハッとなり、今にもダークバインドを唱えそうだった自身を押し留めることに成功した。
握手も当然しない。
握手をしないことに文句を言う冒険者はおらず、クラスメイト達を睨み付けている者がほとんどだ。
「なんだい? この世界には握手の文化はないようだね。握手と言うのは――」
「触るな!」
無理やり握手をしようと茜ちゃんの手を取ろうとしたから、思わず叫んでしまった。
「君達がしたことは、ゴブリンを無駄に傷付け、仲間を呼ばせる行為だ。分かるかな? 今回の騒動は、君達が招いた結果だぞ」
オークの一番デカいヤツを出してやり、茜ちゃんに篭をひっくり返して床に魔石をバラ蒔いてもらう。
「良いか? 俺達が駆け付け倒していなければ、二十七匹のオークとこの魔石の数だけのゴブリンが王都へ来ていたかもしれない事だ」
オークを出したところで『ひぃ!』とかその巨体に驚いているクラスメイトと、ザワザワとし始める冒険者達。
そしてギルドマスターがオークを見て呟いた。
「オークリーダーじゃないか……」
街道から見える追加のオークやゴブリンに向けて魔法を連射する。
次々と叫び声と共に倒れていくゴブリンにやっと気付いたのか、クラスメイト達は金谷と同じく囲っていた残りのゴブリン達を倒さず街の方へ駆け出した。
「まーた逃げますの、弱虫さんなのですよ」
「友里くん! 倒した魔物は回収しておかなきゃ、血の匂いでさらに追加が来ちゃいますよ!」
「分かった。また身体強化かけるからあそこまでイルをおんぶして近づいて」
街に走り去るクラスメイト背中を視界の端にとらえながらも、ゴブリン達にライトニードルを撃ち続ける。
身体強化した茜ちゃんは街道から離れ、草原をゴブリン達に向けて走り出す。
クラスメイト達は草原を抜け、街道に出たようだ。
あっという間にクラスメイト達が倒した傷だらけのゴブリン三匹のところまでたどり着き、分かったことは、たぶん一人一撃だけして経験値を稼ごうとしいてるんだと思う。
とか考えているうちに、森から出てくる数も減り、最後ちょっと大きなオークを倒した後、今回出てきた魔物は全て倒せたようだ。
「湖の時より数は少ないけど、オークが多いのは良いね」
「お肉になるのでお腹とお口が喜びますの!」
「そうだね、今回は半分くらいオークだから、私達だけじゃ食べきれないよ。そうだ友里くん、またゴブリンは食べちゃうの?」
少し考えたけど、魔石にしておいて方が何かと便利だよね。
銀髪の俺の姿になってる茜ちゃんにお願いして、倒したゴブリンとオークに押し付けてもらう。
もちろんオークは収納しておくけどね。
途中でゴブリンの数が分からなくなったけど、だいたい全部で五十匹ほど、オークは二十七匹いた。
残りはクラスメイト達が倒したゴブリン三匹を金谷の時と同じように収納しておく。
「ん~、面倒だけど、報告はしないと駄目だよね、茜ちゃん、イル、一度王都に戻ろうか」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
冒険者ギルドに戻ると、そこには沢山の冒険者達が集まり、ギルドマスターが冒険者達に指示を出している。
王都に入ってから騒がしいとは思っていたけど、クラスメイト達が報告はしたようだ。
「森から数百の魔物が出てきたと報告があった。今のところスタンピードが起きている報告はないが、森を出たところで集まっている可能性が高い、Cランク以上の者は――」
ギルドマスターの近くには金谷達もいるようだし……あれ? 他の奴らは?
茜ちゃんの頭の上であたりを見渡してみたら、食事処で飲み物片手にこちらの様子を見ていた。
まあ、いるなら三匹は返して、ゴブリンの魔石を売ることにしよう。
『茜ちゃん、イル、とりあえずギルドマスターに報告したいから近付いてくれるかな』
『は~いですの、アカネ、ついてきますの』
イルに手を引かれて、収納から出した篭に入った魔石を茜ちゃんに持ってもらい、話を聞く冒険者達の間をすり抜けて人垣の一番前に出た。
「ギルドマスター、魔物は全て倒しましたから大丈夫です。それから数は五十匹ほどでしたよ」
そう言って、篭を前に出してもらう。
「ユウリがまた倒しましたの! ゴブリンいじめていた人は逃げちゃって、あそこでお茶飲んでますの!」
「イルの言う通りだ。大人数でゴブリンを取り囲み、まるで一人一撃、それも死なないように痛め付けていた。湖の時と同じようにね」
「また君か! それで、すべて倒したと?」
ギルドマスターも、集まっている冒険者達も聞きたいようだけど、まずは原因を作ったクラスメイトに集まってもらうよう職員に指示を出す。
同じギルドにいるわけで、呼びに行った職員と一緒にすぐこちらにやってきた。
「そうだ、この方達の獲物は持ってきたから、返しておくね」
そう言って致命傷にならない傷だらけのゴブリンを三匹出してあげる。
「あっ、僕達が倒したゴブリンだ、君達が持ってきてくれたんだね、ありがとう。僕達は今日初めて依頼を請けたんだ。その成果を持ってこれなかったから悔やんでいたところだったんだよ」
率先して、俺の事を無視し始めた委員長が、笑顔を振りまき握手を求めてきたんだけど。
『委員長っ! 私の髪の毛を最初に切ったくそやろうです! 友里君、ライトニードルです!』
『おい! 過激だな茜ちゃん! でも……俺の幼馴染みをいじめたヤツはやっぱり許せそうにないよね。分かった、ダークバインドで全員縛って、ジワジワと水責め、いや火責めかな……』
『おーちーつーくーでーすーのー!』
イルの念話でハッとなり、今にもダークバインドを唱えそうだった自身を押し留めることに成功した。
握手も当然しない。
握手をしないことに文句を言う冒険者はおらず、クラスメイト達を睨み付けている者がほとんどだ。
「なんだい? この世界には握手の文化はないようだね。握手と言うのは――」
「触るな!」
無理やり握手をしようと茜ちゃんの手を取ろうとしたから、思わず叫んでしまった。
「君達がしたことは、ゴブリンを無駄に傷付け、仲間を呼ばせる行為だ。分かるかな? 今回の騒動は、君達が招いた結果だぞ」
オークの一番デカいヤツを出してやり、茜ちゃんに篭をひっくり返して床に魔石をバラ蒔いてもらう。
「良いか? 俺達が駆け付け倒していなければ、二十七匹のオークとこの魔石の数だけのゴブリンが王都へ来ていたかもしれない事だ」
オークを出したところで『ひぃ!』とかその巨体に驚いているクラスメイトと、ザワザワとし始める冒険者達。
そしてギルドマスターがオークを見て呟いた。
「オークリーダーじゃないか……」
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