３０代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

第一章

若返りは、お約束。

　はい、異世界転移して私、若くなっています。

　いいことだけど、事前に知りたかった。元の年齢を基本に、生活品を準備してたんだ。日焼け止めやB.Bクリーム。足りるかな？大事に使おう。

　結婚も、30代なら昔でいったらありえないかなと思って考えてなかった。でも、15ぐらいのこの体ならあるかな？と。やさしい人と結婚して子ども産んで家族作りたいな。

　何で、15ぐらいとわかるかというと、身長そのままで、体重が20キロ弱増えているから。中学三年生で遅い生理が始まると、何故か味覚が変わり野菜ばかり食べていた。半年で70キロから50キロ前後に痩せた。学校の友達からは色気付いたと言われて嫌だった。しばらくすると、味覚が戻り普通に食べられるようになった。

　田舎のおじちゃんおばちゃん達は心配して、珍しい食べ物を持ってきてくれた。果物系は嬉しかったけど、雀の丸焼き（輸入品）は食べられなかった。

　しかし、体が重い。今の体重に慣れていたので、こんなに重いと動けない。少し、体を絞った方が良いかもしれない。


　服がきついので、シャツにモンペをはく。ばあちゃんの衣類だ。ウエストがゴムなので苦しくない。パンツだけが、キツくてつらい。うん。畑仕事をしよう。


　畑仕事をしようと思ったら、麻袋のチートっぷりに気付いてしまった。温泉のお湯も一気に取り込めたから、土も試しに入れてみた。麻袋を地面につけ、30メートル四方の土を深さ60センチ取り込むを意識すると、取り込めた。土だけだったので、草や虫、石が残っている。元に戻して、土に含まれる物を意識して取り込むと、草や虫、石も取り込めた。草や石は麻袋に入れたまま、土は一粒ずつ出すイメージ、虫はそのまま出すイメージで取り出すと、ふかふかの土壌ができた。　
　どういうことだろう？入れなくても入り、取り出さなくても出せる。麻袋（マジックバック）、不思議だ。

　草刈機も耕運機も要らんかったな。オイルやガソリンも大量に買ったけどいらなかった。何かに使おう。
　支柱を立てて、ネットを貼ったら完成。横にイノシシ用の箱罠を仕掛けておく。
　ユーリさんの記憶のおかげか、猪や鹿も捌ける。意外なことに、狼は街で飼っている人もいる。まあ、たまに事故もあるし、野良は普通に危険らしい。街に行くときは、対策を取らねば。

　土がすぐに耕せるのがわかったので、先に植樹をする。
　家の周りに、びわやミカン、甘柿、栗、梅、茶の木、レモンを植える。玄関の正面には、シャインマスカット。シャインマスカットは、棚を作らないといけないが、大きくなってからで良いだろう。
　びわやミカン、シャインマスカットは苗木だが、他は家に生えているのを持ってきたので、気候が合えば今年も食べられる。
　栗は、猪が怖いので家から離れた場所に植えた。ここにも箱罠を設置しておこう。

　気候、そうユーリさんの記憶では、今は春。この世界の気候は、梅雨の無い、冬は寒さの厳しい気候かな？北海道みたいな感じかな？ミカンや茶の木には厳しいかもしれない。