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第十一章

懐かしのメンバー⑤

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「お前らみんな凛花のことが好きだっただろう?」
「はい? 蒼空さん何言ってるの?」
「「「……」」」

 蒼空さんの恥ずかしい言葉に、なぜか先輩達が黙り込む。

「プハッ」

 どこから話を聞いていたのか、金ちゃん先輩の吹き出す声が後ろから聞こえた。

「金城……」
「大介、何笑ってやがる」
「あの頃、バスケバカで周りは見てないのかと思ったら、しっかりチェックしてたんだな」
「ウルサイ……」

 先輩達の会話を聞いているだけで、懐かしくて楽しい。当時、全国という大きな目標を目指したメンバーの絆を改めて感じた。

 弟に、今日このメンバーで集まることを話したら、羨ましがっていた。未だに、高校で語り継がれる伝説のメンバーが集まっているのだから……

 最後に記念写真を撮って自慢しよう。

 会場は三時間借りていたけれど、あっという間で物足りないくらいだ。

「名残惜しいが、また集まろう。大介が仕切ってくれる」

 蒼空さんの言葉にみんなが一斉に声を上げた。

「片桐と凛花の結婚式には全員を招待しろよ」
「そうだそうだ」
「それならすぐだな」

 なぜかみんなが納得して解散となった。

 高校から考えると、知り合ってからは長いかもしれないけれど、つき合ったのは最近なのに、もう結婚とはみんな気が早過ぎる……

 いつかは――

 すでに結婚している人もいる年齢になっている。憧れが現実になってくれたらいいなとは思う。

「凛花」
「優香」

 私と蒼空さんの元に、優香と金ちゃん先輩がやって来た。

「お前らこのまま帰るのか?」
「あー、凛花泊まって行く?」
「へ?」
「じゃあ、少し四人で飲まないか?」
「ああ、じゃあクラブラウンジ行くか。待ってて」
「ああ」

 一度フロント階に戻った私達は、蒼空さんが戻って来るのを待つ。

「ねえ、凛花」
「ん?」
「蒼空先輩って何者?」
「へ?」
「だって、こんな高級ホテルにすぐに部屋が取れるんでしょう?」
「確かに……」

 高級なマンションに住み、人気の高級なホテルの部屋がすぐに取れるのだ。よく考えると、優香の言葉の通り何者だ? と思ってしまう。

 そういえば、以前にも疑問に思ったことがあるような……。私の知らない蒼空さんの秘密があるのかもしれない……
 


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