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「あれ?コレなんだろう?」

登校してすぐ、ミラの机の中から送り主の不明の手紙が出てきた。

普通に考えたらラブレターだと想像するだろうが、ミラには俺という婚約者がいることは学院の生徒たちなら大抵は知っているはずだ。

「ミラ、とりあえず開けてみたら?ラブレターなら即燃やすがな」

「え~妄想執着変態男に嫉妬も付けよっかな~」

「嫉妬して何が悪いんだ?俺はミラを誰よりも愛しているし、ミラを幸せにするのも俺だ。それに他の誰に渡したくない。出来るなら邸から一歩も出さずに俺たちティタニア公爵家の者でミラを大切に慈しみ少しの危険からも守りたいと思っている」

「え~それじゃあミラちゃん外に出られないじゃん!ミラちゃん、こんな男でいいの?」

「うん!だって大好きな人達に囲まれて生きていけるなんて、こんな贅沢ないわ。それに私だってティタニア公爵家の皆んなには幸せになって欲しいもの。それに・・・いつか生まれる私とデュークの子供も見せてあげたいの」

照れてハニカミながらのミラが可愛すぎる!
それにオレたち二人の子供って・・・結婚したからって勝手には子供は出来ないんだぞ?子供を作る行為が必須なんだが・・・そこまで考えての言葉なのか?

まあ、そこはお互い初心者だし二人で経験を積むっていうのも・・・いいな!

「デュークその時は優しくしてね?」

「も、、も、、、、もち、、もちろんだ!!」

知ってる!ミラは意味が分かっていて俺との子を望んでいるんだ!
うわー!俺あと二年も我慢できるかな?

ついこの間はあと三年だと思っていたから、意外と二年なんてあっという間に過ぎるとか?
てか、今晩寝て起きたら卒業式だったりしないかな?
朝起きたら俺の腕の中でミラが可愛らしい寝息をたてていて・・・目を覚ますと俺と目が合って照れた顔で『おはよう』って・・・俺はキスで挨拶を返すんだ・・・最高じゃないか!

「・・・ねえ、二人とも朝からエッチな想像するような会話やめてくれないかな~それと!デューク君は妄想をやめなさい!」

「何を言っているんだ?俺のは妄想ではなく未来の予行演習を想像しているだけだ」

「デューク君、本当に気持ち悪いよ。それより早く手紙開けてみて」

「うん。『放課後一人で講堂の裏に来て下さい』これだけ?」

「分かった!俺が一人で行く。セラ、ミラのことは頼んだ」

「了解~」

「え?行くの?差出人も分からないのに?」

「当然だろ?誰の婚約者を呼び出したか優しく説教してくる」

「でも、一人で行くなんて心配だわ」

「大丈夫、大丈夫!ミラちゃんは私とカフェに行ってお茶をしながらデューク君を待ちましょう?」

一応手紙を預かって中身を確認したが、ミラが読んだ通りの内容だった。
が、どう見ても女の字だよな?
この手紙自体が俺を呼び出すための物じゃないのか?
まあ、行ってみれば分かることだ。
一応、ローガンにも陰で待機してもらうか。







はぁ~嵌められたな。
講堂の裏には6人の男子生徒が待っていた。
それぞれ同じ封筒を持ってだ。

話を聞いてみると、朝登校すると机の中に手紙が入っていたと・・・封筒にはミラの名前が記入されており『貴方だけに相談したいことがあります。放課後、講堂の裏に来ていただけませんか?』と書かれた手紙を見せてくれた。
全員が同じ内容だった。

俺はソイツらにミラの机の中に差出人不明の手紙が入っていた事を説明した上で手紙を見せた。

勘のいいやつは文字を見比べて気付いたようだ。

「これはミラ嬢に対する嫌がらせでしようか?」

「僕たちを手玉に取ると評判を落としたいとか?」

「実際、ここにミラ嬢が一人で来ていたらそう見えなくはないですよね」

「だが来たのはデューク殿だ。・・・言い難いがだと見るヤツもいるかもしれない」

「僕たちは犯人に利用されたのですね」

「はぁ~でも残念。正直に言うとミラ嬢と話しが出来ると期待していたんです」

「そうだよ、いつもデューク殿とセナ嬢が目を光らせているから近付くことも出来ないんですよ」

「あの儚くて女神のように美しいミラ嬢を近くで拝めると思ったのにさ」

「悪いな。ミラは俺のものだ。・・・今回の事で分かったと思うが、ミラを陥れたい女がいるようだ。何か気付いた事や情報があれば報告してくれたら有り難い」


彼らは協力を約束してくれてその場は解散した。
気のいいヤツらで助かった。
変な言いがかりをつけてきたら面倒な事になっていたかもしれないからな。

だが、コレで終わりではなかった。
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