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2-④ お見合いスタート!
しおりを挟む「なんだ、全然ヴァンに似ておらぬな」
黒髪ショートカットのスレンダーな美人が僕を上から下までじっくり観察した後に言った最初の言葉だ。
人にじろじろと観察されるのは良い気がしないし、ヴァン様と比べないで欲しいよ。
まあ、僕もまるで騎士のような格好をしていた相手を女性だとは思わずに美青年だなぁとじろじろと見ていたんだけどね。
「身長も私と変わらぬではないか…。何と…ヴァンパイアの遺伝子は劣化しているのか?」
ん!?
何気に失礼な言葉を連発してませんか?
それに身長はこれでも伸びたのに!!
なんと…175センチまで到達したんだよ!!
見た目はちょっとイケてるんじゃないかと思っていたんだけど…そんなにハッキリ口にしますか。確かにヴァンパイアの一族は美形が多いし、ヴァン様は美形代表みたいな人だけどさ…。
う…心がポッキリ折れたよ。
「まあまあ姫様、その辺りでお口を閉じてくださいませ」
姫様の隣にいた侍女の様な格好をした年配の女性が笑顔だけど目が笑っていない表情で前に出てきた。
「ば、ばあや…。私は何も悪いことは言っていないぞ」
姫様…狼狽えてる。どうやらあの人は侍女ではなくて、ばあやさんみたいだ。迫力あるよ。
「姫様…。失礼な事を言っている自覚が無いようですね。それでは失礼して…まあ、なんと背の高い女性だ!まるで男性の様な雰囲気だし、全然お母様に似ていないな!…と言われたらどう思われますか?」
ばあやさん…手厳しい。姫様の顔が固まってしまっている。
「そ、それは…傷つくな」
ばあやさんは大きく頷いて見せた。
「そうでございましょう。姫様はそれと同じような事をフルド様におっしゃったのですよ。分かりましたか?」
「…わかった」
姫様はキリリとした最初の印象とは変わり迷い猫みたいな感じになっています。
「わかっていただけたのなら、フルド様に謝って下さいね」
「すまぬ…」
姫様は僕に頭を下げた。
「え!いえ、言われなれてますから。気にしないで下さい」
思わず口からでたけど…悲しい言葉だな。
「やはり、皆思うのだな!」
姫様は下げていた頭を上げて真面目に言っているよ。反省してますか?
「姫様!」
ばあやさんのお叱りがとぶ。
姫様とのお見合い?顔合わせはこんな感じで始まった。因みに僕の両親は勿論同席していたけど、何も言わずただ僕達のやりとりを見ていただけだった。…というか、姫様を見てた。
どうやら、母さんが姫様の大ファンだったらしい。目が輝いてるよ。2人で手を取り合って感激してる。
こんなので大丈夫なのかな?
不安なお見合いスタートです!
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