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転生したらまた魔女の男子だった件
138.スリーズちゃんに話す魔女の森のこと
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魔女には父親というものが存在しない。
母が魔女族の長になって魔女族を変えるまでは、それが普通だった。
一応、生物学上の父親はいるのだが、遺伝子を混ぜることなく自分のコピーを生んでいくだけなので、受精卵を作り出すためだけの相手で、父親は誰でもよかったのだ。
母は僕とリラを生むときに大陸の貴族と遊びで寝た。その結果として生まれてきたのが僕とリラなのだが、僕はともかくリラは母にそっくりでコピーとしか思えなかった。
緩やかに波打つ豪奢な黒髪、金色の目、白い肌。顔立ちも色彩も完璧に母と同じだ。
僕はリラと似ているけれど、黒髪はストレートだし、目は紫色だ。
僕の生物学上の父の目も思い出したくないが紫色だったので、僕は生物学上の父の遺伝子を継いでいるのかもしれない。
魔女がどうして自分のコピーを生むようになったのか、歴史的にはよく分からないが、母が魔女の森を開くまでは、魔女の森には魔力が満ちていて、普通の人間では入り込めない、暮らせない空間だった。
それを土地神であるセイラン様とレイリ様と話し合って、最低限の魔力に抑えて、代わりに魔女の子どもが成長に必要な魔力を得られるように神力を注ぎ込んだ水が広場でわくようにセイラン様とレイリ様が水場を作ってくれたのだ。
そういう歴史をスリーズちゃんは知らない。
前世の母はそういうことを話すひとではなかったし、魔女の森を離れていたので魔女の森のことはよく分かっていない。今世でもスリーズちゃんはまだ四歳で、全ての改革が終わった後に生まれているので、何も知らないのだ。
スリーズちゃんにこのことをどう伝えようと迷っていると、母がスリーズちゃんを膝の上に乗せて、レオくんを椅子に座らせた。
焼き菓子をお皿に取り分けられるようにして、紅茶を入れてくれたアナ姉さんに、母はお礼を言ってから、スリーズちゃんに説明を始めた。
「魔女の森は閉鎖的だったのよ。アマンダとアンナマリとアナとリラと私を見て気付かない? 驚くほどそっくりでしょう?」
「ねぇねたち、かかとおなじおかお」
「魔女は自分のコピーしか産むことができなかったの。だから、私たちはそっくりなのよ」
コピーを生んでいくということは、遺伝子に多様性がなくなっていくということで、同じ遺伝子が続いていくことは、伝染病や遺伝病に弱くなるという不利益がある。その辺りはまだスリーズちゃんには教えなくてもいいだろう。
「コピーしか産めないなんて、おかしなシステムでしょう? 魔女の森の魔力に人間の体は耐えられなくて、魔女の森に住むことはできなかったし、魔女は女性しか産むことができなかった。それをおかしいと思って私が変えたの」
「かか、かえた!」
「疑問を持ったのは、私がラーイという男の子を生んだからなんだけどね。魔女の男の子は災厄の子として殺される運命にあった。それは前世のことがあるから分かるわよね、スリーズ?」
「あい、わかる。にぃにとわたし、ころされた。こわかった」
スリーズちゃんの黒い目がうるうると潤んできて、レオくんがハンドタオルを差し出す。ハンドタオルで涙を拭いて、スリーズちゃんがレオくんに「ありがとう」とお礼を言っていた。
僕の妹とナンシーちゃんの弟は今日も可愛いです。
それはともかくとして、母の話は続く。
「魔女の森を開いて、人間が入れるようにしたのよ。魔女の森の魔力は薄れてしまったけれど、それは土地神様が作ってくれた神力のこもった水のわく水場でなんとかなっているわ」
「まりょくたりないの、すごくつらい。わたし、ぜんせで、いっぱいねつだした」
「魔力の足りない子がいないように土地神様が守って下さっているのよ」
「とちがみさま、ありがとう」
「それで、レオくんのお父さんも魔女の森で暮らせるようになって、レオくんが生まれたのよ。レオくんは魔女の森でラーイに次ぐ、二番目の男の子よ」
そうなのだ。
魔女の森には現在、三人しか男の子がいない。
僕とレオくんと最近生まれたという男の子。それくらい魔女の森では男の子は生まれにくいのだ。
以前と同じくコピーを生むことを続けている魔女もいるようだし、母の改革が完全に終わったわけではない。
これからが母が大変になるときなのかもしれない。
「レオ……じゃない、おれ、そんなにたいへんななかでうまれてきたんだ」
「レオくんは貴重な魔女の男の子なのよ」
「まほうはつかえないけど……」
「レオくん、まほうつかえなくても、わたしがまもる!」
話を真剣に聞いていたレオくんも感じるところがあったようだった。スリーズちゃんはレオくんが魔法を使えない魔女であっても守ると宣言している。
「ラーイとセイラン様、リラとレイリ様は何歳で婚約したんだったかな?」
お父さんに聞かれて僕とリラは顔を見合わせる。
あの頃は小さかったからすぐには思い出せない。
指折り数えて思い出してみると、七歳だった気がしてくる。
「七歳じゃなかった?」
「夏休みだったわよね」
「そうだった。七歳の夏休みだ」
七歳の夏休みに白虎の村に行ったときに、セイラン様とレイリ様のご両親が婚約の話を申し出てくださったのだ。僕もリラもセイラン様とレイリ様が大好きだったから、婚約は嬉しかった。
ご馳走が用意されて婚約式をしたのを覚えている。
「スリーズとレオくんもそれくらいの年になったら婚約をさせていいのかな」
「エイゼン、気が早いんじゃない? ラーイとリラは相手が土地神様だったから婚約ができたのよ」
「スリーズは前世の記憶があるから、もう十歳と思っていいんじゃないか?」
「意外と幼いところがあるんだから。精神は体に引っ張られるものなのよ」
お父さんはスリーズちゃんとレオくんの婚約に乗り気のようだが、母はまだ早いと思っているようだった。
スリーズちゃんが七歳になったら、レオくんは八歳だ。七歳と八歳の婚約はやはり早すぎるかもしれない。
「お父さん、焦りすぎないで」
「スリーズちゃんはともかく、レオくんは普通の男の子なのよ」
僕とリラも言うけれど、レオくんは背筋を伸ばして椅子に座っていた。
「こんやく、したいです!」
「ほら、レオくんまでその気になっちゃったじゃない」
「婚約するとしても、スリーズがもう少し大きくなってからだよ」
「おれ、まてます!」
きりっとした顔をしているレオくんにお父さんは目を細めていたが、母は苦笑していた。
「今度は娘を連れて来るわね」
「私の娘も連れて来るわ」
「うちの娘はもうちょっと大きくならないものかしら。せめて言葉で意思疎通ができるようになってほしいわ」
「意思疎通ができたところで、嫌々は免れないのよ」
「話し合いが通じない年齢もあるわ」
「あぁー! 姉さんたち、私を不安にさせてどうするつもりー!」
賑やかに姉たちが母の家から帰っていく。
長時間いられないのは子どもが待っているからだろう。
アマンダ姉さんもアンナマリ姉さんもアナ姉さんも、子どもを預けて来ているのだから仕方がない。
玄関まで追いかけて行ってスリーズちゃんは姉たちにバイバイをしていた。
レオくんが横に立ってスリーズちゃんの手を握る。
「スリーズちゃんのおねえちゃん、おかあさまそっくりだったな」
「ねぇね……リラねぇねもそっくり。わたし、ちがう」
アマンダ姉さんもアンナマリ姉さんもアナ姉さんもリラも母にそっくりなのに、自分だけ違うことに気付いてしまったスリーズちゃん。
前世でも妹は母にそっくりだったことを思い出す。
「お母さんが魔女の森を開いたからだよ。もうコピーだけしか生まれない魔女の森は終わったんだ」
「わたし、ととににてる?」
「うん、スリーズちゃんはお父さんに似てるよ」
黒いお目目も黒い髪にひと房赤が混じっているのも、スリーズちゃんはお父さんにそっくりだ。何より燕になれるところがものすごく似ている。
お父さんに似ていると言われて納得したスリーズちゃんは元気に庭に駆けて行く。それをレオくんが追いかけていく。
「ばらおとめかめん、にごう、さんじょう!」
「がんばれー! スリーズちゃん!」
サンドバッグと案山子と戦い始めたスリーズちゃんをレオくんが応援していた。
母が魔女族の長になって魔女族を変えるまでは、それが普通だった。
一応、生物学上の父親はいるのだが、遺伝子を混ぜることなく自分のコピーを生んでいくだけなので、受精卵を作り出すためだけの相手で、父親は誰でもよかったのだ。
母は僕とリラを生むときに大陸の貴族と遊びで寝た。その結果として生まれてきたのが僕とリラなのだが、僕はともかくリラは母にそっくりでコピーとしか思えなかった。
緩やかに波打つ豪奢な黒髪、金色の目、白い肌。顔立ちも色彩も完璧に母と同じだ。
僕はリラと似ているけれど、黒髪はストレートだし、目は紫色だ。
僕の生物学上の父の目も思い出したくないが紫色だったので、僕は生物学上の父の遺伝子を継いでいるのかもしれない。
魔女がどうして自分のコピーを生むようになったのか、歴史的にはよく分からないが、母が魔女の森を開くまでは、魔女の森には魔力が満ちていて、普通の人間では入り込めない、暮らせない空間だった。
それを土地神であるセイラン様とレイリ様と話し合って、最低限の魔力に抑えて、代わりに魔女の子どもが成長に必要な魔力を得られるように神力を注ぎ込んだ水が広場でわくようにセイラン様とレイリ様が水場を作ってくれたのだ。
そういう歴史をスリーズちゃんは知らない。
前世の母はそういうことを話すひとではなかったし、魔女の森を離れていたので魔女の森のことはよく分かっていない。今世でもスリーズちゃんはまだ四歳で、全ての改革が終わった後に生まれているので、何も知らないのだ。
スリーズちゃんにこのことをどう伝えようと迷っていると、母がスリーズちゃんを膝の上に乗せて、レオくんを椅子に座らせた。
焼き菓子をお皿に取り分けられるようにして、紅茶を入れてくれたアナ姉さんに、母はお礼を言ってから、スリーズちゃんに説明を始めた。
「魔女の森は閉鎖的だったのよ。アマンダとアンナマリとアナとリラと私を見て気付かない? 驚くほどそっくりでしょう?」
「ねぇねたち、かかとおなじおかお」
「魔女は自分のコピーしか産むことができなかったの。だから、私たちはそっくりなのよ」
コピーを生んでいくということは、遺伝子に多様性がなくなっていくということで、同じ遺伝子が続いていくことは、伝染病や遺伝病に弱くなるという不利益がある。その辺りはまだスリーズちゃんには教えなくてもいいだろう。
「コピーしか産めないなんて、おかしなシステムでしょう? 魔女の森の魔力に人間の体は耐えられなくて、魔女の森に住むことはできなかったし、魔女は女性しか産むことができなかった。それをおかしいと思って私が変えたの」
「かか、かえた!」
「疑問を持ったのは、私がラーイという男の子を生んだからなんだけどね。魔女の男の子は災厄の子として殺される運命にあった。それは前世のことがあるから分かるわよね、スリーズ?」
「あい、わかる。にぃにとわたし、ころされた。こわかった」
スリーズちゃんの黒い目がうるうると潤んできて、レオくんがハンドタオルを差し出す。ハンドタオルで涙を拭いて、スリーズちゃんがレオくんに「ありがとう」とお礼を言っていた。
僕の妹とナンシーちゃんの弟は今日も可愛いです。
それはともかくとして、母の話は続く。
「魔女の森を開いて、人間が入れるようにしたのよ。魔女の森の魔力は薄れてしまったけれど、それは土地神様が作ってくれた神力のこもった水のわく水場でなんとかなっているわ」
「まりょくたりないの、すごくつらい。わたし、ぜんせで、いっぱいねつだした」
「魔力の足りない子がいないように土地神様が守って下さっているのよ」
「とちがみさま、ありがとう」
「それで、レオくんのお父さんも魔女の森で暮らせるようになって、レオくんが生まれたのよ。レオくんは魔女の森でラーイに次ぐ、二番目の男の子よ」
そうなのだ。
魔女の森には現在、三人しか男の子がいない。
僕とレオくんと最近生まれたという男の子。それくらい魔女の森では男の子は生まれにくいのだ。
以前と同じくコピーを生むことを続けている魔女もいるようだし、母の改革が完全に終わったわけではない。
これからが母が大変になるときなのかもしれない。
「レオ……じゃない、おれ、そんなにたいへんななかでうまれてきたんだ」
「レオくんは貴重な魔女の男の子なのよ」
「まほうはつかえないけど……」
「レオくん、まほうつかえなくても、わたしがまもる!」
話を真剣に聞いていたレオくんも感じるところがあったようだった。スリーズちゃんはレオくんが魔法を使えない魔女であっても守ると宣言している。
「ラーイとセイラン様、リラとレイリ様は何歳で婚約したんだったかな?」
お父さんに聞かれて僕とリラは顔を見合わせる。
あの頃は小さかったからすぐには思い出せない。
指折り数えて思い出してみると、七歳だった気がしてくる。
「七歳じゃなかった?」
「夏休みだったわよね」
「そうだった。七歳の夏休みだ」
七歳の夏休みに白虎の村に行ったときに、セイラン様とレイリ様のご両親が婚約の話を申し出てくださったのだ。僕もリラもセイラン様とレイリ様が大好きだったから、婚約は嬉しかった。
ご馳走が用意されて婚約式をしたのを覚えている。
「スリーズとレオくんもそれくらいの年になったら婚約をさせていいのかな」
「エイゼン、気が早いんじゃない? ラーイとリラは相手が土地神様だったから婚約ができたのよ」
「スリーズは前世の記憶があるから、もう十歳と思っていいんじゃないか?」
「意外と幼いところがあるんだから。精神は体に引っ張られるものなのよ」
お父さんはスリーズちゃんとレオくんの婚約に乗り気のようだが、母はまだ早いと思っているようだった。
スリーズちゃんが七歳になったら、レオくんは八歳だ。七歳と八歳の婚約はやはり早すぎるかもしれない。
「お父さん、焦りすぎないで」
「スリーズちゃんはともかく、レオくんは普通の男の子なのよ」
僕とリラも言うけれど、レオくんは背筋を伸ばして椅子に座っていた。
「こんやく、したいです!」
「ほら、レオくんまでその気になっちゃったじゃない」
「婚約するとしても、スリーズがもう少し大きくなってからだよ」
「おれ、まてます!」
きりっとした顔をしているレオくんにお父さんは目を細めていたが、母は苦笑していた。
「今度は娘を連れて来るわね」
「私の娘も連れて来るわ」
「うちの娘はもうちょっと大きくならないものかしら。せめて言葉で意思疎通ができるようになってほしいわ」
「意思疎通ができたところで、嫌々は免れないのよ」
「話し合いが通じない年齢もあるわ」
「あぁー! 姉さんたち、私を不安にさせてどうするつもりー!」
賑やかに姉たちが母の家から帰っていく。
長時間いられないのは子どもが待っているからだろう。
アマンダ姉さんもアンナマリ姉さんもアナ姉さんも、子どもを預けて来ているのだから仕方がない。
玄関まで追いかけて行ってスリーズちゃんは姉たちにバイバイをしていた。
レオくんが横に立ってスリーズちゃんの手を握る。
「スリーズちゃんのおねえちゃん、おかあさまそっくりだったな」
「ねぇね……リラねぇねもそっくり。わたし、ちがう」
アマンダ姉さんもアンナマリ姉さんもアナ姉さんもリラも母にそっくりなのに、自分だけ違うことに気付いてしまったスリーズちゃん。
前世でも妹は母にそっくりだったことを思い出す。
「お母さんが魔女の森を開いたからだよ。もうコピーだけしか生まれない魔女の森は終わったんだ」
「わたし、ととににてる?」
「うん、スリーズちゃんはお父さんに似てるよ」
黒いお目目も黒い髪にひと房赤が混じっているのも、スリーズちゃんはお父さんにそっくりだ。何より燕になれるところがものすごく似ている。
お父さんに似ていると言われて納得したスリーズちゃんは元気に庭に駆けて行く。それをレオくんが追いかけていく。
「ばらおとめかめん、にごう、さんじょう!」
「がんばれー! スリーズちゃん!」
サンドバッグと案山子と戦い始めたスリーズちゃんをレオくんが応援していた。
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