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⑧『姉妹の最大の問題』
しおりを挟む「ねぇね…ねぇね……」
声が聞こえる…
この声は小さい時のいちごの声…
懐かしい……
小さい頃のいちごはホントに可愛かったなぁ…
今も可愛いんだけど…
私は声のするほうへ顔をむけた。
すると、小さい頃のいちごが立っていた。
あぁ、私は夢をみてるのか…
夢の中でも可愛いなぁ♡
い「ねぇね!あそぼ!」
ゆ「うん。いいよ。なにして遊ぼっか?」
い「んーとねー、お母さんごっこ!!」
"お母さんごっこ"
懐かしい遊びだ。昔よくやった。
私たちにはお母さんが居ない。
いや、正確には居た。
私たちが異母姉妹の理由…
パパから聞いた話だけど、私がお母さんのお腹にいる間、パパが他の女性と関係を持っていた。
そしてその女性も妊娠してしまった。
その赤ちゃんがいちごだ。
いちごのお母さんは、出産してすぐに亡くなった。
パパはいちごを引き取って私たち4人で暮らしてた。
けど私のお母さんはその状況に耐えれず、
私たちが小さい頃にパパと離婚し私を置いて消えた。
だから私たちは"母親"というのを
あまりよくわかっていなかった。
だから私たちは"お母さんごっこ"をしていた。
実際、いちごは本当のお母さんの顔も名前も知らない。
ただ、姉の私とは違うお母さんから生まれた…としか知らない。
私のお母さんが蒸発してからも
パパは私たちに愛情をそそいでくれて大事に育ててくれた。
パパのしてきた事はまぁダメだけど、
いちごと出会えたからパパには感謝している。
パパにもその感謝は伝えている。
けど、問題がある。
私たち姉妹が好き同士で恋人関係だって知ったら
パパはどう思うだろう。。。
そう…私たちにはその最大の問題がある。。。
2人ともパパには感謝してるだけに悲しませたくない。
お互い口にしてないけど、
いちごもその問題は理解している。
まだ解決策が思いつかない。
けどいつかはカミングアウトしなければならない。
「ねぇね……ねぇちゃ……お姉ちゃん……」
いちごが呼んでいる。
私は目が覚めた。
目を開けると小さい頃のいちごではなく、
大きないちごが居た。
い「お姉ちゃん、大丈夫?うなされてたけど…」
いちごが心配そうに見下ろす。
ゆ「大丈夫だよ。おはよ。いちご♡」
私はいちごに手を伸ばしキスをした。
この問題は、今はまだいい。今は。
今はただ…いちごと……………。
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