３０代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

第一章

家は最高

　売り上げを持って家に帰る。後ろからは誰もついてきていない。

　家に帰ると、鍵をかける。鍵と言っても、木の棒を扉にかけるだけ。不用心極まりない。私がゴリマッチョなら、外から蹴ったらこの扉は意味を成さないのでは？

　心配になったので、お茶と干し芋を食べながら考える。やっぱり、鉄や石の扉が良いよね。いかにも守りますって感じで、でも肉屋も扉は似たり寄ったりだったな。大きな石を麻袋様に入れて加工する？


　ん～、難しい。板を出すのは簡単だけど、あまり重いと私の力で開け閉めできないと不自然だし。

　干し芋を咥えたまま寝ていた。

　いや、昨日安眠できなかったし、豚骨スープ作るので朝から動いていたし。誰もいないのに自分に言い訳をしてみる。

　目が覚めると、頭が少し動いてきた。もう、引き戸でいいじゃん。石の重いのにして、リールにすれば動かせるし、ばぁちゃんの家から持ってきた物に鍵付きの南京錠もあるから、それで鍵をしよう。人が来たら、鍵は隠しとけば大丈夫でしょ！

　大きな石は、小川の川上にあったと思う。小川まで歩いて行き収納。すっかり夕方になってしまった。急いで戻り、石のリールと加工された引き戸をイメージして出す。南京錠をつける輪っかもイメージ。できたけど、かなり重い。一度収納して、リール部分をツルツルイメージで出すと、大分軽くなった。

　扉が満足せるものができたので、お風呂に入りご飯。お風呂は貴重な薔薇湯にしてみた。色とりどりの薔薇の花びらがお湯に浮かぶ。結婚式場で使った花らしい。匂いもいい匂い。気分が良いので、ヘアパックをする。トゥルントゥルンの髪になった。

　ご飯は、干し芋でお腹が膨れていたのでスープだけ。ガーリックを効かせたオニオンスープを飲んで満足。

　無糖のレモンティーを飲みながらレース編み。大分数ができてきた。このまま繋げたらショールになりそう。いや、大口叩いた。ショールにはまだまだ足りない。頑張って編み編みしよう。

　編み編みしていると、色々な事を考える。考える内に気付いてしまった。ライターあるじゃん！仏壇のライター！ばあちゃんの家の荷物を入れる際にホイホイ入れるから忘れていた。火おこし大変だったのに。

　なんとなく、お線香を焚いてみる。ばあちゃんを偲んで。もしばあちゃんが異世界に行ってたらどうなったかな？私以上のびびりのばあちゃんだったから、街に行かずに家の中に過ごしていたかも。ふふふ。想像するとおかしい。日本と変わらない生活を送っていそう。