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「あ!エルザちゃん!私たち今からカフェに行くんだけど一緒に行かない?」
「え?」
前にセナに脅されてからミラに『お義姉様』と声も掛けてくることがなくなったエルザが驚くのは無理もない。
「お茶、するよね?」
最早それは脅しだぞ?
エルザは顔色を悪くしている。
「いいじゃない!せっかくのお誘いなんだから一緒に行きましょう?」
横から口を挟んできたのはマリアだ。
うっわ、一瞬で目がギラギラしたぞ・・・
「アンタ誰?私が誘ったのはエルザちゃんだけだよ?何で知らない人まで一緒にお茶をしないといけないの?」
言葉はキツいが小さなセナがコテンと首を傾げながら言うと何故だか素直な疑問を問いかけただけのように聞こえる。
「あ!申し訳ございません。わたくしはマリア・フィガロと申します。エルザさんとは仲良くさせて頂いております。是非わたくしも御一緒させて頂けませんか?」
「ん~でも、今回は遠慮してもらえるかな?」
断られるとは思っていなかったのか、今にも舌打ちしそうな顔でセナを睨んだあと、俺に縋るような目を向けてきた。
「あ、あのダメで「デューク、どうする?」」
マリアの言葉を遮ってミラが俺の制服の袖口を握って話を振ってきた。
このミラの自然な甘え方が可愛いんだよな。
おいおい、今度はミラを睨んで忙しいな。
「俺はどちらでもいいが、セナもこう言っているしフィガロ嬢は今度でいいんじゃないか?」
「そんな!」
「じゃあ、まったね~」
セナはそれだけ言ってエルザの手を引いてカフェに向かった。
その後ろ姿を恨めしそうに見ていたが、まだ諦めていないようだ。
「あの・・・」
「次があるかはセナの気分次第だ。じゃあな、ミラ行こうか」
俺はミラと手を繋いでセナたちの後を追うことにした。
「つ、次は必ず誘って下さいね!」
必死だな。
「やっぱりだわ!彼女はデュークが好きなのよ!間違いない!」
「そうだとしても、だ、俺にはミラだけだよ」
「デューク、浮気しないでね?」
「俺はミラ以外の女に興味も無いから安心して」
「うん!・・・デューク大好きよ」
本当に本当に俺のミラが可愛い。
これでマリアは次は誘ってもらえると思っているだろう。
ミラには今回の手紙の悪戯の犯人はおそらくマリアだとは伝えている。
何が感じるものがあったのか、普段温厚なミラですら怒っていた。
当然だろう、あれ以来一部の女子から陰口を言われている事にミラも気付いているのだから。
考えたくもないが、もし本当にマリアが俺に気があったら、アイツにとって邪魔なミラを排除しにくるだろう。
さあ、どんな手を使ってくる?
俺に色目を使ってくるか?
それとも、か弱い女を演じるか?
いや間違いなく能力を使ってくるだろう。
俺に効かないとも知らずにな。
俺たちがカフェに着いた時にはエルザの顔は真っ青だった。
一体セナは何をしたんだ?
「エルザさん顔色が悪いわ調子が悪かったの?」
「違うよ~エルザちゃんってオズワルド殿下の婚約者になりたいって言うからさ~現実を教えてあげてたの~」
「現実を?」
「そうだよ~犯罪者の娘じゃなくても子爵令嬢じゃあ、王子妃にはなれないってね。一夫一婦制の我が国では妾も認めていないってね」
「エルザさん、知らなかったの?」
「今どき5歳の子供でも知っているだろ?」
「あ!エルザちゃん孤児院にいたから貴族の常識なんて教えてもらう必要がなかったんだね。でも今日で一つ賢くなれて良かったね」
セナって言葉の端々でエルザを馬鹿にしているよな。
「・・・あ、ありがとうございます」
「じゃあ、これも知らないよね?デューク君とミラちゃんはオズワルド殿下の従兄妹なんだよ~2人は国王陛下の甥と姪なんだよ」
「は?お義姉・・・ミラ様が?」
「そ!ミラのお母様は王女様だったし、デューク君のお父様は元王子様だよ」
やっぱりエルザは知らなかったのか・・・
「だからね・・・ミラちゃんを嵌めようだとか、罪をなすりつけようとしたら・・・首が飛ぶよ?」
すっげぇ楽しそうに話して、セナってドSだな。
「また一つ賢くなれたね」
「い、今まで・・・ご、ごめんなさい。もう、バカな事は言いません。許して下さい」
「もういいかな?」
過去を含めて許せるなんて心が広いな俺のミラは。
「ありがとうございます。ありがとうございます」
何度も頭を下げるエルザは孤児院に入所していたからか前回よりマシな性格のようだな。
育つ環境って大事なんだよ・・・
「そうそう、今さら外でこの事を話したら無知だと馬鹿にされるかもしれないから言わない方がいいよ~」
「わ、分かりました。」
あとはセナに任せて、俺とミラは帰ることにした。
「え?」
前にセナに脅されてからミラに『お義姉様』と声も掛けてくることがなくなったエルザが驚くのは無理もない。
「お茶、するよね?」
最早それは脅しだぞ?
エルザは顔色を悪くしている。
「いいじゃない!せっかくのお誘いなんだから一緒に行きましょう?」
横から口を挟んできたのはマリアだ。
うっわ、一瞬で目がギラギラしたぞ・・・
「アンタ誰?私が誘ったのはエルザちゃんだけだよ?何で知らない人まで一緒にお茶をしないといけないの?」
言葉はキツいが小さなセナがコテンと首を傾げながら言うと何故だか素直な疑問を問いかけただけのように聞こえる。
「あ!申し訳ございません。わたくしはマリア・フィガロと申します。エルザさんとは仲良くさせて頂いております。是非わたくしも御一緒させて頂けませんか?」
「ん~でも、今回は遠慮してもらえるかな?」
断られるとは思っていなかったのか、今にも舌打ちしそうな顔でセナを睨んだあと、俺に縋るような目を向けてきた。
「あ、あのダメで「デューク、どうする?」」
マリアの言葉を遮ってミラが俺の制服の袖口を握って話を振ってきた。
このミラの自然な甘え方が可愛いんだよな。
おいおい、今度はミラを睨んで忙しいな。
「俺はどちらでもいいが、セナもこう言っているしフィガロ嬢は今度でいいんじゃないか?」
「そんな!」
「じゃあ、まったね~」
セナはそれだけ言ってエルザの手を引いてカフェに向かった。
その後ろ姿を恨めしそうに見ていたが、まだ諦めていないようだ。
「あの・・・」
「次があるかはセナの気分次第だ。じゃあな、ミラ行こうか」
俺はミラと手を繋いでセナたちの後を追うことにした。
「つ、次は必ず誘って下さいね!」
必死だな。
「やっぱりだわ!彼女はデュークが好きなのよ!間違いない!」
「そうだとしても、だ、俺にはミラだけだよ」
「デューク、浮気しないでね?」
「俺はミラ以外の女に興味も無いから安心して」
「うん!・・・デューク大好きよ」
本当に本当に俺のミラが可愛い。
これでマリアは次は誘ってもらえると思っているだろう。
ミラには今回の手紙の悪戯の犯人はおそらくマリアだとは伝えている。
何が感じるものがあったのか、普段温厚なミラですら怒っていた。
当然だろう、あれ以来一部の女子から陰口を言われている事にミラも気付いているのだから。
考えたくもないが、もし本当にマリアが俺に気があったら、アイツにとって邪魔なミラを排除しにくるだろう。
さあ、どんな手を使ってくる?
俺に色目を使ってくるか?
それとも、か弱い女を演じるか?
いや間違いなく能力を使ってくるだろう。
俺に効かないとも知らずにな。
俺たちがカフェに着いた時にはエルザの顔は真っ青だった。
一体セナは何をしたんだ?
「エルザさん顔色が悪いわ調子が悪かったの?」
「違うよ~エルザちゃんってオズワルド殿下の婚約者になりたいって言うからさ~現実を教えてあげてたの~」
「現実を?」
「そうだよ~犯罪者の娘じゃなくても子爵令嬢じゃあ、王子妃にはなれないってね。一夫一婦制の我が国では妾も認めていないってね」
「エルザさん、知らなかったの?」
「今どき5歳の子供でも知っているだろ?」
「あ!エルザちゃん孤児院にいたから貴族の常識なんて教えてもらう必要がなかったんだね。でも今日で一つ賢くなれて良かったね」
セナって言葉の端々でエルザを馬鹿にしているよな。
「・・・あ、ありがとうございます」
「じゃあ、これも知らないよね?デューク君とミラちゃんはオズワルド殿下の従兄妹なんだよ~2人は国王陛下の甥と姪なんだよ」
「は?お義姉・・・ミラ様が?」
「そ!ミラのお母様は王女様だったし、デューク君のお父様は元王子様だよ」
やっぱりエルザは知らなかったのか・・・
「だからね・・・ミラちゃんを嵌めようだとか、罪をなすりつけようとしたら・・・首が飛ぶよ?」
すっげぇ楽しそうに話して、セナってドSだな。
「また一つ賢くなれたね」
「い、今まで・・・ご、ごめんなさい。もう、バカな事は言いません。許して下さい」
「もういいかな?」
過去を含めて許せるなんて心が広いな俺のミラは。
「ありがとうございます。ありがとうございます」
何度も頭を下げるエルザは孤児院に入所していたからか前回よりマシな性格のようだな。
育つ環境って大事なんだよ・・・
「そうそう、今さら外でこの事を話したら無知だと馬鹿にされるかもしれないから言わない方がいいよ~」
「わ、分かりました。」
あとはセナに任せて、俺とミラは帰ることにした。
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