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猛獣の双眸2※
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共に暮らして七年。初めて入るブレインの寝室は、至ってシンプルだ。
本当に「寝る」だけの部屋であり、ニーナの部屋にある同じ種類のベッド、引き出し箪笥とクローゼット以外、何もない。
まるで監獄のようだ。
ニーナはドアに背をつけ、もじもじと膝を擦り合わせながら、まだ日も高いというのにカーテンを引くブレインの背中を凝視した。
時間を置いて冷静になると、自分がとんでもないことを口にしてしまったのだと自覚した。同時に激しい後悔に取り憑かれる。
全身を巡った溶岩は、すっかり冷え切ってしまい、今は真っ黒な岩塊となってずしりとニーナに圧し掛かっている。
振り向いたブレインは、ドキドキするニーナとは対照的に、表情筋一つ動かない。
ニーナが掃除にさえ入ることを拒んだ私有の空間に自ら招き入れたのだ。勢い任せとはいえ関係の変化を望んだニーナを受け入れたはずなのに。
それとも、わざわざ部屋に呼んで叱り飛ばす算段だろうか。
「ニーナ。時間にはまだ早いが、夜の儀式だ」
悶々とするニーナに、あくまでブレインは事務的に告げた。
朝と夕の儀式。朝につけられたキスマークは、まだ濃く刻まれている。
ブレインはいつもと何ら変わりなく頸動脈に口づけた。
「ん……あっ……」
ニーナは思わず喉を鳴らしてしまった。
またもや、とろっと垂れ落ちる愛液で、ズロースはすでにねっとりと塗れている。その雫は太腿の筋を伝っていき、踝に行き着く。
父さんに気づかれませんように。
ニーナの願いは儚く失せた。
ドレスの裾を捲った手が太腿の内側を添い、さらに伸びてニーナの体の裂け目をなぞったため、いとも容易く相手に状態を知られてしまった。
「何だ。もう濡れてるじゃないか。いやらしい体になったもんだな」
硬派な父らしくない煽り方。
「……んん……い、言わないで……」
副交感神経が活発になり、ニーナに性的興奮をもたらす。あっという間に愛液が溢れて、お漏らししたかのようにズロースに雫が溜まっていた。
ニーナの望み通り、ドレスも下着も取り払われる。素裸を晒されて、恥ずかしさにニーナは身を縮めた。
「お前は言葉で攻められるのが好きだろ」
「ち、違う……そんなんじゃ……」
などと口では否定しつつ、普段の父とのあまりの隔たりに、昂ってしまう。
「あっ……そこは……」
彼の長い中指がズボリと膣に入り込む。一気に指の根元まで呑み込んで、粘膜が絡んだ。もっと、もっとと、ニーナの体は素直だ。ブレインは人差し指と薬指をさらに増やして、蕩けきった膣肉を内部から押し進める。とろり、と粘液が糸を引いた。
ブレインにこのようなことをされるのは、現実では初めてなのに、夢とごっちゃになってしまっている。
現実ではニーナは処女であるのに。
すっかり豊富な経験を積んだかのように、ブレインの指にいちいち反応し、喘ぐ。切なく腰をくねらせ、ねだった。
「ニーナ。お前はどんどん淫乱になっていくな。もっと太くて硬い物が欲しくて堪らないと、ピクピク震えてるぞ」
「い、言わないでぇ……やめてぇ……」
どんどんなんて、こんな痴態、初めて見せるのに。
まるでブレインは、もう何度となく繰り返しセックスした感想を述べているようだ。
「ほら、自分でクリトリスを剥いてみろ。そうしたら挿入れてやるから」
声に笑いを含ませてブレインは命じる。
もしや自分はまた夢の続きを見ているんじゃないかとさえニーナは疑う。
「ニーナ」
促されるまま、ニーナは人差し指と中指で挟んで左右に開いた。ピンクに膨らんだクリトリスが晒される。
「や、やだ。恥ずかしいから。見ないでぇ」
甘えた舌足らずな懇願に、ブレインは目を細めて喉を鳴らす。
「まだ駄目だ、ニーナ。約束を破った娘には仕置きしないとな」
ブレインはニーナの望みをわかっているくせに、敢えて与えようとしない。
嵌め込んだまま、ぴたりと内部で動きを止めた指。腰をくねって請求しても、頑として聞かない。
我慢出来ず溢れ返る蜜が隙間から漏れて、粗相を仕出かしたかのごとくシーツがぐっしょりと濡れた。
夢とは全く違う。現実の父は、ニーナが考えていた以上に鬼畜だ。
本当に「寝る」だけの部屋であり、ニーナの部屋にある同じ種類のベッド、引き出し箪笥とクローゼット以外、何もない。
まるで監獄のようだ。
ニーナはドアに背をつけ、もじもじと膝を擦り合わせながら、まだ日も高いというのにカーテンを引くブレインの背中を凝視した。
時間を置いて冷静になると、自分がとんでもないことを口にしてしまったのだと自覚した。同時に激しい後悔に取り憑かれる。
全身を巡った溶岩は、すっかり冷え切ってしまい、今は真っ黒な岩塊となってずしりとニーナに圧し掛かっている。
振り向いたブレインは、ドキドキするニーナとは対照的に、表情筋一つ動かない。
ニーナが掃除にさえ入ることを拒んだ私有の空間に自ら招き入れたのだ。勢い任せとはいえ関係の変化を望んだニーナを受け入れたはずなのに。
それとも、わざわざ部屋に呼んで叱り飛ばす算段だろうか。
「ニーナ。時間にはまだ早いが、夜の儀式だ」
悶々とするニーナに、あくまでブレインは事務的に告げた。
朝と夕の儀式。朝につけられたキスマークは、まだ濃く刻まれている。
ブレインはいつもと何ら変わりなく頸動脈に口づけた。
「ん……あっ……」
ニーナは思わず喉を鳴らしてしまった。
またもや、とろっと垂れ落ちる愛液で、ズロースはすでにねっとりと塗れている。その雫は太腿の筋を伝っていき、踝に行き着く。
父さんに気づかれませんように。
ニーナの願いは儚く失せた。
ドレスの裾を捲った手が太腿の内側を添い、さらに伸びてニーナの体の裂け目をなぞったため、いとも容易く相手に状態を知られてしまった。
「何だ。もう濡れてるじゃないか。いやらしい体になったもんだな」
硬派な父らしくない煽り方。
「……んん……い、言わないで……」
副交感神経が活発になり、ニーナに性的興奮をもたらす。あっという間に愛液が溢れて、お漏らししたかのようにズロースに雫が溜まっていた。
ニーナの望み通り、ドレスも下着も取り払われる。素裸を晒されて、恥ずかしさにニーナは身を縮めた。
「お前は言葉で攻められるのが好きだろ」
「ち、違う……そんなんじゃ……」
などと口では否定しつつ、普段の父とのあまりの隔たりに、昂ってしまう。
「あっ……そこは……」
彼の長い中指がズボリと膣に入り込む。一気に指の根元まで呑み込んで、粘膜が絡んだ。もっと、もっとと、ニーナの体は素直だ。ブレインは人差し指と薬指をさらに増やして、蕩けきった膣肉を内部から押し進める。とろり、と粘液が糸を引いた。
ブレインにこのようなことをされるのは、現実では初めてなのに、夢とごっちゃになってしまっている。
現実ではニーナは処女であるのに。
すっかり豊富な経験を積んだかのように、ブレインの指にいちいち反応し、喘ぐ。切なく腰をくねらせ、ねだった。
「ニーナ。お前はどんどん淫乱になっていくな。もっと太くて硬い物が欲しくて堪らないと、ピクピク震えてるぞ」
「い、言わないでぇ……やめてぇ……」
どんどんなんて、こんな痴態、初めて見せるのに。
まるでブレインは、もう何度となく繰り返しセックスした感想を述べているようだ。
「ほら、自分でクリトリスを剥いてみろ。そうしたら挿入れてやるから」
声に笑いを含ませてブレインは命じる。
もしや自分はまた夢の続きを見ているんじゃないかとさえニーナは疑う。
「ニーナ」
促されるまま、ニーナは人差し指と中指で挟んで左右に開いた。ピンクに膨らんだクリトリスが晒される。
「や、やだ。恥ずかしいから。見ないでぇ」
甘えた舌足らずな懇願に、ブレインは目を細めて喉を鳴らす。
「まだ駄目だ、ニーナ。約束を破った娘には仕置きしないとな」
ブレインはニーナの望みをわかっているくせに、敢えて与えようとしない。
嵌め込んだまま、ぴたりと内部で動きを止めた指。腰をくねって請求しても、頑として聞かない。
我慢出来ず溢れ返る蜜が隙間から漏れて、粗相を仕出かしたかのごとくシーツがぐっしょりと濡れた。
夢とは全く違う。現実の父は、ニーナが考えていた以上に鬼畜だ。
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