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「あの子には驚いたわ~。いきなりミラちゃんに『お義姉様~』って、抱きつきに来たかと思ったら、拒否されるなり悲劇のヒロインに方向転換するあざとさ!どこで覚えてきたのかしら」
あざとさならセラ、お前も負けていないと思うぞ。
「顔はぼんやりとしか覚えていなかったけれど、確かにあんな感じの子だったわね。義母に暴力振るわれている私を義母の後ろからほくそ笑んで見ていたのを覚えているわ」
もうその頃には性悪だったんだな。
「ミラちゃん、辛かったね~。もう大丈夫だからね。ミラちゃんには指一本触れさせないから」
言っていることは、その通りなんだが・・・
ミラに抱きついて自慢げに俺を見るのがムカつくな。
あの様子を見る限り、前回を聞かされているオズワルドなら暫くはエルザを近くに置いて、"マリア"の動きを逐一陛下に報告するだろう。
「うふふ、もうオズワルド様ったら・・・」
オズワルドも毎日エルザに付きまとわれて、お疲れの様だな。
でもさすが王族だ。
疲れなどおくびにも出さず微笑みを崩さないなんてな。
まあ、その微笑みも貼り付けたように動いていないが・・・
取り敢えずエルザを隣りには置いてはいるが、オズワルドの方は適切な距離を取っている。
そのエルザの後ろには、最近はマリアが付くようになった。
そのマリアがエルザの耳元で何やら囁いたかと思えば・・・、エルザがさり気なく躓く振りを装ってオズワルドに触れるっと・・・ その時に腕に胸を押し付ける・・・コレがマリアの能力を使用したものなのか?
・・・俺にはエルザが喜んで胸を押し付けているように見えるが・・・またそれか。
馬鹿の一つ覚えか他には技はないのか?
やはりエルザも、それを指示するマリアも馬鹿だな。
この国の王子だぞ?
今までに何人の令嬢が同じ手をオズワルドに使ってきているとか想像がつかないか?
前回、俺が留学している時もそんな令嬢がわんさかいた。
目の前で転ぶ。よろける。躓く。酷い時は後ろから体当たりもされた。
お前たちのお近づきアピールは、古い手だと何故気付かない?
周りを見ろよ、皆んなシラケた顔をしているだろ?
だが・・・一部の男子生徒にはエルザの天真爛漫で無邪気な姿は魅力的に見えるのか、オズワルドのいない所では男にチヤホヤされて猫なで声で甘えているそうだ。
今でも夢に見るんだ・・・ミラが血を流し、俺の腕の中で冷たくなっていった夢を・・・。
前回のミラにオズワルドが勝手に国外追放を言い渡し、お前は雇った男たちにミラを乱暴し殺害を依頼していたよな?
今回はミラには俺たちがついている。
前回と同じ手が通用すると思うなよ?
「あ!お義姉様!」
まるで今気付いたかの様にエルザがミラに声を掛けてくる。
チラリとミラを見ればエルザ達を視界にも入れていない。
まさに、我関せず。
それでいい。
ミラは優しい子だから、一時とはいえ義妹となったエルザを気にかけるかと心配していたのが杞憂に終わった。
エルザのその後ろでマリアがねっとりとした目で俺を見てくるのだが・・・多分あれは色目を使っているつもりなんだろう・・・。
はっきり言って気持ち悪い。
何とか俺たちと接点を持ちたいと目が訴えているのが隠しきれていないぞ。
「お、お義姉様・・・またわたくしを無視するのですか?」
またって、お前はただの同級生で、赤の他人だろ?
いつまで姉妹ぶっているんだよ!
オズワルドに義姉に虐げられていると訴えたい様だが無駄だぞ?
ほら見ろ、オズワルドだけではなく周りも一部の男子生徒を除いて冷たい目を向けている。
「執拗いな~貴女はミラちゃんとは赤の他人!
ねえ?あんまり執拗いと貴女と貴女の母親がミラちゃんに何をしていたのか触れ回るよ?いいの?母親が何処に送られたかも知っているよ?貴女が犯罪者の娘だってバレてもいいの?」
うわ~
エルザにだけ聞こえるように背伸びして囁く姿は、小さい子が内緒話をしている様で微笑ましいものだが・・・内容が脅しと脅迫って、やるなセナ!
「な、なんの事かしら?」
そんな顔色で白を切っても、動揺は隠せてないぞ。
マリアには聞こえていなかったようだ。
「ふ~ん。じゃここで言ってもいいよね?」
セナが大きな声を出そうと、思いっきり息を吸い込むと慌てだしたエルザ。
「や、やめて!わかった、分かりました」
「よく覚えておきなさい。次にミラちゃんを『お義姉様』呼びしたらその場でバラすからね」
「・・・分かりましたわ」
「そもそも何でまったく関係のないミラちゃんに意地悪されているかのように振る舞うのは何で?誰かにそう言うように指示でもされているの?ミラちゃんを嵌めたいの?」
「ち、ちが・・・マリアに「エルザさん?何を話しているの?私も入れて下さらない?」
エルザにマリアが引っ付いている以上ここが限界か。
「じゃあエルザちゃん、今度ゆっくり話そうね」
「まあ!エルザさんはセナさんとお友達になりましたの?では是非私とも仲良くして下さいませ。ね?デューク様」
・・・・・・。
「勝手に俺の名を呼ぶな。俺の名は親しい者にしか許していない。二度と俺たちに話し掛けるな」
本当にマリアの目は気持ち悪いな。
上目遣いのつもりかもしれないが、獲物を狩る狩人か、腹を空かせた獣のような目だ。
ミラの手を握ってその場を去ることにした。
あざとさならセラ、お前も負けていないと思うぞ。
「顔はぼんやりとしか覚えていなかったけれど、確かにあんな感じの子だったわね。義母に暴力振るわれている私を義母の後ろからほくそ笑んで見ていたのを覚えているわ」
もうその頃には性悪だったんだな。
「ミラちゃん、辛かったね~。もう大丈夫だからね。ミラちゃんには指一本触れさせないから」
言っていることは、その通りなんだが・・・
ミラに抱きついて自慢げに俺を見るのがムカつくな。
あの様子を見る限り、前回を聞かされているオズワルドなら暫くはエルザを近くに置いて、"マリア"の動きを逐一陛下に報告するだろう。
「うふふ、もうオズワルド様ったら・・・」
オズワルドも毎日エルザに付きまとわれて、お疲れの様だな。
でもさすが王族だ。
疲れなどおくびにも出さず微笑みを崩さないなんてな。
まあ、その微笑みも貼り付けたように動いていないが・・・
取り敢えずエルザを隣りには置いてはいるが、オズワルドの方は適切な距離を取っている。
そのエルザの後ろには、最近はマリアが付くようになった。
そのマリアがエルザの耳元で何やら囁いたかと思えば・・・、エルザがさり気なく躓く振りを装ってオズワルドに触れるっと・・・ その時に腕に胸を押し付ける・・・コレがマリアの能力を使用したものなのか?
・・・俺にはエルザが喜んで胸を押し付けているように見えるが・・・またそれか。
馬鹿の一つ覚えか他には技はないのか?
やはりエルザも、それを指示するマリアも馬鹿だな。
この国の王子だぞ?
今までに何人の令嬢が同じ手をオズワルドに使ってきているとか想像がつかないか?
前回、俺が留学している時もそんな令嬢がわんさかいた。
目の前で転ぶ。よろける。躓く。酷い時は後ろから体当たりもされた。
お前たちのお近づきアピールは、古い手だと何故気付かない?
周りを見ろよ、皆んなシラケた顔をしているだろ?
だが・・・一部の男子生徒にはエルザの天真爛漫で無邪気な姿は魅力的に見えるのか、オズワルドのいない所では男にチヤホヤされて猫なで声で甘えているそうだ。
今でも夢に見るんだ・・・ミラが血を流し、俺の腕の中で冷たくなっていった夢を・・・。
前回のミラにオズワルドが勝手に国外追放を言い渡し、お前は雇った男たちにミラを乱暴し殺害を依頼していたよな?
今回はミラには俺たちがついている。
前回と同じ手が通用すると思うなよ?
「あ!お義姉様!」
まるで今気付いたかの様にエルザがミラに声を掛けてくる。
チラリとミラを見ればエルザ達を視界にも入れていない。
まさに、我関せず。
それでいい。
ミラは優しい子だから、一時とはいえ義妹となったエルザを気にかけるかと心配していたのが杞憂に終わった。
エルザのその後ろでマリアがねっとりとした目で俺を見てくるのだが・・・多分あれは色目を使っているつもりなんだろう・・・。
はっきり言って気持ち悪い。
何とか俺たちと接点を持ちたいと目が訴えているのが隠しきれていないぞ。
「お、お義姉様・・・またわたくしを無視するのですか?」
またって、お前はただの同級生で、赤の他人だろ?
いつまで姉妹ぶっているんだよ!
オズワルドに義姉に虐げられていると訴えたい様だが無駄だぞ?
ほら見ろ、オズワルドだけではなく周りも一部の男子生徒を除いて冷たい目を向けている。
「執拗いな~貴女はミラちゃんとは赤の他人!
ねえ?あんまり執拗いと貴女と貴女の母親がミラちゃんに何をしていたのか触れ回るよ?いいの?母親が何処に送られたかも知っているよ?貴女が犯罪者の娘だってバレてもいいの?」
うわ~
エルザにだけ聞こえるように背伸びして囁く姿は、小さい子が内緒話をしている様で微笑ましいものだが・・・内容が脅しと脅迫って、やるなセナ!
「な、なんの事かしら?」
そんな顔色で白を切っても、動揺は隠せてないぞ。
マリアには聞こえていなかったようだ。
「ふ~ん。じゃここで言ってもいいよね?」
セナが大きな声を出そうと、思いっきり息を吸い込むと慌てだしたエルザ。
「や、やめて!わかった、分かりました」
「よく覚えておきなさい。次にミラちゃんを『お義姉様』呼びしたらその場でバラすからね」
「・・・分かりましたわ」
「そもそも何でまったく関係のないミラちゃんに意地悪されているかのように振る舞うのは何で?誰かにそう言うように指示でもされているの?ミラちゃんを嵌めたいの?」
「ち、ちが・・・マリアに「エルザさん?何を話しているの?私も入れて下さらない?」
エルザにマリアが引っ付いている以上ここが限界か。
「じゃあエルザちゃん、今度ゆっくり話そうね」
「まあ!エルザさんはセナさんとお友達になりましたの?では是非私とも仲良くして下さいませ。ね?デューク様」
・・・・・・。
「勝手に俺の名を呼ぶな。俺の名は親しい者にしか許していない。二度と俺たちに話し掛けるな」
本当にマリアの目は気持ち悪いな。
上目遣いのつもりかもしれないが、獲物を狩る狩人か、腹を空かせた獣のような目だ。
ミラの手を握ってその場を去ることにした。
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