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アデリア戦
24話 アタナシアナ
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ー3日前ー
ラズリ達はセリア、ライと共に謎の少女ことについて話すため皇帝の元を訪れていた。
皇帝とパイロン、セリア、ライ以外は誰もいない。あくまでも少女のことは公然の秘密である。
「結論から言いますとこれといった異常はありません。ただ魔力が大きく過ぎるので魔力暴走が起きないように隔離しています。背中などに古傷等がありますが完治しているため問題はありません」
「真か」
皇帝は安心したような疑っているような複雑な顔しため言う。
無理もない。国一つを破壊するほどのエネルギーを生み出す子供、異常が無いわけがない。
「大砲の方はどうなったの?」
アイシャが皇帝に聞く。
「まだ解析中だ。何せ術式が複雑のようでな」
「セリアその後あの子の容体は?」
レオが問う。
セリアの所で名目上は入院患者として預かっていた。本当は少女が害のある存在かどうかを見分けるための検査といった所だった。
「ご飯も食べられていますし精神も今、安定していますので退院しても大丈夫です。本来なか孤児院に預けるのですが・・・」
「まっ無理だろうな」
フィールが困ったように言う。
「こちらで預かるのが最善かと」
レオが皇帝に言うがラズリを説得しているように聞こえる。
皇帝もラズリの方を見る。
「我からも頼む」
「わかった・・・」
ラズリはため息混じりに言う。
ー現在ー
「とりあえずは俺たちの子供として誤魔化します」
「兄さん達いくつよ?」
「養子とすれば何とかなわ」
セリアが言う。
「やはりアデリア帝国に直接聞くのが一番だよね」
「だな。さっさと落とそうぜ」
「ですが問題は海です」
3つの帝国で唯一アデリア帝国の首都は海の向こうにあった。
「制圧するって言っても向こうに行くだけでかなり時間がかかります。その間に向こうは万全の準備をしてくるでしょう。あの大砲が多くあるとは考えにくいですが、ないとも言えませんしね」
「今の所そう言う情報はないから大丈夫だと思うけど探って見るよ。それと海問題なら大丈夫かも」
ライが自信満々に言う。
「どう言うことだ?」
レオが問う。
「どうやって海の向こうにある帝国の情報を仕入れてると思ってんの。安全な海路、隠れ家が向こうにあるからに決まってんじゃん」
「潜伏させるってこと、兵達を?」
アイシャが察したように言う。
「すごい数になるし無理だろう」
フィールが諦め半分で言う。
「隠れ家が国レベルで大きれば問題ないでしょう」
ニカッとライが笑う。
だが全員は首を傾げる。
「まっ、少し待っててよ。協力を仰いで見るから」
「わかった」
ラズリが頷く。
「じゃあ話し終わり。2人の所に行こう」
セリアが促す。
「皆さん」
「執事長、どうしましたか?」
トート、アタナシアナ所に行こうとして執事長に呼び止められる。
「お昼のお時間なのでお呼びしようと」
「分かりました。2人は俺たちが呼んできます」
「ありがとうございます」
執事長は一礼すると去っていった。
「もうそんな時間か」
「急いで呼んでこよう」
「明るくなってよかったわ」
「最初は酷く怯えてましたしね」
歩きながらレオ、セリアは我が子が元気にはしゃいでいるのを嬉しそうに言う。
それを後ろでフィール、アイシャ、ライがニヤニヤしながら見ている。
ー一週間前ー
アタナシアナが入院している病院に訪れていた。
「容体はどうですか?」
「かなり怯えてる。点滴で何とか凌いでるけど直接食べた方が・・・」
セリアは心配そうに頬に手をつく。
「少し話せるか?」
ラズリが言う。
「えっ?えぇ大丈夫よ」
「2人にしてくれ」
少し躊躇うもセリアそれを承諾する。
ラズリは静かにベットでうずくまっている少女に近づき、近くにあった椅子に座る。近くに座ると少女は小さな体をさらに縮める。
「痛いところはないか?」
少女は腕の隙間から目を覗かせる。
「仮面が怖いか?」
少女は首を振るう。
「何が怖い?」
「わかんない」
「何か願いはあるか?」
「お願い?」
少女は顔を出す。
「叶えられるものなら叶えよう」
「くるしい・・・」
少女は大粒の涙を流す。
「そうか」
「頑張ったの。一生懸命努力したの。でも足りなくて悪口言われたり、叩かれたりしたの。でもね、役に立ってるって言ってくれたの・・・だから頑張ったのいたいもつらいも」
『殺して』
ラズリはあれが少女の言葉だと理解する。
「トート、アシー、遅くなりました」
トートがアタナシアナを抱えてこちらに来る。
「トート君、子守りご苦労様」
「では食事にしましょう」
全員で食堂へ向かう。
ラズリ達はセリア、ライと共に謎の少女ことについて話すため皇帝の元を訪れていた。
皇帝とパイロン、セリア、ライ以外は誰もいない。あくまでも少女のことは公然の秘密である。
「結論から言いますとこれといった異常はありません。ただ魔力が大きく過ぎるので魔力暴走が起きないように隔離しています。背中などに古傷等がありますが完治しているため問題はありません」
「真か」
皇帝は安心したような疑っているような複雑な顔しため言う。
無理もない。国一つを破壊するほどのエネルギーを生み出す子供、異常が無いわけがない。
「大砲の方はどうなったの?」
アイシャが皇帝に聞く。
「まだ解析中だ。何せ術式が複雑のようでな」
「セリアその後あの子の容体は?」
レオが問う。
セリアの所で名目上は入院患者として預かっていた。本当は少女が害のある存在かどうかを見分けるための検査といった所だった。
「ご飯も食べられていますし精神も今、安定していますので退院しても大丈夫です。本来なか孤児院に預けるのですが・・・」
「まっ無理だろうな」
フィールが困ったように言う。
「こちらで預かるのが最善かと」
レオが皇帝に言うがラズリを説得しているように聞こえる。
皇帝もラズリの方を見る。
「我からも頼む」
「わかった・・・」
ラズリはため息混じりに言う。
ー現在ー
「とりあえずは俺たちの子供として誤魔化します」
「兄さん達いくつよ?」
「養子とすれば何とかなわ」
セリアが言う。
「やはりアデリア帝国に直接聞くのが一番だよね」
「だな。さっさと落とそうぜ」
「ですが問題は海です」
3つの帝国で唯一アデリア帝国の首都は海の向こうにあった。
「制圧するって言っても向こうに行くだけでかなり時間がかかります。その間に向こうは万全の準備をしてくるでしょう。あの大砲が多くあるとは考えにくいですが、ないとも言えませんしね」
「今の所そう言う情報はないから大丈夫だと思うけど探って見るよ。それと海問題なら大丈夫かも」
ライが自信満々に言う。
「どう言うことだ?」
レオが問う。
「どうやって海の向こうにある帝国の情報を仕入れてると思ってんの。安全な海路、隠れ家が向こうにあるからに決まってんじゃん」
「潜伏させるってこと、兵達を?」
アイシャが察したように言う。
「すごい数になるし無理だろう」
フィールが諦め半分で言う。
「隠れ家が国レベルで大きれば問題ないでしょう」
ニカッとライが笑う。
だが全員は首を傾げる。
「まっ、少し待っててよ。協力を仰いで見るから」
「わかった」
ラズリが頷く。
「じゃあ話し終わり。2人の所に行こう」
セリアが促す。
「皆さん」
「執事長、どうしましたか?」
トート、アタナシアナ所に行こうとして執事長に呼び止められる。
「お昼のお時間なのでお呼びしようと」
「分かりました。2人は俺たちが呼んできます」
「ありがとうございます」
執事長は一礼すると去っていった。
「もうそんな時間か」
「急いで呼んでこよう」
「明るくなってよかったわ」
「最初は酷く怯えてましたしね」
歩きながらレオ、セリアは我が子が元気にはしゃいでいるのを嬉しそうに言う。
それを後ろでフィール、アイシャ、ライがニヤニヤしながら見ている。
ー一週間前ー
アタナシアナが入院している病院に訪れていた。
「容体はどうですか?」
「かなり怯えてる。点滴で何とか凌いでるけど直接食べた方が・・・」
セリアは心配そうに頬に手をつく。
「少し話せるか?」
ラズリが言う。
「えっ?えぇ大丈夫よ」
「2人にしてくれ」
少し躊躇うもセリアそれを承諾する。
ラズリは静かにベットでうずくまっている少女に近づき、近くにあった椅子に座る。近くに座ると少女は小さな体をさらに縮める。
「痛いところはないか?」
少女は腕の隙間から目を覗かせる。
「仮面が怖いか?」
少女は首を振るう。
「何が怖い?」
「わかんない」
「何か願いはあるか?」
「お願い?」
少女は顔を出す。
「叶えられるものなら叶えよう」
「くるしい・・・」
少女は大粒の涙を流す。
「そうか」
「頑張ったの。一生懸命努力したの。でも足りなくて悪口言われたり、叩かれたりしたの。でもね、役に立ってるって言ってくれたの・・・だから頑張ったのいたいもつらいも」
『殺して』
ラズリはあれが少女の言葉だと理解する。
「トート、アシー、遅くなりました」
トートがアタナシアナを抱えてこちらに来る。
「トート君、子守りご苦労様」
「では食事にしましょう」
全員で食堂へ向かう。
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