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第二部
第3話 第一印象? 〈side:マルサネ〉
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何だか、あの大公みたいなヤツだな……。
それがあたしが奏大に初めて逢った時の第一印象。
ユッカ大公と同じような長い手足のせいか、へにゃへにゃ笑って、ちょっと組み付けば簡単に息の根を止めちゃえそうな弱っちそうなところのせいか……。
うまく言えないが、何となく我が国のあのヘラヘラいつものんきそうな大公殿にそっくりな雰囲気だった。
「誰だ?」
と最初に誰何された時はあたしも流石にピリッとするぐらい鋭かったんだけど。
如何せん、その後がダメだ。侵入者がいるというのに殺気がまるで感じられない。まぁ、多少の警戒心ぐらいはあるようだったんだけどね。
もし、あたしがイスキアの刺客か何かだったらとっくにあの世行きだわ。
あたしが名乗った時も、人の顔を見て何かを思い出したかのように、ニヤニヤ笑っていた。
漏れてきた言葉はよく聞こえなかったが、モン……?とか何とか呟いていたみたいだし。
全く、失礼なやつ。
そんな緊張感のないところが、特にユッカ大公を思い起こさせた。
人の良い、苦労知らずのお坊っちゃん。
人の男の趣味をどうこう言うつもりはないが、アレのどこが良いんだか。
リツコがよく、舞い上がってポワポワしていたが、全くあたしは理解ができない。
まぁ顔の良し悪しよりも、あたしの好みの基準は強いかどうか、だからなぁ。
そういった意味ではあの金銀公子達は最強だった。うん。
このリツコの息子、奏大はそういった意味では全くあたしの守備範囲外だ。
さっきもあたしみたいな侵入者に対して、 警……?何とか?を呼ぶと言っていた。警備兵がこの狭苦しい箱のような建物の何処にいるのか知らないが、自分で戦うという選択肢はないのだろう。
「失礼なやつだな、カナタ」
ちょっと睨んでやったらビビっていたし。
その後、母親のリツコの名前を出したら態度がコロッと変わったのも面白かった。
成人近いようにみえるが、母離れしていないのだろうか?
リツコがネットカフェで喜んで見ていた掲示板の記事にあったような気がする。
なんだっけ。
あぁ。マザーコンプレックスとかいうヤツの特集を思い出した。母が大好きな息子が母の前だと甘えて、オムツをしたりミルクを飲むとかだったかな?
……こんなにデカい図体で乳離れしていないなんて、不幸なヤツ。
奏大を見つめながらそんなことを思っていたら、何だか背中がゾワゾワした。
「……へっ、くちゅんっ!!」
寝間着代わりのシャツワンピース一枚のせいか気がついたら、あたしの身体はすっかり冷えきっていた。
常夏のユッカの気候よりもここは少し寒かった。
見たことのない、足元の固い石のようなザラザラした感触の灰色の素材の床はシンシンと冷えを誘う。
そう。しかもあたしは裸足のままだった。
「とりあえず、中へ。お茶ぐらいは出すよ」
奏大に室内に誘われた時は嬉しかった。
もちろん寒かったこともあったが、室内からは見たことのない不思議な光が漏れていてなんだか、それが妙に気になった。
この部屋の外でも見たこともない異質な物に囲まれていたが、リツコの息子、という存在が不思議なぐらいあたしに安心感を与えていた。
ブラッディ・ムーンに母さんに導かれたこと、リツコと不思議な空間で触れあったことなど、全くあたしには現実感がなく、これは夢だと思っていたこともあったかも知れない。
「やった!寒かったんだ。助かる!」
あたしは何だか新しいおもちゃ箱を開けるような気分で足どり軽く、奏大の後について室内に入ったのだった。
それがあたしが奏大に初めて逢った時の第一印象。
ユッカ大公と同じような長い手足のせいか、へにゃへにゃ笑って、ちょっと組み付けば簡単に息の根を止めちゃえそうな弱っちそうなところのせいか……。
うまく言えないが、何となく我が国のあのヘラヘラいつものんきそうな大公殿にそっくりな雰囲気だった。
「誰だ?」
と最初に誰何された時はあたしも流石にピリッとするぐらい鋭かったんだけど。
如何せん、その後がダメだ。侵入者がいるというのに殺気がまるで感じられない。まぁ、多少の警戒心ぐらいはあるようだったんだけどね。
もし、あたしがイスキアの刺客か何かだったらとっくにあの世行きだわ。
あたしが名乗った時も、人の顔を見て何かを思い出したかのように、ニヤニヤ笑っていた。
漏れてきた言葉はよく聞こえなかったが、モン……?とか何とか呟いていたみたいだし。
全く、失礼なやつ。
そんな緊張感のないところが、特にユッカ大公を思い起こさせた。
人の良い、苦労知らずのお坊っちゃん。
人の男の趣味をどうこう言うつもりはないが、アレのどこが良いんだか。
リツコがよく、舞い上がってポワポワしていたが、全くあたしは理解ができない。
まぁ顔の良し悪しよりも、あたしの好みの基準は強いかどうか、だからなぁ。
そういった意味ではあの金銀公子達は最強だった。うん。
このリツコの息子、奏大はそういった意味では全くあたしの守備範囲外だ。
さっきもあたしみたいな侵入者に対して、 警……?何とか?を呼ぶと言っていた。警備兵がこの狭苦しい箱のような建物の何処にいるのか知らないが、自分で戦うという選択肢はないのだろう。
「失礼なやつだな、カナタ」
ちょっと睨んでやったらビビっていたし。
その後、母親のリツコの名前を出したら態度がコロッと変わったのも面白かった。
成人近いようにみえるが、母離れしていないのだろうか?
リツコがネットカフェで喜んで見ていた掲示板の記事にあったような気がする。
なんだっけ。
あぁ。マザーコンプレックスとかいうヤツの特集を思い出した。母が大好きな息子が母の前だと甘えて、オムツをしたりミルクを飲むとかだったかな?
……こんなにデカい図体で乳離れしていないなんて、不幸なヤツ。
奏大を見つめながらそんなことを思っていたら、何だか背中がゾワゾワした。
「……へっ、くちゅんっ!!」
寝間着代わりのシャツワンピース一枚のせいか気がついたら、あたしの身体はすっかり冷えきっていた。
常夏のユッカの気候よりもここは少し寒かった。
見たことのない、足元の固い石のようなザラザラした感触の灰色の素材の床はシンシンと冷えを誘う。
そう。しかもあたしは裸足のままだった。
「とりあえず、中へ。お茶ぐらいは出すよ」
奏大に室内に誘われた時は嬉しかった。
もちろん寒かったこともあったが、室内からは見たことのない不思議な光が漏れていてなんだか、それが妙に気になった。
この部屋の外でも見たこともない異質な物に囲まれていたが、リツコの息子、という存在が不思議なぐらいあたしに安心感を与えていた。
ブラッディ・ムーンに母さんに導かれたこと、リツコと不思議な空間で触れあったことなど、全くあたしには現実感がなく、これは夢だと思っていたこともあったかも知れない。
「やった!寒かったんだ。助かる!」
あたしは何だか新しいおもちゃ箱を開けるような気分で足どり軽く、奏大の後について室内に入ったのだった。
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※10/1から連載し、10/7に完結します。
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※1ページの文字数は少な目です。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
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