最愛の敵

ルテラ

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アデリア戦

52話 謝罪

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 失礼します、っと言ってセリアが入ってくる。
「解剖の結果が出ました」
 セリアには一番状態の良かった。トートの戦った。No.8の解剖を依頼していた。
「どうでしたか?」
 トートが戦っていた奴を解剖した結果、そしてあっちこちいじられて筋肉密度が高かったこといたことがわかった。
「今の俺たちじゃ立ち向かえない」
 フィールが歯痒そうに言う。
 ラズリ以外はギリギリで勝てた。その為、このまま行けばラズリの足を引っ張るのは明らかだった。
「トートも今のままじゃ無理でしょう。ラズリが助けなければ死んでいたでいたでしょうし」
「その件だが少しいいか?」
 皇帝が口を挟む。
「なんでしょう?」
「しばらく休戦する」
『えっ?』

 ー4日後ー
 自分らは海の上にいた。ようやく後片付けも終わりスイマール帝国へと帰る。
 自分は甲板からアデリアの方を見ていた。
「もう少し、いたかったですか?」
 自分は振り返る。レオさんがいた。
「あ、いえ・・・」 
 しばらく沈黙が走る。
「申し訳ございません」
 レオさんの以外な言葉に拍子向けのような顔する。
「あの時のこと」

『足手纏いはいらない』

「トートを傷つけてしまった。申し訳ない」
 レオさんは頭を下げる。
「いえ、どうかお気になさらないでください」
 自分はデイビット王との会話を話した。
「自分が起きた日も慰めて貰いました」

 ー1週間以上前ー
「すいません。無理を言ってしまって」
 自分とデイビット王は街をぶらぶら歩いていた。
「いえ、ちゃんとお礼も言いたかったですし」
「お礼?」
「はい、あの時、自分に大事なことを気づかせてくれた。勇気をくれました」

 自分はあの日たくさん泣いた。同時に決心した。
『やっぱり自分、行きます』
『え?』
『意地とかじゃなく見てみたいんです。尊敬する彼らがどう戦っているのか、覚悟しなければならないんです。自分はパイロンの一員だから。彼らが見る景色をみたいんです」
「僕に何か出来ることはありませんか?」
「しかし・・」
「力になりたいんです」
「乗り物をお貸しできませんか?」
「感謝します。ありがとうございます」

 ー現在ー
「っていうことがありました」
「そうでしたか」
「だからどうかお気になさらないで下さい」
「分かりました。ありがとうございます」
 レオはアデリアの方を見て
「彼はきっといい王になりますね」
「そうですね」
「2人ともいい?」
 振り返るとアイシャさんがいた。
「スイマールに着く前に少し話がしたいって」
「分かりました。行きましょう」
「はい」

 ラズリさん、フィールさん、アイシャさん、ライがいた。
「これからのことを確認する。皇命が2つ言い渡された」

「しばらく休戦にする」
 静まり返る。
「偽物か」
 フィールが言う。
「捕らえましょう」
 レオが言う。
「うん」
 アイシャが言う。
「待て待て」
 皇帝が止める。
「休戦と言っても名ばかりで軍事力強化が目的だろう」
 ラズリが言う。
「半分正解だ」
『チッ』(ラズリ、、セリア、リヒト皇帝以外舌打ちする)
「その半分は?」
 フィールが嫌な顔をして聞く。
「お前達に2つ解決して欲しいことがある」

「っというわけで解決する。と言っても1つはすぐに解決の目処が経つ。問題はもう一つ『ストゥルティ』の殲滅だ」
「聞いたことあります。確か魔法至上主義の集団ですよね」
「そうだ」
 ストゥルティとは魔法の強さを絶対としており、どこの国にも属さない集団。自由と解放をモットーに各地をまわっているがその実態は食料や金品の強奪、逆らうものは女、子供でも容赦をしない残虐性で人々に恐怖を与えていた。
「アジトは掴めているんですか?」
「それは帰ってから僕が探るよ」
 ライが言う。
「その間は訓練だね」
「頑張りましょう」
「はい!」

 その後、自分らはスイマール帝国へと帰還し自分らは屋敷へと向かう。
「只今帰りました」
「帰ったよー」
「お姉ちゃん!お兄ちゃん!」
 アタナシアナがお出迎えをする。
「お帰りなさいませ。皆様」
 後に続きメイド長、執事長もお出迎えをしてくれる。
「お疲れでしょう。ご飯もお風呂もできています」
「ありがとうございます」
 ラズリはやる事があるようなので自身の部屋へと戻る。
「何してたの?アシー」
「あのね。メイド長達にね、読み書きとか教えてもらったの!あとね毎日やるよに言われていたこともやったよ!」
 毎日やるように言っていたのは魔力操作のことだ。無理にのない範囲でやるように言っていた。
「そうか。偉いな」
「うん!」
 自分らはその日よく食べ、よく浸かり、よく寝た。
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