96 / 169
2-⑤ 残念な見た目なの?
しおりを挟む「そなたは何か言うことは無いのか?」
お見合いは継続中で、ここで姫様からの急な会話のターン。
正直言って早く帰りたいしか思い浮かびません。…がそれを言うわけにもいかないのはわかっています。
「え~と、姫様はどんな男性が好みなのでしょうか?」
はっ!無難な質問を言ってみたけど、これって返答によっては自分が傷つくやつだと今気がついたよ。
「そうじゃな…。逞しくて強気な方が好きだな」
はい、やっぱり傷つきました!
僕とは正反対だよね。
何で姫様は僕との見合いをオッケーしたんだろう?
「ハハッ…僕とは正反対ですね」
もう苦笑いするしかない。やっぱり早く帰りたい。
「そうだな。ヴァンの子孫だと聞いていたので逞しさは期待していなかったが…性格も違うようだな」
はい!またまたグサッときましたよ。
見た目だけじゃなく性格も比べますか…。
…と言うか。
「ヴァン様とはどういうお知り合いなんでしょうか?」
気になるよね。何だか姫様が仲が良さそうな雰囲気を出してるんだよね。
「なんだ、聞いておらぬのか?ヴァンは私の初恋の君なのだ」
「はぁ!?」
えっ…今さらっと初恋の君って言った?
幻聴じゃないよね?
それでさっきからヴァン様の面影を求められてるの?
それって…どうなの?
「獣に襲われて危ない所を助けてもらった事があってな…その時に一目惚れしたのだ。だが…すぐにヴァンが姿を消して見つける事ができなかったのじゃ…」
あ~、そりゃそうだよ。普段はコウモリの姿をしていたから見つからないよね。
「長年諦めきれなかったがヴァンの子孫がお見合い相手を探していると耳にしたのでな…興味が湧いたのだ」
なるほど…単なる興味本位で来たわけですね。
じゃあ、もう終了で良くないですか?
「あの…ではもう…」
僕がもうお見合いは終わりにしませんか?と言おうとしたら急に両親が会話に入ってきた。
「あの、姫様!フルドは見た目はヴァン様には似ていませんが優しくて一族の力も先祖返りと言われているほどあります!是非もう少し様子を見ては頂けませんか!?」
初めて見る母さんの必死な訴え。
母さんってこんな大きな声が出たんだな~と感心してしまった。って、いや母さん僕的には終了したいんだけど?それに、本人の意志は無視で、しかも姫様に振られる前提で話をしてますよね?
おかしくない?
「見た目はこんなのですが能力を見てやって下さい!」
父さん土下座してるよ…。
いや、両親揃って息子の見た目を悪く言うの?
またまたまた傷つきましたよ。
あ~、早く帰りたい!
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説


セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる