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「あのマリアさんって、悪くは言いたくないけれど、不気味と言うかちょっと怖い・・・どうしてだか彼女を見ると寒くもないのに手が震えるの」
・・・ミラには前回の記憶は無いはずだがアイツに嵌められて辛い思いをしていた事を身体が覚えているのか?
「大丈夫だ。ミラには俺もセナも付いている。本当なら抱きしめて温めてやりたいのに・・・」
「私たちは婚約者よ。デュークなら・・・ううん、私がいつも抱きしめられたいと思うのはデュークだけよ?」
!!
ミラーーーーーー!!
可愛すぎるだろ!
俺を見上げるミラの純粋な目が眩しい。
い、いいよな?
ミラが俺に抱きしめられたいと言ってるんだから。
・・・何年ぶりだ?
ああ、ミラが俺のことを"大好き"だと、"お嫁さん"になりたいと言った時以来だ。
力加減は気をつけるよ。優しく、優しく・・・
よし!
「はい、ストーーーップ!」
あ、あと少しでミラに手が届くところで!
ミラの許可が降りたのをセナも聞いていただろが!何で邪魔をした!
「ミラちゃん、早く教室に戻ろう?」
「え?でも、デュークが・・・」
「いいの、いいの、『妄想執着変態男』のことなんて」
膝から崩れ落ちた俺にセナの容赦のない言葉が・・・。
それに"妄想"が増えている。
「デューク?そんな所でしゃがむと笑われるよ?さあ立って」
手を差し伸べてくれるミラ。
今は手を繋げるだけでも有り難いと思うようにしよう。
「早く立って、あの子の顔を見てみなさい」
セナの言葉に反射的にミラと一緒に振り返ると・・・ミラのビクッと震えが伝わってきた。
醜く歪んだ顔でミラを睨んでいる。
その顔に気付いた生徒達も一歩引いて見ているようだ。
「あの子危ないわね。相当歪んでいるわ。エルザにミラちゃんを『お義姉様』呼びさせているのはあの子みたいだし、エルザを使ってデューク君とお近づきになるのが目的のようね。ミラちゃんは当然だけど、デューク君も絶対に関わらない方がいいわ」
「ああ、分かっている。セナはミラから目を離すなよ」
マリアのあの顔を見た者なら、誰だってそう思うさ。
前回もマリアがエルザを使ってミラを陥れていた。
オズワルドが国外追放を言い渡したあとも、マリアはミラを男たちを雇ってまで襲わせようとした。
『悪役令嬢は物語には必要だったのよ!だからミラをその役に仕立てただけよ!ミラは悪役令嬢の条件にピッタリだった!』
前回マリアを尋問(拷問)した時に、そんな事を言っていたな。
あの時は悪役令嬢の意味が分からなかったが・・・オズワルドの婚約者だったミラを悪者に仕立てて、ミラがエルザを陰で虐げているとオズワルドに涙ながらに訴えていたら?
ああ~~!
何度考えても、エルザはそれでオズワルドの婚約者の地位に収まったとしても、マリアのメリットが分からない。
今回こそはアイツの思惑通りにはさせない。
~マリア・フィガロ伯爵令嬢視点~
エルザって使えない!
ミラを『お義姉様』って呼ばせても相手にもされないなんて!
オズワルド殿下にエルザをあてがって、私も側にいれば従兄弟のデューク様とお近づきになれるかと思っていた。
まさか挨拶する程度の浅い関係でしかないとは思わなかった。
このままでは近付く事も出来ず、私の魅力をデューク様に知ってもらう事も出来ない。
きっかけさえあれば・・・
そして今日も失敗に終わるかと期待せずに少し離れたところから指示を出したエルザを見ていたら・・・あのチビ(セナ)と親しげに話していた。
チャンス!
今日に限って距離を取っていたから出遅れた。
急いで私も話しに加わろうとしたけれど・・・
『じゃあエルザちゃん、今度ゆっくり話そうね』
チビは私を見ることもなく話しを終わらせようとしていたから少しでもデューク様に私の存在を知らせようとしたのに・・・
『まあ!エルザさんはセナさんとお友達になりましたの?では是非私とも仲良くして下さいませ。ね?デューク様』
『勝手に俺の名を呼ぶな。俺の名は親しい者にしか許していない。二度と俺たちに話し掛けるな』
今はまだ婚約者のミラの前だからか、キツい言葉を返された・・・
きっと驚いたのね?
だって私はこんなにも可愛らしいもの!
照れて怒り口調になるなんて意外とウブなのね。
このまま会話を続けようとしたら、ミラがデューク様の手を引いて去って行くなんて!
ムカつく!
やっぱりミラは邪魔だわ。
この世界にはいらないわね。
排除する方法ならゲームで蓄えた知識がある。
必ずミラを陥れて、デューク様を私のモノに・・・
・・・ミラには前回の記憶は無いはずだがアイツに嵌められて辛い思いをしていた事を身体が覚えているのか?
「大丈夫だ。ミラには俺もセナも付いている。本当なら抱きしめて温めてやりたいのに・・・」
「私たちは婚約者よ。デュークなら・・・ううん、私がいつも抱きしめられたいと思うのはデュークだけよ?」
!!
ミラーーーーーー!!
可愛すぎるだろ!
俺を見上げるミラの純粋な目が眩しい。
い、いいよな?
ミラが俺に抱きしめられたいと言ってるんだから。
・・・何年ぶりだ?
ああ、ミラが俺のことを"大好き"だと、"お嫁さん"になりたいと言った時以来だ。
力加減は気をつけるよ。優しく、優しく・・・
よし!
「はい、ストーーーップ!」
あ、あと少しでミラに手が届くところで!
ミラの許可が降りたのをセナも聞いていただろが!何で邪魔をした!
「ミラちゃん、早く教室に戻ろう?」
「え?でも、デュークが・・・」
「いいの、いいの、『妄想執着変態男』のことなんて」
膝から崩れ落ちた俺にセナの容赦のない言葉が・・・。
それに"妄想"が増えている。
「デューク?そんな所でしゃがむと笑われるよ?さあ立って」
手を差し伸べてくれるミラ。
今は手を繋げるだけでも有り難いと思うようにしよう。
「早く立って、あの子の顔を見てみなさい」
セナの言葉に反射的にミラと一緒に振り返ると・・・ミラのビクッと震えが伝わってきた。
醜く歪んだ顔でミラを睨んでいる。
その顔に気付いた生徒達も一歩引いて見ているようだ。
「あの子危ないわね。相当歪んでいるわ。エルザにミラちゃんを『お義姉様』呼びさせているのはあの子みたいだし、エルザを使ってデューク君とお近づきになるのが目的のようね。ミラちゃんは当然だけど、デューク君も絶対に関わらない方がいいわ」
「ああ、分かっている。セナはミラから目を離すなよ」
マリアのあの顔を見た者なら、誰だってそう思うさ。
前回もマリアがエルザを使ってミラを陥れていた。
オズワルドが国外追放を言い渡したあとも、マリアはミラを男たちを雇ってまで襲わせようとした。
『悪役令嬢は物語には必要だったのよ!だからミラをその役に仕立てただけよ!ミラは悪役令嬢の条件にピッタリだった!』
前回マリアを尋問(拷問)した時に、そんな事を言っていたな。
あの時は悪役令嬢の意味が分からなかったが・・・オズワルドの婚約者だったミラを悪者に仕立てて、ミラがエルザを陰で虐げているとオズワルドに涙ながらに訴えていたら?
ああ~~!
何度考えても、エルザはそれでオズワルドの婚約者の地位に収まったとしても、マリアのメリットが分からない。
今回こそはアイツの思惑通りにはさせない。
~マリア・フィガロ伯爵令嬢視点~
エルザって使えない!
ミラを『お義姉様』って呼ばせても相手にもされないなんて!
オズワルド殿下にエルザをあてがって、私も側にいれば従兄弟のデューク様とお近づきになれるかと思っていた。
まさか挨拶する程度の浅い関係でしかないとは思わなかった。
このままでは近付く事も出来ず、私の魅力をデューク様に知ってもらう事も出来ない。
きっかけさえあれば・・・
そして今日も失敗に終わるかと期待せずに少し離れたところから指示を出したエルザを見ていたら・・・あのチビ(セナ)と親しげに話していた。
チャンス!
今日に限って距離を取っていたから出遅れた。
急いで私も話しに加わろうとしたけれど・・・
『じゃあエルザちゃん、今度ゆっくり話そうね』
チビは私を見ることもなく話しを終わらせようとしていたから少しでもデューク様に私の存在を知らせようとしたのに・・・
『まあ!エルザさんはセナさんとお友達になりましたの?では是非私とも仲良くして下さいませ。ね?デューク様』
『勝手に俺の名を呼ぶな。俺の名は親しい者にしか許していない。二度と俺たちに話し掛けるな』
今はまだ婚約者のミラの前だからか、キツい言葉を返された・・・
きっと驚いたのね?
だって私はこんなにも可愛らしいもの!
照れて怒り口調になるなんて意外とウブなのね。
このまま会話を続けようとしたら、ミラがデューク様の手を引いて去って行くなんて!
ムカつく!
やっぱりミラは邪魔だわ。
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