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入学前
名前が
しおりを挟むそんな私を見つめるサレスさんを見て
「やっぱり…シャル様は…王都に家族で住んでる訳でなく、1人でこちらへ来られた方ですよね?
サレスは隠そうとしていましたが、状況的にそうとしか考えられず…
そして、ハイエルフであるシャル様を無理矢理連れて行くことは私には出来ません
ですが、サレスの真偽も確認できたからこそここで言わせていただきますが、名前が…同じなのです。」
そう、先ほどまでとはまた違う、さらに真剣な表情と声でユースさんがそう言った。
それを聞いたサレスさんはビクッとして
「名前が同じ…って事はやっぱり‼︎」
と嬉しい顔をしたかと思うと、直ぐに何故かシュンとした様子で下を向いてしまった
「大丈夫ですか?」
と少し心配になり声をかけると
「私は…なんとなく分かっていたんです、ハイエルフの子供が…1人でここにいる時点で
ですが、シャル様が望んでここにいるのだと、もしかしたら帰りたくない理由があってわざとここに居るんじゃないかと
そんな言い訳をしながら、ただ自分がずっと里に帰れずハイエルフの方のそばに居ることが叶わないから、私自身里の世界樹にもハイエルフの方にも会えず衰弱していた頃に出会えた奇跡から余計に、シャル様と近くに居たくてわざと誰にも言わず…
すみません。」
とサレスさんがそう言った。
私は正直よく分かってなかったけど、エルフの人にとってハイエルフの人は凄い存在…なのかな?
てか近くにいるだけで体力が回復するってことはそれくらい大きい違いがあるんだもんね。
なんだか少し…照れるけど
「いえ、おそらく言われていたとしても、私自身サレスさんが初めに行ってくれたように帰らなかったと思いますから
正直、入学するまでに会いに行ってみたいとは思ってたんですよ?
でも今はまだちょっと不安でしたから」
とえへっと言う感じでそう言った
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