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45. おばあ様からの教え
しおりを挟むウルの妹の姿を見て僕は驚いた。
予想していた感じではなかったからだ。
「初めまして…。ルフと申します」
ベッドから降りて僕に頭を下げて挨拶をしているルフさんは思っていたより小柄で可愛らしい人だった。
僕と身長は同じくらいかな。もっとウルみたいに背が高くて筋肉質なのかもって思っていたけど…失礼すぎたかな。
目の前のルフさんはミルクティー色の髪に緑色の大きな瞳をした色白で可愛らしい感じだよ。確かに…これで毛深くなるのは嫌かもしれないな。
あ…いけない、観察しすぎて挨拶をしてなかったよ!
「初めまして、ヴァンデと言います」
僕がニッコリ笑うとルフさんは顔を赤くしてうつむいてしまった。
人見知りなのかな?ウルとは正反対だね。
そうだ、忘れないうちに聞いておかないと!
「あの、ご先祖様からブラッディーボールを預かっていませんか?たぶん、幸せのコウモリに返す様に言われていると思うんですが…」
ヴァン様のボールを回収しておかないとね。何度も来ることになったら気を使う。
ルフさんはうつむいていた顔を上げてベッドの横にあるチェストからボールを取り出して僕に見せてくれた。
「これですか?」
出されたボールは色が茶色に近い黒、焦げ茶色と言うのが近いかな。やっぱり前回のボールとは見た目から違うんだね。
「返してもらっても良いですか」
僕はルフさんが頷いてくれたのを確認してブラッディーボールを手に取った。
どうしようかな…。
先にこれを鑑定しちゃう?
その後にルフさんと契約する?
…と考えていたけど、ルフさんの熱い視線を感じます。
「それを返したら私の願いも聞いてもらえるんですよね?」
ん?そういう話になっているのかな。
じゃあ、契約を先にした方が良いみたいだね。
「僕との契約は何をするのか聞いてますか?」
前回はキスだったからね。まさかと思うけど聞いてみようかな…。
「え…と、あの~…その~。…スをするんですよね…」
下を向いてモジモジしながら小さな声で話しているのでよく聞こえなかった。
「…え?」
「…キス!…ね」
僕が聞こえなかったのが理解できたのか、真っ赤な顔を上げて、さっきとは比べ物にならない大きな声を出した。
だけど…キス!の単語だけしか聞こえなかったけどね。
まあ、それだけ聞こえれば理解できましたよ。前回と同じなんだということが。
「あ~、それじゃなくても契約できますよ。安心してください」
耳まで真っ赤になってうつむいているルフさんに優しく話しかけた。
「…え?おばあ様からは初めてのキスは結婚する前は幸せのコウモリ様、結婚後は旦那様と教えられてきたのですが…」
なんだそれ…。
ヴァン様…一体何て言ってたの?!
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