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2週間、約1ヶ月、と間をあけてミラを装って男子生徒たちを呼び出す手紙は続いた。
それは靴箱に入っていたり、机の中に入っていたり、いつの間にかカバンに入っていたという報告もあった。
呼び出す場所も温室だったり、あまり人気のない庭園だったり様々だ。

張り込んで犯人を特定するのは難しく、そこは犯人も多少は考えたようだ。

今ではそんな手紙が来た男子生徒も呼び出しに応じる者もいなくなったし、名を勝手に使われるミラに同情する男子生徒は多い。

反対に女子生徒の一部の者からミラは妬みや嫉妬が含まれる目を向けられるようになった。

呼び出した男子生徒は所謂、優良物件と言われる男たちだったからだ。
顔良し、性格良し、成績も優秀。
中には高位貴族も含まれている。
その彼らが今回のことでミラを悪く言う奴が1人もいなかったのもあると思う。




「ミラ気にするな」

「そうだよミラちゃん。ミラちゃんが可愛い可愛い美少女だから女の子たちも妬んでいるんだよ」

「セナさん、私はね他の人にどう思われようと気にならないの。デュークとセナさんは私を信じてくれるでしょう?
でも犯人の目的が分からなくて・・・2人がいなかったら今ごろ私は孤立していたと思うの」

!!
そうだった!
前回はミラに冤罪をきせてに仕立てたってマリアが言っていた。
そうだよ!その時もミラはひとりぼっちだった。

やはり予想通り今回もマリアの仕業だと確信が持てた。
どうやってもマリアはミラをに仕立てたいんだな。
だが残念だな。今回はミラには俺とセナがついている。こっそりローガンもな。
二度とミラが孤独になる事はない。

一部の女子生徒は妬みや嫉妬からミラのことを『男好き』『自作自演』『娼婦』だとか言っているそうだ。
今のところ俺たちが目を光らせているからミラに直接何か言ってくる者はいないが、あの女にとって少しミラの評判が下がったくらいでは満足しないはずだ。

次は何を仕掛けてくる?
目的はミラを悪役令嬢に仕立てることだけか?
そして居場所を無くさせる?
前回は命まで奪おうとしていた。

もう面倒だな・・・。
向こうの出方を待つのをやめて、こっちから仕掛けるか?

帰ったら相談してみるか。




「そうだな。あと数ヶ月でミラが亡くなった日が来る。その日まで待つ必要もないか」

「ええ、それにセナから聞く限り今回のマリアはデュークを狙っているんじゃないかしら?」

「はあ?冗談はやめてくれよ。あんな薄気味悪い女」

「前回デュークは留学していたから学院に通っていなかったでしょう?」

「・・・ああ」

「デュークを見て貴方が欲しくなったんじゃないかしら?わたくしにソックリなデュークは見た目だけなら超美形だもの」

「自分で超美形って言うなよ」

「いや、あながち間違ってないんじゃないか?エルザを使ってお前たちに近付こうとしたようだしな。ローガンとセナはどう思う?」

「自分からみて、マリアはエルザに能力を使っていたのは間違いないでしょう。ただ弱い力だけにエルザはセナに脅されて恐怖の方が勝ったのでしょう。マリアの指示を拒否しています。余程母親のことをバラされたくないのでしょう」

「あの子本気でオズワルド殿下の婚約者になれると思っているようなんだよね。こっちがバラさなくても子爵令嬢が王家に嫁げる訳ないのに馬鹿だよね~。
それと、マリアは間違いなくデューク君を狙っているよ。欲しいモノを手に入れるためなら人殺しも厭わない人種だよ」

「じゃあ、今回はデュークを手に入れるために邪魔なミラを排除しにくるか・・・」

「ま、それは私たちが付いているから大丈夫ですけれど、油断させる為にデューク君には一肌脱いでもらおうかな?」

セナ面白がっていないか?
それに、父上と母上もノリノリで罠に嵌める作戦を立てている。

はぁ~勘弁してくれよ・・・
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