ブラッディーガールを探せ!

縁 遊

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2-⑤ 残念な見た目なの?

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「そなたは何か言うことは無いのか?」

 お見合いは継続中で、ここで姫様からの急な会話のターン。

 正直言って早く帰りたいしか思い浮かびません。…がそれを言うわけにもいかないのはわかっています。

「え~と、姫様はどんな男性が好みなのでしょうか?」

 はっ!無難な質問を言ってみたけど、これって返答によっては自分が傷つくやつだと今気がついたよ。

「そうじゃな…。逞しくて強気な方が好きだな」

 はい、やっぱり傷つきました!

 僕とは正反対だよね。

 何で姫様は僕との見合いをオッケーしたんだろう?

「ハハッ…僕とは正反対ですね」

 もう苦笑いするしかない。やっぱり早く帰りたい。

「そうだな。ヴァンの子孫だと聞いていたので逞しさは期待していなかったが…性格も違うようだな」

 はい!またまたグサッときましたよ。

 見た目だけじゃなく性格も比べますか…。

 …と言うか。

「ヴァン様とはどういうお知り合いなんでしょうか?」

 気になるよね。何だか姫様が仲が良さそうな雰囲気を出してるんだよね。

「なんだ、聞いておらぬのか?ヴァンは私の初恋の君なのだ」

「はぁ!?」

 えっ…今さらっと初恋の君って言った?

 幻聴じゃないよね?

 それでさっきからヴァン様の面影を求められてるの?

 それって…どうなの?

「獣に襲われて危ない所を助けてもらった事があってな…その時に一目惚れしたのだ。だが…すぐにヴァンが姿を消して見つける事ができなかったのじゃ…」

 あ~、そりゃそうだよ。普段はコウモリの姿をしていたから見つからないよね。

「長年諦めきれなかったがヴァンの子孫がお見合い相手を探していると耳にしたのでな…興味が湧いたのだ」

 なるほど…単なる興味本位で来たわけですね。

 じゃあ、もう終了で良くないですか?

「あの…ではもう…」

 僕がもうお見合いは終わりにしませんか?と言おうとしたら急に両親が会話に入ってきた。

「あの、姫様!フルドは見た目はヴァン様には似ていませんが優しくて一族の力も先祖返りと言われているほどあります!是非もう少し様子を見ては頂けませんか!?」

 初めて見る母さんの必死な訴え。

 母さんってこんな大きな声が出たんだな~と感心してしまった。って、いや母さん僕的には終了したいんだけど?それに、本人の意志は無視で、しかも姫様に振られる前提で話をしてますよね?

 おかしくない?

「見た目はこんなのですが能力を見てやって下さい!」

 父さん土下座してるよ…。

 いや、両親揃って息子の見た目を悪く言うの?

 またまたまた傷つきましたよ。

 あ~、早く帰りたい!


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