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作ってみよう!物語のアイテム

ムトウさんの特別スキル上限

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 誰か別の人からコピーした特別スキル。それを既に大量に集めているとしたら、なかなか相手を追い詰めにくくなるよね。こっちとしては、まだアイダさんの特別スキルだけしか持っていないことを期待したいところだけど……。

 そう思いながら、ムトウさんのステータスをくまなく調べていく。どこかに、レベル1の初期の特別スキルの所持可能数なんかが分かるものはないかな。

 そんなことを考えていたら、シュウさんが遠慮がちに声をかけてきた。

「……しかし、相手の特別スキルが気になるな」
「相手の特別スキルをコピーできるというスキルですか」

 私の言葉に、シュウさんは頷く。

「……元々特別スキルは、本来の自分自身が持っている能力を異世界風にしたものだからな。きっと彼自身にもこの特別スキルと共通する何か能力を持っているんじゃないかと思う」

 確かに、シュウさんの言う通りかもしれない。特別スキルとそのスキルを持った人間は、密接な関係がある。だとしたらムトウさんと、この特別スキルにもきっと共通点があるはず。

 でも共通点があるとしたら、いったいどんな共通点があるんだろう。人の能力をコピーする力。つまりは、人の技術を盗む力。

 それって、盗作とかじゃなければ、別に悪いことじゃないよね。何事も、うまい人のマネから始まったり、いいところから学んだりするのが大事だもん。

 ただ、それをあたかも『自分だけの頑張り』にしたら駄目だけどね。

「この人の本来の能力は、『人のいいところ、技術をマネして自分の長所にしていく能力』なんじゃないでしょうか」

 私の言葉に、アイダさんは頷く。

「その可能性はありますね。私も、手が増える能力が使えるのは、忙しい時にまるで手が増えたように早く動くことができることから来てるでしょうし」

 そう。特別スキルは、その人のいい能力が昇華された形。だからこそ、きっと特別スキルは誰にだって持つことができる可能性のあるもの。本来、自分のいいところであるはずの、特別スキルを悪用するなんて。

 なんとしてでも、ムトウさんを止めなくちゃ。でもその前に、ムトウさんについても、もっと知っておかないとね。

 ステータス画面を詳しく見ていくと、ついに見つけた。現在、ムトウさんが持っている能力は、3つ。そしてそれが上限だ。つまりは、レベルを上げたりしない限りは、上限数は増えない。

 能力のうち1つは、アイダさんの『手が増やせる』能力。残りあと2つが分かれば、一歩また、ムトウさんに近づけるんじゃないかな!
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