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第4章 一泊二日の大阪旅行は行く先々でハプニングだらけ
第27話 夫婦になるんだから左手薬指に指輪をはめるくらい普通だと思うけど?
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特に何事も無く一夜を過ごした俺達はラブホテルを後にして大阪観光を開始していた。現在は浪速区にある繁華街に来ている。通空閣という展望塔があったり商店街が広がっているため中々賑やかだ。
「やっぱり大阪と言えば串カツだよな」
「ソースが美味しいから禁止って分かっててもついつい二度漬けしたくなっちゃう」
俺とアリスは串カツを食べながら商店街の中をあちこち歩き回っていた。通路が非常に狭い事からかつては軍艦横丁と呼ばれた時期もあったらしいが、かえってそれが活気を醸し出している。
「このレトロ雰囲気がなんか良いな、ちょっとどこか懐かしい感じがするしさ」
「二十一世紀生まれの私達が懐かしいって感じるのは変な気もするけどね」
「それは確かに」
俺達が生まれる前の時代である二十世紀っぽい雰囲気が出ているこの商店街を懐かしいと感じるのはよくよく考えたらおかしいに違いない。
「あっ、見て見て拓馬。弓道場があるよ」
「本当だ、結構人が入ってるから人気っぽいな」
外国人観光客や家族連れ、カップルなど多くの人で賑わっている様子だ。入り口の近くに設置されていた看板には千円で弓道体験が出来ると書いてあった。
「せっかくだから私達もやっていかない?」
「そうだな。弓道体験なんか中々出来ないし、やってみようか」
俺とアリスはお金を払って順番を待ちながら弓矢を射る様子を眺め始める。上手く的に当てられている人は少数であり、かなり苦戦している様子だ。
「結構難しそう、的に当てられるかな……?」
「俺達みたいな素人がいきなり的に当てるのは無理な気がする」
二人でそんな会話をしているうちに俺達の番がやってきた。スタッフから弓の引き方を教えて貰った後、試しに一本矢を射る。
「予想通りめちゃくちゃ難しい」
「全然思ったように矢が飛んでくれないね」
それから試行錯誤しながら矢を射続け、僅かながら的にも当たるようになってきた。的に当たった時はめちゃくちゃ爽快だ。
「もし次に射る最後の矢を的に当てられたらお願いを一つ聞いてくれない?」
「もし当てられたらな」
「よし、絶対当てるから。その言葉忘れないでね」
多分無理だと思って軽く答えた俺だったが、もし本当に当てたらどうしよう。アリスの事だから絶対無茶な事を言ってくるに違いない。
ドキドキしながら隣で見守る俺だったが、なんとアリスの放った矢は的のど真ん中に見事命中してしまった。
「やったー、当たったよ」
「おい、マジか!?」
「私って昔から本番に強いんだよね」
アリスはそう口にしながらニコニコしているわけだが、いくらなんでも本番に強すぎでは無いだろうか。今までわざと手を抜いていたのではないかと思うほどだ。
それから道場を後にした俺達は二人で引き続き商店街を回り、しばらくしてから休憩でレトロな雰囲気のカフェに入った。
「じゃあ約束通りお願いを聞いて貰おうかな」
「分かったよ、男に二言は無い。それで俺は何をやればいいんだ?」
「とりあえずこれを受け取って中を開けて見て」
そう言い終わったアリスは鞄の中から正方形の小さなケースを取り出して俺に差し出してきた。嫌な予感がしつつも言われた通りに受け取ってケースを開ける。
ケースの中にはデザインが同じ色違いの指輪が二つ入っていた。よくよく見ると内側にはTakuma&Aliceという刻印まで入っている。
「拓馬にはこれからこのペアリングをはめて生活して貰うから」
「はめて生活しろって、ひょっとしてこれから毎日か?」
「うん、私の許可なく外しちゃダメだよ」
どうやらアリスは俺に四六時中ペアリングをはめさせる気のようだ。一応うちの高校は制服さえ着ていれば髪染めやアクセサリーの着用が許可されている。
だからその辺りに関しては全く心配無いが、学校でペアリングなんかはめていたら絶対目立ってしまうに違いない。
「……せめて学校の時だけは許してくれないか?」
「えっ、嫌だけど」
「そこを何とか……」
「男に二言は無いんじゃなかったっけ?」
悪そうな笑みを浮かべながらそう口にするアリスに俺は何も言えなくなってしまった。アリスのお願いを一つ聞くという約束を一度してしまった以上、反故にする事は俺の信念に反する。
「……ったく、分かったよ」
「じゃあせっかくだし、私がはめてあげる」
アリスは俺の左手をそっと掴むと薬指に銀色の指輪をはめてきた。そしてそのままケースの中に残っていた金色の指輪をアリスは同じように左手薬指にはめる。
「いやいや、左手の薬指に指輪ってどう考えても結婚指輪と勘違いされそうじゃん」
「夫婦になるんだから左手薬指に指輪をはめるくらい普通だと思うけど?」
毎度お馴染みのトンデモ理論を平然と口にするアリスにもはや俺は諦めるしかなかった。どうせ抵抗しても無駄だし。
夏休み期間中の今はそんなに問題無いが、学校が始まったらクラスメイト達からの好奇の視線に晒されるに違いない。今後の事を考えると今から色々憂鬱で仕方なかった。
「やっぱり大阪と言えば串カツだよな」
「ソースが美味しいから禁止って分かっててもついつい二度漬けしたくなっちゃう」
俺とアリスは串カツを食べながら商店街の中をあちこち歩き回っていた。通路が非常に狭い事からかつては軍艦横丁と呼ばれた時期もあったらしいが、かえってそれが活気を醸し出している。
「このレトロ雰囲気がなんか良いな、ちょっとどこか懐かしい感じがするしさ」
「二十一世紀生まれの私達が懐かしいって感じるのは変な気もするけどね」
「それは確かに」
俺達が生まれる前の時代である二十世紀っぽい雰囲気が出ているこの商店街を懐かしいと感じるのはよくよく考えたらおかしいに違いない。
「あっ、見て見て拓馬。弓道場があるよ」
「本当だ、結構人が入ってるから人気っぽいな」
外国人観光客や家族連れ、カップルなど多くの人で賑わっている様子だ。入り口の近くに設置されていた看板には千円で弓道体験が出来ると書いてあった。
「せっかくだから私達もやっていかない?」
「そうだな。弓道体験なんか中々出来ないし、やってみようか」
俺とアリスはお金を払って順番を待ちながら弓矢を射る様子を眺め始める。上手く的に当てられている人は少数であり、かなり苦戦している様子だ。
「結構難しそう、的に当てられるかな……?」
「俺達みたいな素人がいきなり的に当てるのは無理な気がする」
二人でそんな会話をしているうちに俺達の番がやってきた。スタッフから弓の引き方を教えて貰った後、試しに一本矢を射る。
「予想通りめちゃくちゃ難しい」
「全然思ったように矢が飛んでくれないね」
それから試行錯誤しながら矢を射続け、僅かながら的にも当たるようになってきた。的に当たった時はめちゃくちゃ爽快だ。
「もし次に射る最後の矢を的に当てられたらお願いを一つ聞いてくれない?」
「もし当てられたらな」
「よし、絶対当てるから。その言葉忘れないでね」
多分無理だと思って軽く答えた俺だったが、もし本当に当てたらどうしよう。アリスの事だから絶対無茶な事を言ってくるに違いない。
ドキドキしながら隣で見守る俺だったが、なんとアリスの放った矢は的のど真ん中に見事命中してしまった。
「やったー、当たったよ」
「おい、マジか!?」
「私って昔から本番に強いんだよね」
アリスはそう口にしながらニコニコしているわけだが、いくらなんでも本番に強すぎでは無いだろうか。今までわざと手を抜いていたのではないかと思うほどだ。
それから道場を後にした俺達は二人で引き続き商店街を回り、しばらくしてから休憩でレトロな雰囲気のカフェに入った。
「じゃあ約束通りお願いを聞いて貰おうかな」
「分かったよ、男に二言は無い。それで俺は何をやればいいんだ?」
「とりあえずこれを受け取って中を開けて見て」
そう言い終わったアリスは鞄の中から正方形の小さなケースを取り出して俺に差し出してきた。嫌な予感がしつつも言われた通りに受け取ってケースを開ける。
ケースの中にはデザインが同じ色違いの指輪が二つ入っていた。よくよく見ると内側にはTakuma&Aliceという刻印まで入っている。
「拓馬にはこれからこのペアリングをはめて生活して貰うから」
「はめて生活しろって、ひょっとしてこれから毎日か?」
「うん、私の許可なく外しちゃダメだよ」
どうやらアリスは俺に四六時中ペアリングをはめさせる気のようだ。一応うちの高校は制服さえ着ていれば髪染めやアクセサリーの着用が許可されている。
だからその辺りに関しては全く心配無いが、学校でペアリングなんかはめていたら絶対目立ってしまうに違いない。
「……せめて学校の時だけは許してくれないか?」
「えっ、嫌だけど」
「そこを何とか……」
「男に二言は無いんじゃなかったっけ?」
悪そうな笑みを浮かべながらそう口にするアリスに俺は何も言えなくなってしまった。アリスのお願いを一つ聞くという約束を一度してしまった以上、反故にする事は俺の信念に反する。
「……ったく、分かったよ」
「じゃあせっかくだし、私がはめてあげる」
アリスは俺の左手をそっと掴むと薬指に銀色の指輪をはめてきた。そしてそのままケースの中に残っていた金色の指輪をアリスは同じように左手薬指にはめる。
「いやいや、左手の薬指に指輪ってどう考えても結婚指輪と勘違いされそうじゃん」
「夫婦になるんだから左手薬指に指輪をはめるくらい普通だと思うけど?」
毎度お馴染みのトンデモ理論を平然と口にするアリスにもはや俺は諦めるしかなかった。どうせ抵抗しても無駄だし。
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