言霊付与術師は、VRMMOでほのぼのライフを送りたい

工藤 流優空

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作ってみよう!物語のアイテム

特別スキルと弱点

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「とりあえず、あの男性がナイトメアソフトウェアで働いていた元社員さんだったことが分かりましたね。そして、なぜか会社から解雇され、それに対して腹を立てていたことも」

 私の言葉に、シュウさんとアイダさんが頷く。

「男性の素性の一部が分かっただけでも一歩前進です。それに、相手のステータスを確認できるようになりましたから」

 相手の特別スキルは、さっき会った時に見たから分かってる。
『触れた人が持っている特別スキルを自分の能力に追加できる』

 それが、相手の特別スキル。私が知りたいのは、その弱点だ。私の特別スキル、『言霊・物語付与』の能力には回数制限がある。いわば、これが弱点。スキルレベルを上げることで、回数制限は多少上昇するけど、無制限には多分ならないと思う。

 多分、どんな特別スキルにも必ず弱点みたいなものが存在するはず。だから、まずはそれを探るために、『ただのヒモ【改】』を作ったんだ。

 ヒモに触れてみる。すると、さっきの男性のステータスが開示される。

(基本情報)
 名前:ムトウ(Lv.1)
 身長:168cm
 ジョブ:冒険者
 
 基本情報を見て、ようやく男性のここでの名前が分かった。『ムトウ』さん。これって名字の、武藤さん、でいいのかな。

 そんなことを考えつつ、基本ステータスを読み飛ばして、保有スキルを見る。

(保有スキル)
 特別スキルコピー

『特別スキルコピー』の画面を開くと、詳しいスキルの内容が表示される。

『特別スキルコピー:触れた相手が特別スキルを所持していた場合、そのスキルを自分にも取り込むことができる。ただし、コピー回数制限と使用制限、コピーした特別スキル保持数に制限あり』

 私は、その画面をシュウさんとアイダさんにも見せる。シュウさんが首をかしげる。

「……つまり、あの特別スキルは相手の特別スキルをコピーはできるが、制限があるということだな」
「そうです。1日にコピーできる回数やコピーした特別スキルの使用回数、記憶できる特別スキル数に制限があるんです」

 私の特別スキルと同様の条件なら、コピー回数や使用回数は3回くらいかな。そして、特別スキルを覚えられる数は10個までとか、そんな感じじゃないかな。5個かもしれない。

 そして、彼はまだジョブが『冒険者』のままだ。そして、レベルも1のまま。つまり、回数はデフォルトのままのはず。

 これだけで、かなりの情報を手に入れられた。あとは今、ムトウさんがどれだけの数の特別スキルを持っているのか知りたい。そしてその特別スキルの内容を知ることができれば大きく前進できそう!
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