36 / 42
36. 白玉先輩の呟き (白玉先輩視点)
しおりを挟む最近、新しい人間が増えた。
私の事を「白玉先輩」と呼ぶ、不思議な人間。可愛がってくれるし、おやつもくれるから良い人間だと思うわ。
でも、ごめんなさい。
私は人気者なのでみんなが私が来るのを待っているから、あなた一人を相手にできないのよ。
まず、最初に行くのは長い付き合いの梅子(うめこ)の家ね。彼女とはもう10年くらいの付き合いになるのかしら?雨の中、私を助けてくれた人なの。
「なぁ~。」
「あら、たまちゃん。お帰りなさい。」
彼女は私の事を"たま"って呼ぶのよ。
おかかがたっぷり混ざったご飯をくれるの。
美味しいわ。
次に向かうのは、夫婦の家よ。
ここには私の旦那の小豆がよくいるの。旦那はこの家が好きみたい。
「あら?しろちゃん、お帰りなさい。」
この家の人は私の事を"しろちゃん"って呼ぶの。
「今日は小魚があるけどいる?」
「なあ~!」
椅子に座ったままのこの家の主人からお魚を貰う。この家の主人はあまり見慣れない押すと動く椅子に座っていることが多いのよ。私がその膝の上に乗っかると喜んで貰えるのよ。撫でてもらえるから私も嬉しいわ。
その次に向かうのが一人暮らしの坊やの家よ。
いつも夜遅くにしか姿を見ないから家の玄関の前で待ってるの。だって家の中が散らかっているから長居はしたくないのよね。
でも心配だから顔は見に来るの。
会うと、いつも長細い物に入った柔らかい食べ物をくれるからっていうのもあるけどね。だって、すごい美味しいのよ!
最後が大きな家にいて、私の事を白玉先輩って呼ぶ人間が増えた所。
この彼は旦那の小豆も懐いているの。
何だか不思議な人間なのよね。
最近はここにいる時間も長くなってきたのは居心地がよいのもあるかもしれないわ。彼は私達の子供を救ってくれた恩人だからというのが一番大きいかもしれないけどね。
因みに私が行っている家には私の子供達が一匹ずついるのよ。また時間があれば可愛い子供達のことも紹介するわね。
「白玉~!?白玉~どこだ~?」
あら?彼が私を呼んでいるみたい。
行かなくちゃ…。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
25
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる