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エウダイモニア
53話 懐かしい思い出(1)
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ー翌日ー
「よしやるか」
自分らは訓練所にいる。
「もうちょっと休憩していたかったなー」
「いつアジトが掴めるか分かりませんから仕方ありません」
『ストゥルティ』の強さがわからない以上、しておける準備はしておくべきという判断だ。
「始めるぞ」
先の戦いを反省し最初から実戦感覚でやることとなり5人とも端の方けへ行き構える。
「行くぞ」
4人一斉に前に出て中心で衝突し合う。自分はというとその風圧に耐えるのでやっとだった。
「トート動け!死にたいのか!」
「はい・・・」
なんとか攻撃するも軽々と避けられる。
案の定、一番最初に敗北した。
「残念」
数十分後アイシャさんも負けて共に休んでいた。
「すごいですね。あそこに何十分も・・・」
ラズリさん、レオさん、フィールさんはとてつもないスピードで魔法や剣、体術なんかを繰り広げていた。
自分はそれを見て無意識に銃に触れる。
「アイシャさんはどうして軍人に?」
「おっ!それ聞いちゃう~」
「え、いや・・・」
「いいよ」
「いやー、負けたー」
フィールさんが来る。
「お疲れ(さまです)」
「おう」
「ねぇ、フィール、私達がなんで軍人になったか聞きたいんだって」
「ああ」
思いを馳せるように空を見上げる。
「フィールと私は生きるためにスリとか色々悪いことをしていたの」
ー数十年前ー
その日もスリをする標的を探していたの。私が盗んで盗んだものをフィールが隠れ家まで運ぶ。それが私たちのいつも通りのやり方。
「あっ!あの人いいんじゃない?」
「そうだな。じゃあいつも通りで」
マントを羽織っていて旅人風の人だったの。
「あ、すいません」
私はわざとぶつかって財布を奪った。すぐに路地に行ってフィールに財布を渡して隠れ家で合流だったんだけど・・・
「おー、すげーいっぱい入ってる」
フィールは隠れ家に帰ると中身を確認する。
「ふむ、でしょう」
「うん、すげー・・・よ?」
振り返るとドアの所に先程スリをした人がいた。左目に眼帯をしている。
フィールは恐怖で青ざめる。
「な、なんで?」
「いや・・・」
「・・・せ」
「ん?」
「返せ!」
フィールは男に殴りかかる。しかし男はフィールの拳を手で受け止める。
「アイシャを返せ!」
「少年、しー」
男は人差し指を口に当てる。男はフィールの拳を離しマントを巻くると男の腕の中でぐったりしているアイシャがいた。
「アイシャ!」
フィールは近づく。
「大丈夫!少し熱があるだけだよ。ベットある?」
男はアイシャを寝かせるとフィール達が取った財布を取り何処かへ行ってしまった。
「(どうしよう。警察に通報される前に逃げなきゃ、でもアイシャを置いていけない。担ぐ?いや無理だ。どうすれば)」
悪い考えとアイシャの容体を見てパニックになるフィール。
背中を叩かれ我に返る。
「大丈夫かい?」
先程の男だった。
「え?」
「色々買ってきたからキッチン借りるね」
フィールの返事を待たずにキッチンに行く。
ユサユサ
「少年・・・少年」
「んん・・・ん?」
フィールは自分がいつのまにか寝ていたことに気がつく。
「ごめんね。起こして。はい」
男は器を差し出す。そこには湯気のたった食べ物が入っていた。
「冷めないうちに食べてね」
フィールに器を渡すと、男はアイシャを優しく起こしご飯を食べれるか問う。
アイシャは頷くと、男は器のスプーンを冷ますため息をかけ、アイシャに食べさす。アイシャが一口食べると安心したような顔する。フィールは不思議で仕方なかった。
アイシャは食べ終わると再び眠りに就く。
「君も食べ終わったかい?」
「うん」
「美味しかった?」
「うん」
「ふむ、それはよかった」
男は微笑む。
「なんで?俺らあんたの財布盗んだんだよ?なんでこんなことするの?恩なんて返せないよ?」
フィールは俯く。自分で言っていて惨めになる。男は何も言わずにフィールを胸の中に引き寄せる。
「なっ!?」
「今はお休み」
優しく声に歯向かう気力がなく眠りに就く。
「・・・ル、フィール」
体を揺らされ目覚める。目を開けるとアイシャが目に入る。
「アイシャ!熱は?」
「大丈夫」
アイシャの横で寝ていたようだった。
「ふむ、起きたね。ごめんね、病人と一緒に寝かしちゃってベット一つしかなかったから」
男は湯気のたった美味しそうな料理を持ってくる。
「君は熱大丈夫かな?」
アイシャのおでこに触れる。
「ふむ、大丈夫そうだね。ご飯できたから食べよう」
ご飯を食べる。色々聞きたいことはあったが聞ける雰囲気ではなかったため中々聞く事ができない。
「よしやるか」
自分らは訓練所にいる。
「もうちょっと休憩していたかったなー」
「いつアジトが掴めるか分かりませんから仕方ありません」
『ストゥルティ』の強さがわからない以上、しておける準備はしておくべきという判断だ。
「始めるぞ」
先の戦いを反省し最初から実戦感覚でやることとなり5人とも端の方けへ行き構える。
「行くぞ」
4人一斉に前に出て中心で衝突し合う。自分はというとその風圧に耐えるのでやっとだった。
「トート動け!死にたいのか!」
「はい・・・」
なんとか攻撃するも軽々と避けられる。
案の定、一番最初に敗北した。
「残念」
数十分後アイシャさんも負けて共に休んでいた。
「すごいですね。あそこに何十分も・・・」
ラズリさん、レオさん、フィールさんはとてつもないスピードで魔法や剣、体術なんかを繰り広げていた。
自分はそれを見て無意識に銃に触れる。
「アイシャさんはどうして軍人に?」
「おっ!それ聞いちゃう~」
「え、いや・・・」
「いいよ」
「いやー、負けたー」
フィールさんが来る。
「お疲れ(さまです)」
「おう」
「ねぇ、フィール、私達がなんで軍人になったか聞きたいんだって」
「ああ」
思いを馳せるように空を見上げる。
「フィールと私は生きるためにスリとか色々悪いことをしていたの」
ー数十年前ー
その日もスリをする標的を探していたの。私が盗んで盗んだものをフィールが隠れ家まで運ぶ。それが私たちのいつも通りのやり方。
「あっ!あの人いいんじゃない?」
「そうだな。じゃあいつも通りで」
マントを羽織っていて旅人風の人だったの。
「あ、すいません」
私はわざとぶつかって財布を奪った。すぐに路地に行ってフィールに財布を渡して隠れ家で合流だったんだけど・・・
「おー、すげーいっぱい入ってる」
フィールは隠れ家に帰ると中身を確認する。
「ふむ、でしょう」
「うん、すげー・・・よ?」
振り返るとドアの所に先程スリをした人がいた。左目に眼帯をしている。
フィールは恐怖で青ざめる。
「な、なんで?」
「いや・・・」
「・・・せ」
「ん?」
「返せ!」
フィールは男に殴りかかる。しかし男はフィールの拳を手で受け止める。
「アイシャを返せ!」
「少年、しー」
男は人差し指を口に当てる。男はフィールの拳を離しマントを巻くると男の腕の中でぐったりしているアイシャがいた。
「アイシャ!」
フィールは近づく。
「大丈夫!少し熱があるだけだよ。ベットある?」
男はアイシャを寝かせるとフィール達が取った財布を取り何処かへ行ってしまった。
「(どうしよう。警察に通報される前に逃げなきゃ、でもアイシャを置いていけない。担ぐ?いや無理だ。どうすれば)」
悪い考えとアイシャの容体を見てパニックになるフィール。
背中を叩かれ我に返る。
「大丈夫かい?」
先程の男だった。
「え?」
「色々買ってきたからキッチン借りるね」
フィールの返事を待たずにキッチンに行く。
ユサユサ
「少年・・・少年」
「んん・・・ん?」
フィールは自分がいつのまにか寝ていたことに気がつく。
「ごめんね。起こして。はい」
男は器を差し出す。そこには湯気のたった食べ物が入っていた。
「冷めないうちに食べてね」
フィールに器を渡すと、男はアイシャを優しく起こしご飯を食べれるか問う。
アイシャは頷くと、男は器のスプーンを冷ますため息をかけ、アイシャに食べさす。アイシャが一口食べると安心したような顔する。フィールは不思議で仕方なかった。
アイシャは食べ終わると再び眠りに就く。
「君も食べ終わったかい?」
「うん」
「美味しかった?」
「うん」
「ふむ、それはよかった」
男は微笑む。
「なんで?俺らあんたの財布盗んだんだよ?なんでこんなことするの?恩なんて返せないよ?」
フィールは俯く。自分で言っていて惨めになる。男は何も言わずにフィールを胸の中に引き寄せる。
「なっ!?」
「今はお休み」
優しく声に歯向かう気力がなく眠りに就く。
「・・・ル、フィール」
体を揺らされ目覚める。目を開けるとアイシャが目に入る。
「アイシャ!熱は?」
「大丈夫」
アイシャの横で寝ていたようだった。
「ふむ、起きたね。ごめんね、病人と一緒に寝かしちゃってベット一つしかなかったから」
男は湯気のたった美味しそうな料理を持ってくる。
「君は熱大丈夫かな?」
アイシャのおでこに触れる。
「ふむ、大丈夫そうだね。ご飯できたから食べよう」
ご飯を食べる。色々聞きたいことはあったが聞ける雰囲気ではなかったため中々聞く事ができない。
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