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第一章

ひゅぅぃ。

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 朝は気持ちの良い目覚め。ユーリさんの家だが、すっかり私の家認定。

 朝ご飯に、あさりご飯とワカメと豆腐の味噌汁を食べる。漬物も欲しい。大根が育ったら作ろう。ウコンはないが、塩揉みで麻袋に入れれば良い。

 畑に行くと、大葉の葉が増えていた。嬉しくて、水を撒く。苗ポットの野菜が育つのをみて確認できる。なんか、いろいろ大丈夫な気がしてきた。

 なんちゃって畑仕事が終わると、お昼を食べてレース編み。お昼はパンが食べたくなり、なんちゃってピザトーストとポトフ。

 チーズの確保が必要だ。気が進まないが、街に出て情報収集しなくては・・・。

 「やぁ、ユーリ!」

 私をユーリと呼ぶのは肉屋のお兄さん。ユーリさんの身分証できているので間違いないが、馴れ馴れしい。

 腰を触られて、ひゅぅぃ。と、変な声が出る。

 かっこいいお兄さんなんだ、でも近すぎる。腰からお尻に手がいっているし、気持ち悪い。動けない私にいろいろ言っているが、耳に入らない。肉屋のおばちゃんは、にやにやしながらこちらを見ている。

 話を聞くと、名誉市民になったお祝いをしたいと、後お近づきになりたいと。

 すみません。人種が違う。そんな、顔見知り程度でお祝いって。お祝いは、気の知れた人としたい派です。顔見知りなら、おめでとうの一言で十分です。ありがとうございます。

 あ、考えたら、人種じゃなくて住む世界も違ったか。

 と、色々考えてお断りしようと思ったが、地球にいた時に人と距離を置きすぎていた自分を反省もしているので、お祝いをしてもらうことにした。でも、まだ接触過多は受け入れられないので、お兄さんの手をパシリと叩いておく。

 手を叩かれたお兄さんは、悪びれる様子もなく笑いながら時間を決めていく。明日の昼からすると、お祝いには、豚骨スープが出るらしい。

 手を叩いても、変わらない様子にびっくりした。それでいいんだ。怒って距離を取られるかと思ったけど、自分の意思を伝えても大丈夫なんだ。



 お祝いは、肉屋の裏で行ってくれた。知り合いのいない私だけど、肉屋のおばちゃんとお兄さん。家まで付いてきた8人の内の6人が、お祝いを言ってくれた。手作りのミサンガの様な髪結紐や木に色を塗ったビーズの様なアクセサリーを頂いた。

 ただの顔見知りの様な私に。気持ちが嬉しくて胸が熱くなった。

 みんなで、豚骨スープを飲んだ。豚骨スープは、肉屋のおばちゃんからのプレゼントだ。
 正直、ニンニクや生姜が欲しかったけど、気持ちの分プライスレス。美味しかった。
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