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〜第2章〜
㊷『歪んだ愛』
しおりを挟むしおん、よつば、カオリはビルから脱出した。
よつ「しおんさん。みつれさんは?」
みつれの姿がみえないよつばはしおんに聞いた。
しお「・・・残っていった。」
よつ「はぁ!?なんで!?」
しお「・・・」
よつ「まさか刺し違えるつもり!?あんなビクついてたのに!?」
カオ「・・・」
しお「((どうすればいいんだ…。))」
その時、みつれから何かポケットに入れられたのを思い出した。
しおんはポケットを漁る。
すると1枚のメモ紙が入ってた。
『私の身体に超小型GPSを付けている。リンと協力して居場所を特定してくれ。』
メモ紙にはそう書かれていた。
しお「ま、まさか…こうなることを全部想定して……」
部屋に残ったみつれ。
みつれはサバイバルナイフを取り出した。
スイ「へぇ…」
スイはみつれに銃口をむける。
みつ「アンタ、なんで生きてるんだ?」
みつれは震えながらナイフを構える。
スイ「そうだねぇ…。運良く生き残った…とでも言っておこう」
スイはみつれに銃口を向けたまま椅子に座った。
スイ「私もあの時の話が聞きたい。…ポチ、お前あの時何処にいた?」
みつ「・・・アンタに言う義理はない。」
スイ「そういうなよ…。私は今でもお前を愛している。また私の元へ来てくれないか?」
スイはみつれに優しく微笑む。
みつ「わ、私はもう…アンタが知ってる私じゃない!」
みつれは姿勢を低く構える。
スイ「そうか…残念だよ。」
スイは銃を机に置いて立ち上がった。
みつれがスイに切りかかる。
しかしするりとかわされ、足をひっかけてみつれは転倒した。
スイ「じゃあなんでそんな震えている?そんなんで私を殺せると思ってんのかい?」
みつ「くっ…」
みつれはすぐさま立ち上がり、再びスイを攻撃する。
だが全てかわされ、スイはみつれが持つナイフの手を弾いた。
みつ「ぐっ!」
ナイフは手元から離れて床に落ちる。
スイ「私には勝てないよ。ポチ。」
スイは涼しい顔をしている。
みつ「う、うるさい!」
みつれの攻撃は全て交わし受け流される。
みつ「はぁ…はぁ…」
スイ「可哀想なポチ。トドロキに裏切られて、今度は仲間にも見捨てられて……可哀想なポチ。」
スイは哀れんだ目でみつれを見る。
みつ「黙れぇ!!」
みつれは素手で攻撃を続ける。
しかし交わされ、背後をとられる。
みつ「んぐっ!?」
スイはみつれの鼻と口を手で塞いだ。
スイ「大丈夫だ。お前はまた私が愛してやる。組織とは関係無く、私だけのポチだよ。」
スイはみつれに注射器を挿した。
みつ「うぐ…な、なにを……」
スイ「安心しな。また…昔に戻れるよ。ポチ。」
みつれは掠れゆく意識の中、スイの顔を見つめた。
優しい顔をしていた。
まるで飼っている子犬を見ているように。
みつれは気を失って倒れた。
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