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アデリア戦
4話 成立
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ー3年前ー
「遥々、よく・・・」
「なんのようだ」
皇帝の言葉を遮るようにラズリは言う。皇帝の家臣達は騒めく。レオ達は呆れたように苦い笑いをするが、完全に失礼とは思っていないようで、どこか余裕があった。
今ラズリ達はスイマール帝国の帝城に来て、皇帝リヒト・レーベルドに会っていた。本来彼らはこのような招集には応じない。しかし、皇帝からの招待を無下にはできないというライの説得もあり来ていた。
皇帝リヒト・レーベルド僅か20歳で皇帝となった。魔法の才能はほとんどない。魔法が全ての世界である世界ではまさに致命と言えた。しかし、それを帳消しにするほどに彼は国を治めるのに優れていたため、民や家臣からの信頼は厚い。ちなみに無類の酒好きだ。
皇帝は騒めきを鎮めようと「ゴッホン」と咳払いをする。
「頼みがあってきてもらった」
「頼みがあるんなら、そっちからこいよな」
フィールは頭を掻きながら面倒くさそうに言う。
「よしなさい。皇帝よ、フィール」
アイシャは宥める。
「頼みとはなんでしょうか。皇帝陛下」
話しがなかなか進まないためレオが質問する。
「まずは、自己・・・」
「必要ない。ささっと要件だけいえ。まさか知らずに我々を招待したのか」
ラズリは皇帝に言う。
「では、単刀直入に言う。我々と・・・」
「手を組め。断る」
ラズリは皇帝の言葉を遮り言う。
「同じく」
「もう同じく」
フィールやアイシャもキレ気味に言う。
「残念ですが。他を当たってください」
「解散」
ラズリはそう言い、帰ろうと皇帝に背を向ける。
「~~~~~」
ラズリは足を止めて、振り向く。
「何?」
「それが其方の目的だろう」
「仮にそうだったとして、貴様らの手を借りずともできる。必要ない」
「我が言いたいのは、その後だ」
「チッ。口説いな要件をささっといえ!」
フィールが怒鳴る。
「仮に戦争を終わらせたとして、その後はどうする。貴様らはまた違う戦地へと向かう。そうだろう」
「何か問題ですか?」
警戒しながらレオが聞く。
「いいや、問題はない。しかし、貴様らはそこを統治することはないのであろう。ならば、人々はまた戦争に恐怖し奪われる日常に逆戻りだ」
「あ゛、そんなん・・・」
ラズリが手を挙げフィールの言葉を制す。
「話を聞こう」
ー現在ー
ガタガタ、ゴーゴー
と騒がしい音が響く。
肩を揺らされ、ラズリは目覚める。
「もう少しで目的地です」
レオが優しく起こす。
「あぁ」
渋々起きる。
「相変わらず。よくこんな騒音のなか寝れるね」
感心するアイシャ。
「よっしゃ。そろそろいくぜ」
やる気に満ちているフィール。
小型飛行機に4人で乗っていた。ここは地上から約3,000メートルにいる。
「行きます」
レオが勢いよく扉を開け飛び出す。
そうして続けて3人も飛び出す。しかし、彼らの背中にパラシュートの類はない。彼らは身一つで約3,000メートルから飛び出したのだ。
「今、約2,000メートルです」
イヤリングの無線でレオが言う。
彼らが何故、上空にいるか。
「戦闘用意」
ラズリの掛け声と共にみんな各々の魔法で矢を複数出す。
彼らが上空から落下してきている理由それは上空約1,000~500メートルにいる戦闘機を撃ち落とすため。同時に魔法妨害装置を破壊するため。
「目視で敵確認」
レオが叫ぶ。
「打て」
それと同時にさっき作った魔法の矢を放つ。殆ど矢が当たり多くの戦闘機が墜落。
‘戦闘機が墜落してきたぞ’
’逃げろーー‘
逃げ惑う敵、しかしそれを逃さんばかりに襲い掛かる。さらに敵を絶望させる知らせがきた。
‘死神だー’
‘パイロンだ’
ラズリが死神と言われている理由。それはラズリの姿を見て帰ってきたものはいないことから名付けられた。4人は魔法を駆使し難なく着地し敵の殲滅に取り掛かる。彼らを狙う者は誰もいない。一方的な殲滅がそこには待っていた。
敵は退避を余儀なくされる。
「やっと終わった。帰ろうぜ」
伸びをしたままフィールが言う。
「そうね。早くシャワー浴びたいわ」
アイシャが手をパタパタさせ言う。
「・・・」
「ラズリ、大丈夫ですか?」
レオは心配そうにラズリの肩を叩く。
「あぁ、問題ない」
ラズリは血に染まった魔法の剣を消す。
本来4人は相手に接近しなくても相手を倒せる。魔力量により射程の距離が異なったりするが、彼らは5キロ離れた相手でも倒せる。
「行くぞ」
「『ノーネイム』、心配ねぇよ。レオいつものことだ」
「えぇ、そう・・・ですね」
「私たちも行きましょう」
3人は頷きラズリの後を追った。
「遥々、よく・・・」
「なんのようだ」
皇帝の言葉を遮るようにラズリは言う。皇帝の家臣達は騒めく。レオ達は呆れたように苦い笑いをするが、完全に失礼とは思っていないようで、どこか余裕があった。
今ラズリ達はスイマール帝国の帝城に来て、皇帝リヒト・レーベルドに会っていた。本来彼らはこのような招集には応じない。しかし、皇帝からの招待を無下にはできないというライの説得もあり来ていた。
皇帝リヒト・レーベルド僅か20歳で皇帝となった。魔法の才能はほとんどない。魔法が全ての世界である世界ではまさに致命と言えた。しかし、それを帳消しにするほどに彼は国を治めるのに優れていたため、民や家臣からの信頼は厚い。ちなみに無類の酒好きだ。
皇帝は騒めきを鎮めようと「ゴッホン」と咳払いをする。
「頼みがあってきてもらった」
「頼みがあるんなら、そっちからこいよな」
フィールは頭を掻きながら面倒くさそうに言う。
「よしなさい。皇帝よ、フィール」
アイシャは宥める。
「頼みとはなんでしょうか。皇帝陛下」
話しがなかなか進まないためレオが質問する。
「まずは、自己・・・」
「必要ない。ささっと要件だけいえ。まさか知らずに我々を招待したのか」
ラズリは皇帝に言う。
「では、単刀直入に言う。我々と・・・」
「手を組め。断る」
ラズリは皇帝の言葉を遮り言う。
「同じく」
「もう同じく」
フィールやアイシャもキレ気味に言う。
「残念ですが。他を当たってください」
「解散」
ラズリはそう言い、帰ろうと皇帝に背を向ける。
「~~~~~」
ラズリは足を止めて、振り向く。
「何?」
「それが其方の目的だろう」
「仮にそうだったとして、貴様らの手を借りずともできる。必要ない」
「我が言いたいのは、その後だ」
「チッ。口説いな要件をささっといえ!」
フィールが怒鳴る。
「仮に戦争を終わらせたとして、その後はどうする。貴様らはまた違う戦地へと向かう。そうだろう」
「何か問題ですか?」
警戒しながらレオが聞く。
「いいや、問題はない。しかし、貴様らはそこを統治することはないのであろう。ならば、人々はまた戦争に恐怖し奪われる日常に逆戻りだ」
「あ゛、そんなん・・・」
ラズリが手を挙げフィールの言葉を制す。
「話を聞こう」
ー現在ー
ガタガタ、ゴーゴー
と騒がしい音が響く。
肩を揺らされ、ラズリは目覚める。
「もう少しで目的地です」
レオが優しく起こす。
「あぁ」
渋々起きる。
「相変わらず。よくこんな騒音のなか寝れるね」
感心するアイシャ。
「よっしゃ。そろそろいくぜ」
やる気に満ちているフィール。
小型飛行機に4人で乗っていた。ここは地上から約3,000メートルにいる。
「行きます」
レオが勢いよく扉を開け飛び出す。
そうして続けて3人も飛び出す。しかし、彼らの背中にパラシュートの類はない。彼らは身一つで約3,000メートルから飛び出したのだ。
「今、約2,000メートルです」
イヤリングの無線でレオが言う。
彼らが何故、上空にいるか。
「戦闘用意」
ラズリの掛け声と共にみんな各々の魔法で矢を複数出す。
彼らが上空から落下してきている理由それは上空約1,000~500メートルにいる戦闘機を撃ち落とすため。同時に魔法妨害装置を破壊するため。
「目視で敵確認」
レオが叫ぶ。
「打て」
それと同時にさっき作った魔法の矢を放つ。殆ど矢が当たり多くの戦闘機が墜落。
‘戦闘機が墜落してきたぞ’
’逃げろーー‘
逃げ惑う敵、しかしそれを逃さんばかりに襲い掛かる。さらに敵を絶望させる知らせがきた。
‘死神だー’
‘パイロンだ’
ラズリが死神と言われている理由。それはラズリの姿を見て帰ってきたものはいないことから名付けられた。4人は魔法を駆使し難なく着地し敵の殲滅に取り掛かる。彼らを狙う者は誰もいない。一方的な殲滅がそこには待っていた。
敵は退避を余儀なくされる。
「やっと終わった。帰ろうぜ」
伸びをしたままフィールが言う。
「そうね。早くシャワー浴びたいわ」
アイシャが手をパタパタさせ言う。
「・・・」
「ラズリ、大丈夫ですか?」
レオは心配そうにラズリの肩を叩く。
「あぁ、問題ない」
ラズリは血に染まった魔法の剣を消す。
本来4人は相手に接近しなくても相手を倒せる。魔力量により射程の距離が異なったりするが、彼らは5キロ離れた相手でも倒せる。
「行くぞ」
「『ノーネイム』、心配ねぇよ。レオいつものことだ」
「えぇ、そう・・・ですね」
「私たちも行きましょう」
3人は頷きラズリの後を追った。
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