３０代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

第一章

ハーメルンの笛吹き（笛は吹いていない）

　街で、畑拡張の申告をする。食べられる物はないかと聞かれたので、植えたばかりなので収穫が先と話すとがっかりされた。税金は、年間銀貨４枚とのこと。街に住んでいないのでこの値段。街だと3倍の税金がかかるらしい。

　てくてくてく。

　街を出て、森に帰っているが後ろから８人ほどついてきている。男の人６人に、女の人2人。女の人は、知り合い同士のようだけど怖い。

　てくてくてく。

　もう少しで畑だけど、怖い、怖い。思い切って、話しかけてみる。

　「あの～、何かご用ですか？」

　「「「「「「「「あの！！」」」」」」」」

　食べ物を探しにきたらしい。そして、できれば売って欲しいと。ん～、食べ物を売ったら際限なく街の人が来そうな気がする。てか、女性の一人暮らしなのでめちゃくちゃ怖い。飢饉ではなく、盗賊の問題なので討伐されれば解消する。下手な情けで、搾取されるのは嫌だ。でも、街には子どももいるわけで…。

　考えていると、動物の鳴き声がした。畑の方で。

　慌てて走る私。ついてくる８人。

　畑の横に設置していた、箱罠にイノシシがかかっていた。思ったより大きいイノシシで、小学生ぐらいの大きさで、横幅もでかい。

　そして、８人の目がギラギラしている。

　タダであげるのは簡単だ。タダでもらった物はその時は感謝する。でも次回タダでもらえなかったら、何もなかったら不平不満が出てくる。この８人にあげて、残りの街の人がもらえなかったら不満が出る人がでる。だから…。

　「街の肉屋に売りにいかなきゃ！」

　「俺たちに売ってくれないのか？」
　「子どもがいるのよ。」
　「俺たちも一緒に見つけたんだ、少し分けてれ。」

　「でも、この丈夫な箱罠は銀貨8枚もしたんですよ。箱罠には、餌も必要ですし。それより、街の肉屋に予約をした方が確実に買えるのではないですか？私が持って行くのに、門番が横取りしたらどうします？根回しをした方がいいと思いますよ？」

　門番が、権力片手に門で1匹丸ごと購入されたら街の人食べられないものね。


　８人は、慌てて街の方に帰り出した。


　良かった、無理矢理取られなくて。後、ネットも気づいてなかったのかな？結構派手なネットと思うけど。