74 / 169
74. ?一族
しおりを挟むヴァン様の昔話を聞いて僕は考えていた。
ヴァン様の友人を探すのは大変そうだよね。手がかり無しに探すのは無理じゃない?
「ヴァン様…その友人の手がかりって何かないんですか?」
『それなんだが、おそらく薬局に関する場所を見張っていれば来るだろうと思ってやってみたが…ダメだったのだ』
腕組むコウモリ…。
「なぜ薬局なんですか?」
友人は薬剤師さんなのか?
『包帯を必要としているからだ』
包帯が必要?ケガしてるのか?
『実はミイラ一族なのだ』
「え!?友人はミイラ男さんなんですか?」
狼男の次はミイラ男…。
『絶対に包帯は大量に買い付ける必要があるはずなんだ。アイツは潔癖な所があったし、いつも予備を持っていたのを知っているしな』
…ミイラ男さんは潔癖症なの?
小さな手を顎に添えてるヴァン様が気にならないくらい情報が気になります。
「でも、薬局を見張っていてもダメだったんですよね?」
『そうなんだ…』
小さくため息をつくヴァン様。落ち込んでいるのが目に見える。
長い年月をかけて探してきたんだろうな…。
僕には想像もつかないや。
でも…ミイラ男さんの寿命って何年くらいなんだろう?
ヴァン様みたいに長生きではないとしたら…探せないよね?
「ミイラ一族の寿命って何年ぐらいなんですか?」
『それなんだが…私も詳しくはわからないんだ。しかし、一族でブラディーボールを獲得しようと動いていたので本人は亡くなっていても子孫につながっていると予想している』
確かに家宝?みたいになっている可能性もあるか。
じゃあ、ミイラ一族なら誰でも良いから見つければ良いということか。
でも薬局以外で包帯を買える所ってどこだ?
…思いつかない。
学校の図書室で調べてみようかな。
「ヴァン様、ミイラ一族について調べてみても良いですか?闇雲に探しても見つかる確率は低そうだし、図書室で調べてみます。それからでも良いですか?」
ん…ヴァン様、何だか驚いた顔をしてる?
『そこまでしてくれるのか?』
あれ?もしかして…涙ぐんでますか。そんなに嬉しいのかな。
『ありがとう。よろしく頼む』
「わかりました。詳しいことがわかったらヴァン様に言いますね」
きっと、昔の文献より新しい情報が書いてある可能性もあるよね。
明日の放課後にでも図書室に行ってみよう。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説


セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる