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第十一章

懐かしのメンバー⑥

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 ヒソヒソと話をする私達を、金ちゃん先輩が不思議そうな顔で見ている。

「どうした?」
「い、いえ……」

 蒼空さんのいないところで聞けば、コソコソと詮索しているようで良くないと思って聞かなかった。いつか、蒼空さんから話してくれるまで待とう。

「お待たせ。行こう」

 フロントでカードキーをもらって戻ってきた蒼空さんの後に続く。蒼空さんと金ちゃん先輩が、なにやら話をしながら歩いていく後ろから、私と優香もついて行く。

「何かすっごく視線感じない?」
「わかる。いつも蒼空さんと歩いていたらめちゃくちゃ見られるもん。それが今日は金ちゃん先輩までいるから」
「二人ともイケメンだよねー。10年経ったとは思えないもん」
「ホントに」

 先日も乗った高層階へ行くエレベーターに乗り込みラウンジを目指す。エレベーターの扉が開くと、前回と同じセレブ空間が広がっている。金ちゃん先輩は来たことがあるのか慣れた様子だ。驚き固まっているのは初めてくる優香だけだ。

「何ここ⁉」
「すごいよね」
「驚かない凛花に驚く」
「初めて連れてきてもらった時は、優香と同じ反応だったよ」
「だよね。私達には雲の上の存在だった先輩達と、こうして再会してるんだから信じられないよ。凛花なんて蒼空先輩とつき合ってるんだよ」
「私自身も驚いてるもん。まさか蒼空さんとつき合うことになるなんて……。優香も知ってるでしょう? 会社で再会した時のこと」
「うん。凛花ショック受けてたもんね」
「だって、初対面の挨拶されたんだよ」
「それが、今になってつき合うことになったって報告されても、信じられなかったよ」

 連絡は取っていても、久しぶりに会うと会話が止まらない。女子の会話は、近況報告だけで何時間あっても足りないのだ。

 先にソファ席に座った蒼空さんと金ちゃん先輩が、私達を手招きして呼んでいる。

 二人が向かい合って座っているので、必然的に蒼空さんの隣が私で、金ちゃん先輩の隣に優香が座る。

「何飲む?」
「私は、アルコール度数の低いカクテルがいいな」
「私も」



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