【完結 R18追放物】勇者パーティーの荷物持ち~お忍び王女とダンジョン攻略。あれ? 王女のダンジョンも攻略しちゃいました~

いな@

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第一章

第4話 出発

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「ふあっ。そろそろ起きないとな······」

 ベッドを見るとエイアが俺のベッドで寝ている。

 なにもやましい事はしていないぞ! あの後エイアが立つ事も出来ないくらいに酔っぱらって仕方なくおんぶで部屋に送ろうとしたのだ。だがなぜかエイアの手にはまだワインの瓶が持たれていて俺の部屋で飲む事に。

 エイアは勝手に俺のベッドに座り、俺は木箱の椅子に座り、小さなテーブルを間に置いて飲んでいたのだがエイアはワインが八分目入ったカップを一気に飲んでそのまま後ろに倒れ寝てしまった。······マジだから!

「エイア起きろ。馬車に間に合わないぞ」

「セレーナまだ眠いですわ。もう少し、もう少しだけだから······? へ? セレーナ声が!」

 ガパッとかけてあったシーツをめくりあげ、起き上がったのだが寝ている内に服の前を開けたのか、その······二つの膨らみと、頂点のつぼみは少し朱がはいってはいるがピンと主張をしている。白い素肌に視線が下に行くとおへそが見え、下は完全に脱いでしまっているため、白い肌にスッと一本の縦線、割れ目が見えている。

 エイアは、ギギギときしんだ音が聴こえてきそうに首を動かし俺を見て、ギギギと自身の状態を見るため視線を下ろし、ギギギとまた俺の顔、自身を何度か繰り返し、シーツを持ち上げ潜り込んだ。······あの、俺悪くないよね?

「わ、わたくしのを、み、見ましたわね。······それに殿方と同じ部屋。······こうなっては、いえ、無かった事に······どうすれば良いの······」

「あ、あのさ。旅をしてればこんな事もあるかもしれない。だから気にするな。それに凄く綺麗だったから。って俺は何を言ってるんだ!」

「そ、そうですわよね! こんなの! あは、あは、あはは」

 ちょっと喋り方がおかしいが、どこのお嬢様だよ。

「じゃあ俺は扉を向いて着替えるから出る準備を頼む。そろそろ朝ごはんを食べて行かないと馬車に乗り遅れるぞ?」

「わ、分かりましたわ! わたくしも着替えますからそっちを早く向いて下さいませ!」

 本当におかしな喋り方だな。

 真っ黒な長い髪と緑色の瞳、それに昨日触らせてくれたが、あの耳の感触も······『あっ♡』とか声も出てたし。

 だが今は寝癖が酷いが、それでも中々いないくらい可愛いな。

 ってかまじまじと見てる場合か! よし着替えるぞ!

 俺はすぐに着替え終わり、昨晩エイアをきちんとベッドに寝かせた後にも整備したが、一応武器を再度確認して、いつもの腰のホルダーを背中側にずらし、腰で✕になるようにダガーを装備。

 胸当てを頭から被り、脇で体に合わせ調整。

「うん。思ったより良い感じだな。これをベースにしても良さそうだ。近い内にボアでも狩って継ぎ足すか♪」

「お、お待たせ。昨晩は迷惑を掛けちゃったわね。ベッドを横取りしちゃったみたいだし」

 あら? 昨晩の喋り方に戻ったな。

「構わないぞ。朝ごはんの腸詰め一本で手を打とう」

「了解。でもそれだけじゃ気がおさまらないわ。わたしの薬を後で分けてあげるから、結構自信があるのよ。じゃあ私は部屋から荷物を持って下に行くから席を取っておいてね」

「ああ」

 エイアはそう言って部屋を出ていった。

 俺も新しいリュックを片方の肩に背負い、部屋を後にする。

 一階に下り、ソロの娘はいるが冒険者の三人組はまだ来てないようだ。

 二人分の朝ごはんを頼み、昨日と同じ席に座る。

 エイアは料理が出てくるのと同じタイミングで二階から下りてきて、昨日と同じ向かい側に座った。

「お待たせ。ちょうど料理が来たね。はい腸詰め一本ね」

 エイアはさっと席につくとフォークを使い、自分の皿から三本ある腸詰めの一本を俺の皿に移動させた。

「はは。遠慮無くいただくよ」

 ――朝食を食べ終わり、お茶を飲んでいたのだが冒険者達がまだ起きてこない。

「あの三人組のパーティーは寝坊かもね」

「だな。今からなら朝ごはん抜きでギリギリ間に合うが。よし行こうか」

「うん。よいしょっと」

 フードを被り、大きめのリュックを背負うと俺の横について宿を出た。

 巡回の馬車が通るまで昨日の門に向け歩いているとすぐに後ろから馬車が登場だ。

「おじさ~ん! 乗せてぇ~!」

 エイアは元気に手を振り馬車に合図を送ると、馬車は速度を落とし止まってくれた。

「元気な嬢ちゃんだな。がははは! おはよう。乗りな」

「ありがとう」

「おじさんありがとう。ラビュリント方面の門までね」

「了解。ちゃんと座っときなよ。そら出発だ」

 ガクンと後ろに引っ張られる感覚が一瞬だけあるが一度走り出せばガタガタと揺れる振動だけだ。

 だがエイアはリュックを下ろそうと腰を浮かせ気味になっていたためよろけて俺の方に乗り掛かる。

「きゃ」

「おっと!」

 むにゅ。むにゅむにゅ······。

 そっと手を脇にずらし、エイアを起こし席に座らせる。

「おじさんが座っておけと言ったのにな」

「そ、そうね。あは、あは、あははは」

(うそうそうそうそ! おっぱい触られましたわ! それにむにゅむにゅまでされましたわよ! セレーナが言ってました結婚したもの同士でないと駄目だと! わたくし! この方と······け! 結婚!)

 あちゃ~。やっぱりおっぱい触ってしまったの気づくよなぁ。あはは······。

 エイア、絶対顔が真っ赤になってるよな、向こうを向いてるが首が赤いし、それにしても、あそこまで柔らかく、そう、こう手にすっぽりとおさまる感じが。

 おっと、謝っておかなきゃ駄目だな。

「すまんエイア、今のはわざとじゃないからな。支えたらその、なんだ、柔らかくて、気持ち良かったぞ。って俺はまた何を言ってるんだ!」

「き、気持ち良かったんだ、う、うん。き、気にしないでおくわ」

(ど、どうしましょう! セレーナ! 私はこの方に嫁がなくてはならないのでしょうか! おっぱいも、おまたも見られてしまいましたし! むにゅむにゅされましたし!)

 なんとも気まずい雰囲気のまま、ラビュリント方面の、昨日馬車を予約した門前に到着した。

 巡回の馬車を降り、馬車が開門を待っている場所に向かい、予約した馬車を探す。

「おっ、エイア。見つけたぞ、あの馬車だ、ソロの女の人も乗ってるな」

「う、うん。そのようね、行きましょう」

(うう~、どうしましょう、お忍びでラビュリントへ五泊六日のお出かけをしただけですのに! 今まではこんな事ありませんでしたわ! 馬車で先行しているはずのセレーナに相談しなくちゃ)

 馬車に近付き、御者に話し掛けて馬車に乗り込む。

 それからしばらく待って、巡回の馬車が二回到着したがあの三人は乗っていなかった。

「お客さん。これ以上待っても来なさそうなんで出発しま~す」

 御者はそう言うと手綱を操作すると、ガクンと初動の衝撃があり馬車は進みだした。

「あはは。あいつら本当に間に合わなかったな」

「あはは。本当ね、前金じゃなかっただけ良かったって所かな。でも昼前の便なら間に合うでしょう?」

「席が空いていたらだが、ん? 俺の顔に何か付いてるか?」

「え? いいえ、な、何も付いていないですわ! うふふふ」

(これはマズイですわ! 思わず見詰めていましたわ! ······どうしましょう、よく見ますと、婚約予定者の方達とは比べ物にならないくらい。もう気品すら感じられるお顔······あっ! また見詰めてしまってますわ!)

「なら良いが」

 また、変な喋り方してるが、まあそれも合わせて可愛いよなぁ。

 そしてお互いチラチラとお見合いをしながらラビュリントヘ向けて、軽快に馬車は街道を進んだ。
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