ブラッディーガールを探せ!

縁 遊

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75. 図書室にて

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 僕は放課後すぐに図書室に来た。

 実は初めて来るんだよね。独特の紙の匂いに包まれた少し薄暗くて雰囲気のある空間だよ。

 意外と…って言うと失礼かもしれないけど人が沢山いる。

 本も思っていたよりかなりの数が置いてあるし種類も豊富だ。哲学の本から絵本まで置いてるよ。

「何かお探しですか?」

 僕が図書室の入口でキョロキョロとしていたからか司書と思われる人が声をかけてきてくれた。

 緑色の髪に青い瞳をしたスレンダーなとても綺麗な女性だ。胸の所に名札があった。ネムさんと言うらしい。

「あ、あの…モンスター図鑑みたいなものはありますか?」

 どの本と言われると困るから、まずはモンスターくくりで聞いてみた。

「モンスター図鑑ですね。子供向けと大人向けがありますけど、どちらにされますか?」

 子供向けと大人向けは一体何が違うの?

 わからないよ。

「え…と、両方見せてもらっても良いですか?」

「わかりました。こちらでお待ちください」

 ネムさんは足早に本を探しに行ってくれた。

 今、気がついたけどネムさんの行方を追っている人が何人かいるな。さりげなくしているようだけど一斉に移動しているからたぶん間違いないと思う。

 まあ、美人だから理解はできるけど…。

 もしかして図書室に人が多いのも、ネムさん目当ての人が混じっているからなのかな?

「お待たせしました」

 ネムさんが分厚い本を両脇に抱えて帰ってきた。思っていたより大きいし分厚いな。

 あっ、ネムさんの後ろから僕を睨んでる視線を感じます。

 ネムさんから早く離れた方が安全そうだ。

「ありがとうございます。見させてもらいます」

 ネムさんから本を受け取り席についた。

 まずは子供向けから見てみる事にした。

 大きさは同じなんだけど色が違うんだよ。子供向けは緑色の表紙になっていて、大人向けは赤色なんだ。

 中を見ると子供向けはカラーイラストが沢山描いてあって文字も大きいから読みやすい。肝心のミイラ一族については…包帯グルグル巻いた姿が描いてあるだけだ。知りたい情報はない。

 大人向けに期待したい。

 祈る様な気持ちで本を開いた。

 中は文字が子供向けよりも小さくてイラストがカラーじゃなく白黒だ。読みにくいな。ミイラ一族については…あった!

 何々…諸説は色々あるが死んだ人間が甦り乾燥した皮膚を隠す為に包帯をしている。火に弱いという噂もある。全てではないが包帯を取ると透明な場合もあるらしい。

 …え?

 そもそもゾンビ系統ってこと?

 いや、もしも身体が透明な一族だったら見つけるのは無理じゃない?

探すとしても夜しか活動してないんじゃないのかな。昼間に探すのは時間のムダの様な気がする。あくまでも透明な身体じゃなければの話だけどね。

 情報は見つかったけど…どうしようかな。

「おい、お前!」

 僕の隣に誰かが座ったと思ったら小さな声だけど、低くドスの効いた声で誰かが僕に話しかけてきた。

 

 
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