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2-⑥ 新しいブラディーガール
しおりを挟むお見合い終了しました。
長かった…。両親の熱弁が長かった。
両親はどうしても僕と姫様に結婚して欲しいみたい。
あの状況を見聞きして何故そう思えるのか…。
我が両親ながら謎だよ。
結局…「もう疲れたから帰ろう」と姫様が言ったので両親の熱弁は終止符をうったのだが…。あれがなければまだ続いていたかもしれないな。
姫様は僕には興味が無さそうだし、今後があるとは思えないけど両親が納得しないだろうからまた会うことになりそうだな。
未来が見えているのにそれに時間を使うなんて勿体無い気がするよね。
とりあえず、ヴァン様には今日の事を手紙に書いて送っておいた。どんな返事が来るのか楽しみだ。
お見合いも終わった事だし、そろそろブラッディーガール探しを再開しないとね。ブラッディーボールを増やして能力アップして、出来る男になってやる!
この前までは北側を探していたから今回は反対側の南側を探してみようかな~。
あっ、でもジェシカさんが近いうちに来て欲しいって言ってたな。ジェシカさん優先だな。
フフッ…ジェシカさんは前に言っていた僕の新しいブラディーガールなんです。
ヴァン様がこの家を出て、初めて僕一人で契約した女性。
雪のように白い肌と光にあたるとキラキラと宝石の様に輝く銀色の髪色をした僕より少し年上の美人さんなんだよ。
いや~、あの時は緊張したな~。
あれはヴァン様が家を出てから1週間が過ぎた頃だったかな。満月の光が綺麗だな~と夜空を眺めていたら急に僕のブラディーボールが光だしたんだよ。
僕は驚いて光の指す方を見たら、なんと僕の家の近くに馬車が止まっていて困っているのが見えたんだ。
急いで服を着替えてそこまで行くと馬車の中に向かってブラディーボールの光が差し込んだ。
僕は期待しながら御者に声をかけた。
「何かお困りですか?」
御者は頭に被っていた帽子をとり僕に頭を下げた。
「はい。実は馬が急に動かなくなってしまって困っていたのです」
御者は馬の首を優しく撫でながら話している。
フフッ…これは僕の新しい能力の出番みたいだね。
実は僕の新しい能力の一つに"どんな動物とも話が出来る"というのが加わったんだよ!
これが凄い使えるんだよ。
今までもコウモリとは会話ができていたんだけど、その他の動物はいまいちだったんだよね。細かいニュアンスまでは分からなかったんだけど今は違う!
今こそこの力を発揮する時!
「あの…僕が聞いてみましょうか?」
「え?」
御者は不思議そうな顔をして僕を見ている。
あっ!そりゃそうか。
見ず知らずの人間が馬に聞いてみましょうか?なんて怪しすぎたか!?
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