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第一章

スーパー

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 スーパーって意外に必要な物を教えてくれた。
 豆腐や揚げ、フルーツ缶(モモ、ミカン、パイナップル)。漬物。お酒。ワカメ。大豆。お菓子。菓子パン。

 必要な物を買い揃える際に、賞味期限にふと目をやる。麻袋のおかげで、賞味期限は関係無いが、私の時間はここで終わると思うと悔しかった。
 小さい頃、両親と死に別れ叔父夫婦の家で過ごし搾取される人生だった。両親の保険金も叔父夫婦にほとんど取られた。ばぁちゃんが、ばぁちゃんの遺産を全て私名義にしてくれた。色々言われた。でも、生前分与してくれ、1千万ほどになった。ばぁちゃんの家も私のものになり、少しばかりの固定資産税を払い祖母の家も私の物になった。
 納得しているはずなのに、思い出すと胸が軋む。私が失踪扱いされて何年かすると全て叔父夫婦のものになるのだろう。




 ギリギリまで全部使ってやる。



 この日が来た。
 異世界転移。
 準備をしてきたが、生きていけるか不安がのこる。
 1番大切なトイレットペーパーは、携帯ビデでなんとかなるはず。
 水も、濾過機能のタルも買った。
 お風呂もばぁちゃん家の浴槽を、麻袋に入れている。

 大丈夫。大丈夫。私は、魂を休める。



 あ、娯楽忘れた。
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