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44. 条件
しおりを挟むウルの妹さんの事を聞くかまよったけど聞かない事にしました。
聞かないで会った方が良いかもしれないという結論にいたったんです。
ウルには学校の休み時間を使って事前に"幸せのコウモリに会う条件"を説明しておいた。
だって姿を見られたくないからね。
条件は5つ。
1.幸せのコウモリは夜行性なので夜しか訪問できないこと
2.その際は明かりをつけないまま対応すること
3.対応するのは妹さんだけ
4.家族はそれに対して詮索しないこと
5.望みが絶対に叶う訳ではないことを理解すること
この条件をのめるなら幸せのコウモリがウルの家に行くと言っていると説明した。
ウルは家で家族会議をした結果、次の日には「お願いします!」と言ってきたんだ。
…そして今夜はヴァン様と約束している週末。
ヴァン様もウルの妹の話はしてあるので、行くことは決定してるんだけど…。
すごい緊張してるんだよね。
何だろう?
友人の家族だからかな?
いつもよりドキドキしてるんだよね。
ドキドキが収まらないまま教えてもらっていたウルの家を探していた。
「え!もしかして…あの家?」
目に飛び込んできたのは庭に大量のランプを置いて文字を作っている家だった。
『ようこそ!幸せのコウモリ様!って書いてあるな…』
ヴァン様は呆れている様子だ。
『そう言えば…確かここの先祖も明るくて賑やかな女性で庭の木に目印だと言って光る飾りをつけていたな…。これは遺伝なのか?』
真剣な顔で言うヴァン様に思わず笑っちゃったよ。
『笑っている場合では無いぞ!ほら、あの窓が開いておる。光るランプも置いてあるし部屋に待ち人がいるんじゃないか?早く行ってこい!』
「…わかりました。行ってきます」
いよいよウルの妹と初対面だ~!
ドキドキマックスです!!
緊張しながら部屋の窓枠をコンコンと鳴らした。
「こんばんは…部屋に入っても良いですか?」
「…は、はい!」
少し裏返った声の返事が聞こえてきた。
僕は声の聞こえたベッドの方へと近づいていく。
月の光が部屋の中に差し込んできて妹さんの姿がハッキリと見えた。
ウルの妹さんって…。
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