運命なんて信じません

35. 恋愛沼

　あの鼻血デートから数週間経ちました。私と占一さんの関係はまだ進展していません。

　もしかして…私が鼻血を出したので気を使われている？それとも呆れられた？

　だって…キスもあれからないんです。

　いや、べ、別にして欲しいとかそう言うのではなくて…ただ気になるだけですよ。

　織糸にはたくさん愛されろ！と言われましたが私から「たくさんハグしてキスして下さい」って言うのも悶絶もので…どうかと思いますしね。

　私って今更ながら恋愛下手なんだなと実感する毎日です。

　ご飯を一緒に食べに行ったりはしてます。でもそれだけです。楽しい会話をして美味しいご飯を2人で食べて、家まで送ってもらって、じゃあまたねっでサヨウナラです。

　織糸には中学生か！？って言われています。

　だけど…幸せは感じています。大人の関係がなくても心が満たされる感じがするっていうのはおかしいのかな？

　前にテレビで見たんですけど、肌が触れあうスキンシップをすることによりでるホルモンがあって、それが沢山出ることによって気持ちが落ち着くって言ってたような…。

　もしかして、肌は触れあってないけどホルモンが出ている？

　う～ん、わからん。

　ネットで色々と検索して見ましたがピンっとくるものもなく…。

　占一さんと私の関係か…。

　あれ？

　そういえば…最近は占一さんが"運命の人"って言わなくなったな。前は話の中によく出てきたよね？私が何も反応しないから言わなくなったなったのかな。

　運命の人か…。

　結局は付き合うことになったんだから当たっていたってことになるんだよね。付き合う運命？っていうのかな。

　そもそも、運命って言葉が気になって色々と調べたんだよね。そしたら、恋愛だけの意味じゃなくていろんな意味での"運命の人"があるんだってわかったんです。

　人生っていう運命の道があるとしたら、舗装されている道が何本かあって、それのどれを選ぶのかによって運命が変わるって書いてありました。中には舗装されていないボコボコの道を選ぶ人もいるし…だけどそれは自分で決めることだから…とも書いてあって気になったんです。

　もしかして私は今までボコボコ道を選んでいたのかな。

　ボコボコ道は苦労する。だけど苦労の先に見える景色があってそれを見たいが為に人は選ぶんだって…。

　私は誰かに必要とされたかったかった。誰でも良いではなくて、私じゃないとダメなんだって思ってもらいたかった。その為に好きな人に尽くしてきた。

　ねぇ、私は他の人とは違うよね？…って無意識に思ってやっていたかもしれない。

　その先に私は何を見た…？

　私は何も見えていない。

　恋愛沼…深そうです。