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第一章
第16話 村での昼ごはん
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「おじさん! 俺が倒してくる、任せておいてくれ!」
「え!? ですがオークが五匹ですよ! 一人では危険すぎます!」
なんだ、五匹か。
もっと沢山の群れが畑を荒らしに来ているのかと思ったが、いや、見たのが五匹だけの可能性が高いか。
「私もちょっと魔法が使えるから一匹は任せて!」
「私も一匹は相手取れるわ、畑はどっち!」
エイアとリーンが席を立ち、早速装備を確かめ始めた。
「出て左だ、たぶんもう林から出てくるところだったから、見えてくるだろう、頼む! 今畑を荒らされると冬には餓死者が出るかもしれないんだ!」
「よし、行くぞ!」
俺は勢い良く開いていた戸から外に出てすぐ左へ走る。少し遅れて二人が走って来るのが分かった。
「見えてるわアイテール! でも五匹どころじゃないわよあれ!」
その通りだった。パッと見ただけで二十近くのオークが見えている。
森から畑は確かに少し離れているが後十メートルもないところまで来ている。
「大丈夫だ! 元からそのつもりで来たからな、任せておけ!」
村の柵を飛び越え、俺は畦を走りながら頭上に風の刃を浮かべ、まずは畑に入りかけている三匹に向かって飛ばした。
風の刃は、シュッと音を一瞬だけ立て、飛んで行き、三匹の首を飛ばした。
「ウインドカッターを三つも! 私も負けないぞ! ウインドアロー!」
「やるにゃ、アイテールにエイア。にゃら私もにゃ! ウインドアロー!」
二人も俺に続き、後続のオークに向かって魔法を撃つ。
俺も負けじと続け様にまた三つのウインドカッターを撃って、合わせて八匹のオークが倒れた。
そこまで行くとオークも俺達に気付き――。
ウボォォォ! と叫ぶと持っていたこん棒を振り上げ向かってきた。
「二人は魔法を! ウインドカッター!」
「「任せて!」」
これで、十三匹が倒れ残りが五匹、俺は腰のダガーを抜き放ち、驚いている一番手前のヤツの首を目掛け、右手を振り切る。
ザシュッと、太い首の半分近く切り裂いた時、二人の撃った魔法は二匹を撃ち抜き、残り二匹。
魔法では近すぎるが、ダガーでは届かない距離、三メートル残っている――。
――俺はオークに向けて空振りするような距離でダガーを振り切った。
「それじゃあ届かないにゃ!」
「アイテール! 早すぎよ!」
俺は走るのを止め、歩いてオークの間を抜けると、こん棒を振り上げていたオークはその場で崩れるように倒れていった。
「なんで倒れてるの!? 絶対届くはず無いのに!」
「そうにゃ、おかしいにゃ! 獣人の私が魔法使えるくらいおかしいにゃ!」
「そう言えばそうだな、リーンはなんで魔法使えるんだ?」
獣人が魔法を使うのは聞いたこともない。
「俺のは簡単だぞ? 魔力で切ったからな。良くやるだろ、固い敵を切る時魔法で武器を補強するヤツだ。あれを伸ばしてやれば五メートル近くは伸ばせる」
「そんな事できるなんて聞いた事もないよ? ね? リーンの魔法も不思議だけど」
「確かに武器の補強はするけど、私もそんにゃの聞いた事にゃいわ。魔法は頑張ったらできたにゃ。獣人でも初めてじゃないかにゃ? 攻撃魔法が使えるにょは」
「凄いな。それより気になってたんだが」
「あっ、私も凄く気になってるんだけど」
「「言葉尻の、にゃは口癖?」」
リーンは一瞬だけ思案顔になったが、ハッとした顔に変わり。
「そ、それは子供の頃使ってて直している最中なの、その、猫系の獣人はたまに大人でも使っているけど、そんなに珍しくはないわよ、それより、畑を踏み荒らされなくて良かったわね」
「そうなのか、まあその言葉遣い可愛いから似合ってるぞ」
「うんうん。私もそう思うな。アイテールのを舐めてる時なんてすっごく可愛いもの」
「おーい! お前達大丈夫かぁー!」
宿からおそるおそる出てきた御者のおじさんが、呼んできましたので、俺達は宿に戻りながら手を振った。
おじさんや、知らせに来た人も、その時食事をとっていた方達もゾロゾロと宿の前に出てきていて、ちょっとした集まりになっている。
「来ていたオークは全部倒せたぞ、今はそのまま置いてあるから早めに回収してくれるか? 買い取ってもらえると助かるんだが宿のご主人さん、オークはどうだ?」
「五体か、それならうちの食材倉に余裕で入るな。全部買わせてもらうぞ」
「いや、十八匹だ」
「何!? そんな数がいたのか! いや、うちのは魔法がかけられているから入るには入るか、それだけいるなら冬の保存用にもなるな、よし、一体銀貨一枚で良いなら買い取りしよう」
「良いのか? 解体していないが、冒険者ギルドなら大銅貨八枚が良いところだぞ?」
「村の畑を守ったんだ、ちょっとしたご祝儀だ。待ってろ、おい誰か手を貸してくれ! オークが十八匹だから台車と人手がいる」
そう言うと客以外、旅装束ではなく、服に畑仕事をしていた泥や、手に農具を手に持っていた数名は各々『台車取ってくるぜ』『任せときな』と走って、台車を取りに行った者や、農具を宿の壁に立て掛け早速畑に向かうもの達が。
「んじゃ、細かくて悪いが銀貨······十八枚だ、よし、俺も行くとするか!」
そう言い宿の横にあった荷台を引き、畑に向かった。
「お疲れ様、よし食事を注文して食べて出発······食事は出るのか?」
「あ~、あはは。ご主人さん行っちゃったしね」
「お昼ごはん食べ損ねてしまうようね」
「行ってしまったな、ここはあの主人が一人で料理をしてるから、それなら出ないだろう、俺も今から注文と思っていたのだが」
客の一人もそんな事を呟いている。
解体して持ってくるようで、まだまだ時間がかかるようだし、昼飯抜きは辛いので、俺達は保存食でお昼をすませ、午後の移動が始まった。
「え!? ですがオークが五匹ですよ! 一人では危険すぎます!」
なんだ、五匹か。
もっと沢山の群れが畑を荒らしに来ているのかと思ったが、いや、見たのが五匹だけの可能性が高いか。
「私もちょっと魔法が使えるから一匹は任せて!」
「私も一匹は相手取れるわ、畑はどっち!」
エイアとリーンが席を立ち、早速装備を確かめ始めた。
「出て左だ、たぶんもう林から出てくるところだったから、見えてくるだろう、頼む! 今畑を荒らされると冬には餓死者が出るかもしれないんだ!」
「よし、行くぞ!」
俺は勢い良く開いていた戸から外に出てすぐ左へ走る。少し遅れて二人が走って来るのが分かった。
「見えてるわアイテール! でも五匹どころじゃないわよあれ!」
その通りだった。パッと見ただけで二十近くのオークが見えている。
森から畑は確かに少し離れているが後十メートルもないところまで来ている。
「大丈夫だ! 元からそのつもりで来たからな、任せておけ!」
村の柵を飛び越え、俺は畦を走りながら頭上に風の刃を浮かべ、まずは畑に入りかけている三匹に向かって飛ばした。
風の刃は、シュッと音を一瞬だけ立て、飛んで行き、三匹の首を飛ばした。
「ウインドカッターを三つも! 私も負けないぞ! ウインドアロー!」
「やるにゃ、アイテールにエイア。にゃら私もにゃ! ウインドアロー!」
二人も俺に続き、後続のオークに向かって魔法を撃つ。
俺も負けじと続け様にまた三つのウインドカッターを撃って、合わせて八匹のオークが倒れた。
そこまで行くとオークも俺達に気付き――。
ウボォォォ! と叫ぶと持っていたこん棒を振り上げ向かってきた。
「二人は魔法を! ウインドカッター!」
「「任せて!」」
これで、十三匹が倒れ残りが五匹、俺は腰のダガーを抜き放ち、驚いている一番手前のヤツの首を目掛け、右手を振り切る。
ザシュッと、太い首の半分近く切り裂いた時、二人の撃った魔法は二匹を撃ち抜き、残り二匹。
魔法では近すぎるが、ダガーでは届かない距離、三メートル残っている――。
――俺はオークに向けて空振りするような距離でダガーを振り切った。
「それじゃあ届かないにゃ!」
「アイテール! 早すぎよ!」
俺は走るのを止め、歩いてオークの間を抜けると、こん棒を振り上げていたオークはその場で崩れるように倒れていった。
「なんで倒れてるの!? 絶対届くはず無いのに!」
「そうにゃ、おかしいにゃ! 獣人の私が魔法使えるくらいおかしいにゃ!」
「そう言えばそうだな、リーンはなんで魔法使えるんだ?」
獣人が魔法を使うのは聞いたこともない。
「俺のは簡単だぞ? 魔力で切ったからな。良くやるだろ、固い敵を切る時魔法で武器を補強するヤツだ。あれを伸ばしてやれば五メートル近くは伸ばせる」
「そんな事できるなんて聞いた事もないよ? ね? リーンの魔法も不思議だけど」
「確かに武器の補強はするけど、私もそんにゃの聞いた事にゃいわ。魔法は頑張ったらできたにゃ。獣人でも初めてじゃないかにゃ? 攻撃魔法が使えるにょは」
「凄いな。それより気になってたんだが」
「あっ、私も凄く気になってるんだけど」
「「言葉尻の、にゃは口癖?」」
リーンは一瞬だけ思案顔になったが、ハッとした顔に変わり。
「そ、それは子供の頃使ってて直している最中なの、その、猫系の獣人はたまに大人でも使っているけど、そんなに珍しくはないわよ、それより、畑を踏み荒らされなくて良かったわね」
「そうなのか、まあその言葉遣い可愛いから似合ってるぞ」
「うんうん。私もそう思うな。アイテールのを舐めてる時なんてすっごく可愛いもの」
「おーい! お前達大丈夫かぁー!」
宿からおそるおそる出てきた御者のおじさんが、呼んできましたので、俺達は宿に戻りながら手を振った。
おじさんや、知らせに来た人も、その時食事をとっていた方達もゾロゾロと宿の前に出てきていて、ちょっとした集まりになっている。
「来ていたオークは全部倒せたぞ、今はそのまま置いてあるから早めに回収してくれるか? 買い取ってもらえると助かるんだが宿のご主人さん、オークはどうだ?」
「五体か、それならうちの食材倉に余裕で入るな。全部買わせてもらうぞ」
「いや、十八匹だ」
「何!? そんな数がいたのか! いや、うちのは魔法がかけられているから入るには入るか、それだけいるなら冬の保存用にもなるな、よし、一体銀貨一枚で良いなら買い取りしよう」
「良いのか? 解体していないが、冒険者ギルドなら大銅貨八枚が良いところだぞ?」
「村の畑を守ったんだ、ちょっとしたご祝儀だ。待ってろ、おい誰か手を貸してくれ! オークが十八匹だから台車と人手がいる」
そう言うと客以外、旅装束ではなく、服に畑仕事をしていた泥や、手に農具を手に持っていた数名は各々『台車取ってくるぜ』『任せときな』と走って、台車を取りに行った者や、農具を宿の壁に立て掛け早速畑に向かうもの達が。
「んじゃ、細かくて悪いが銀貨······十八枚だ、よし、俺も行くとするか!」
そう言い宿の横にあった荷台を引き、畑に向かった。
「お疲れ様、よし食事を注文して食べて出発······食事は出るのか?」
「あ~、あはは。ご主人さん行っちゃったしね」
「お昼ごはん食べ損ねてしまうようね」
「行ってしまったな、ここはあの主人が一人で料理をしてるから、それなら出ないだろう、俺も今から注文と思っていたのだが」
客の一人もそんな事を呟いている。
解体して持ってくるようで、まだまだ時間がかかるようだし、昼飯抜きは辛いので、俺達は保存食でお昼をすませ、午後の移動が始まった。
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