上 下
103 / 155
心境の変化

4. 議員!! オレ、男です!!何かの間違いじゃ……

しおりを挟む
オレは慌てて立ち上がろうとした。
しかし、足がもつれて前の布団へと倒れこむ。

これは……さっきの酒に何か入れられた!?

「議員!!
オレ、男です!!
何かの間違いじゃ……」

身体も言う事を効かなくなってずるずると這うように逃げながらオレは叫んだ。

「知っているよ。何度も会っただろう?
従順で、利口で、賢くて……。
それにほら、小柄なのに肉付きがよくて、顔も童顔でカワイイ」

議員はオレの腕をぐいっと掴むと、顎を持ち上げ顔を近づけてきた。

「聞くところによると、君は向上心が強いらしいじゃないか。
早く秘書として、大きくなりたいんだろう!?
私の秘書になりなさい。
そして、私に飼われなさい」

ひひひっといやらしい笑いを浮かべ、キスをしてくる。
オレは思わず顔を背けた。


パンッ!

議員はむっとし、オレの顔を平手で打つ。

「男は初めてか?
私が教えてやろう。そんな態度もできなくなるぞ」

「やだ……やめ……くださ……!!」

しかし、薬のせいか言葉もハッキリ言えなくなり、身体は力が入らなくなっていた。


されるがまま、ネクタイを外され、シャツを脱がされる。
力ない手が議員の袖を掴むので精一杯だった。

「きれいな肌だ、やはり若いな……」

そう言いながらごつごつした手はオレの胸をなでまわす。


気持ち悪い……。
誰か……助けて……。


オレはすべてを剥ぎ取られ、身体中を舐めまわされる。


気持ち悪い………
気持ち悪い………


意識がどこかへ行く。
ただ、虚ろな頭で、考えるのは……



ハヤ……、ハヤ……









「いい姿だな……」

ハヤの声!?

「夏斗くん!!」

て……手島さん……。

オレは何とか身体を起こした。
頭は割れるように痛い。

「………っ!!」

手島さんは側にあった毛布をオレに掛けてくれた。

ハヤ…ハヤの声がした気が…。


議員が部屋の隅に座り込み、その前にしゃがむ大きなすらっとした姿。

ハヤ!!


しかし、その髪はダークグレーで、ハヤとは違う冷たい口調。




谷垣さん……。


それに手島さんもどうしてここへ……。


頭の痛みがピークに達し、オレはそのまま意識を手放した。


しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

俺様エリートは独占欲全開で愛と快楽に溺れさせる

恋愛 / 完結 24h.ポイント:127pt お気に入り:1,547

普通のRPGだと思ったらなんか違うんだが!?

BL / 連載中 24h.ポイント:35pt お気に入り:88

クーパー伯爵夫人の離縁

恋愛 / 完結 24h.ポイント:13,099pt お気に入り:4,293

退廃芸術 大展覧会

BL / 連載中 24h.ポイント:370pt お気に入り:15

【※R-18】αXΩ 〜男性妊娠 候補生〜

BL / 連載中 24h.ポイント:213pt お気に入り:71

従者の愛と葛藤の日々

BL / 連載中 24h.ポイント:56pt お気に入り:229

 The アフターゲーム 〜色映ゆる恋〜

BL / 完結 24h.ポイント:156pt お気に入り:12

異世界で突然国王さまの伴侶に選ばれて溺愛されています

BL / 完結 24h.ポイント:568pt お気に入り:2,698

運命だとか、番とか、俺には関係ないけれど

BL / 連載中 24h.ポイント:433pt お気に入り:1,428

処理中です...