『封印の瞳』 眠る力を解放せよ──魔法、謎、そして禁断の契約。

東城

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闇の予兆

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「ただいまー」
カゴを抱えて家に戻ると師匠がいなかった。
いつもなら暖炉の前で魔導書を読んでいるか、ハーブティーを飲みながらぼーっとしているか瞑想しているのに。
裏庭から師匠の声がする。なにやら怒っているようだ。

裏口のドアを開けると庭に師匠がいた。

「師匠」
「誰かが結界に穴開けやがった。結界がヒビだらけになっている」腕を組んで夕暮れの空を睨んでいる。
「さっき人に会った」
「えっ? どうして人が森にいるんだよ」
「その人が結界に穴を開けたって」
「何っ? そいつどこにいる?」
「ヘーゼルナッツの林で野宿している」
「どんな奴だった?」
「僧侶。お菓子もらった」
「知らない人から食い物もらってんじゃねーよ。毒入ってたらどうすんだよ」師匠の顔が少し怖い。イライラしている。
「でも僧侶だったし。大丈夫かと」
「そいつに会ってちょっくら話つけてくる」
「僕も一緒に行きます」

師匠はつかつかとヘーゼルナッツの林に向かって早足で進む。
アンドレも小走りに師匠の後をつけた。

僧侶はそうとう疲れていたのか木にもたれて眠っていた。落ち葉を踏む二人の足音にも気がつかない。

「ふーん。あいつか?」
「寝てるから起こさない方が」

師匠が小さい声で何かの呪文を唱えた。
横を見ると師匠がブカブカの黒い服を着た生意気そうな10歳ぐらいの子になっている。

「俺はアンドレの弟という設定な」
「はい?」
「子供の方が怪しまれないんだよ」
「師匠の子供姿は怪しいですよ。喋り方がモロ師匠だし」
「大丈夫だよ。俺に任せな」

師匠は僧侶に駆け寄り、無邪気な声で声をかけた。
「こんばんはー。おじさん、ここで何してるの?」


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