ブラッディーガールを探せ!

縁 遊

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43. 想像してみた

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 僕は急いで家に帰宅して、ヴァン様のいる小屋に向かった。

 今日は両親は遅くまで帰って来ないと聞いていたので安心して話ができる。

 小屋の中でヴァン様は大きなあくびをしていた。

「ヴァン様に聞きたいことがあるんです」

 僕が話しかけると少し体をビクッとさせて僕の方を見た。

『急に話しかけるな!ビックリするではないか』

 小屋にノックしないといけないのか?

『聞きたいこと?何だ言ってみろ』

 あれって毛繕いかな?翼を舐めている。

「あの…ヴァン様はウルフ族の女性とも契約してましたか?」

『ウルフ族…』

 動きを止めて考えているみたい。沈黙の時間が流れてます。覚えてないのかな?

『あっ!思い出したぞ。いる!居たぞ!!ウルフ族のブラッディーガール』

 やっぱりヴァン様か!

「そのウルフ族のブラッディーガールとはどんな契約を結んだのか覚えてますか?」

 ウルは妹さんの悩みが何かまでは言ってなかったんだよね。でも、知っておいた方がきっと良いよね。

『え~とな、確か…そうだ!毛深いのが嫌だから余分な毛を脱毛して欲しい!だったと記憶している…けど、それがどうかしたのか?』

 脱毛!?

 それってウルフ族だから全身毛に覆われるのが嫌って事かな?でも、ツルツルになると、それはそれで困らないのかな…。

「あ、実は僕の友人にウルフ族の子がいて話を聞いたもので…。今は妹さんが契約をしたがっているみたいなんです」

 だけど、今から契約するのはヴァン様ではなく僕がすることになるからな~。ウルの妹に僕がヴァンパイアだってバレちゃうよね。

 しかもあのウルの妹だからきっと体格が良くて僕より力がありそうだな…と少し、本当に少しだけど怖い様な気もするんだよね。

『探す手間が省けたではないか!早速今週末はその屋敷に行って契約をするぞ!』

 ヴァン様の鼻息が荒い。興奮しているのか?

 前から思っていたけどヴァン様はあのヴァンボールを集めて何がしたいのだろうか?と考えてしまう。

 だって掟から考えれば全部集めたとしても完全に人間の姿には戻れなさそうだったしな。

 集めてどうしたいのかな?

 それに、僕がウルの妹と契約をして一体どんな能力のボールが出来上がるのかな。

 ウルフ族と言えばパワーが強いのが有名だよね。やっぱりパワー系統?それとも狼の本能的な物とか?

 う~ん、気になる…。

 妹さんが僕より大きくなければ契約もしやすいんだけどな~。それとなくウルに聞いてみようかな。

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