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第一章 最強の少年
14 またもや赤い魔物
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ギルドに戻ったルイスは、ダグラスを捕まえて、事のあらましを説明した。もちろん、当事者である女性も一緒だ。
「はぁ……そうか」
ダグラスは、大きくため息をつく。いつもみたいに、またダメだったのかとからかわれると思っていたルイスは、予想外の反応に拍子抜けしてしまった。
「それで、アノリカルはどうなった?」
「あっ、うん……これ、なんだけど……」
ルイスは、アノリカルを入れていた袋をダグラスに渡す。
その袋は、見るも無惨な状態で、ボロボロになっていた。
「強く握っちゃってたみたいで……」
「まぁ、無理もねぇか。ひとまず、お前は家に帰りな。レカーティアとジュードには、今回のことは詳しく話しておけ。その赤いウルフを倒したくだりは特にな」
「う、うん」
いつもとは違う真剣な表情に、ルイスはたじろぐ。
自分は何か、とんでもないことをしそうになったんじゃないか。
ルイスは、そう思えて仕方なかった。
「ほら、早く帰りな。日が暮れちまうだろ」
「あっ、うん!じゃあね!」
レカーティアに怒られることが脳裏によぎったルイスは、先ほどの恐怖や不安とはうってかわって、焦りながら帰宅する。
「お前は、奥でもう少し詳しい話を聞かせてくれ。あまり、ここで話すようなことではないからな」
「は、はい!」
ルイスに助けられた女性は、ダグラスについていった。
◇◇◇
事務室で詳細を聞いたダグラスは、頭を抱える。
「それじゃあ、本当にレッドウルフが現れたんだな?」
「はい。私はまだ9級で、レッドウルフを倒せるほどの実力はありませんでしたから……私の命はここまでと諦めていました。あの子が現れるまでは」
「そうか……。ルイスのことは、他の奴らには隠しておいてくれ」
「は、はい」
ルイスが、レッドロックワームを単独討伐したという噂は、まだギルド内に留まっている。これ以上、ルイスの超人エピソードが広まるようなことがあれば、ルイスを利用しようとする輩も現れてくるだろう。
別に、ルイスがその者たちに遅れを取ると思っているわけではないが……もっと別のことが問題だ。
「あの……ルイスくんの瞳なんですが」
「うん?あいつの瞳がどうした?」
「もしかしたら、光の加減かもしれませんけど、赤くなったように見えたんです。そうしたら、様子がおかしくなったんですけど、いったいーー」
「話は終わりだ。俺は仕事があるから、休むなりなんなりしてくれ」
「えっ、ちょ、ちょっと!」
ダグラスは、女性の襟を掴み、無理やり外に出す。
「ルイスのことは言うなよ」
それだけ言って、バタンとドアを閉めた。
「いったい、なんなのよ……」
そう力なく呟いたが、女性はすごすごと戻っていった。
事務室に残ったダグラスは、再び頭を抱える。
「瞳の色まで変わっちまってるのかよ。こりゃあ、本当にまずいぞ……!」
恐れていたことが、起きようとしている。
各地で報告されている、本来、生息していないはずの魔物の目撃情報。次々と現れる赤い魔物。ルイスの瞳の変化。
これらは、おそらくは一つに繋がる。ダグラスが、違っててほしいと思っていたもの。発生した時、多数の犠牲者を生み出す。
「近いうちに……スタンピードが来るって言うのかよ……!」
ダグラスは、悔しそうにダンと大きな音を立てて、机を叩いた。
「はぁ……そうか」
ダグラスは、大きくため息をつく。いつもみたいに、またダメだったのかとからかわれると思っていたルイスは、予想外の反応に拍子抜けしてしまった。
「それで、アノリカルはどうなった?」
「あっ、うん……これ、なんだけど……」
ルイスは、アノリカルを入れていた袋をダグラスに渡す。
その袋は、見るも無惨な状態で、ボロボロになっていた。
「強く握っちゃってたみたいで……」
「まぁ、無理もねぇか。ひとまず、お前は家に帰りな。レカーティアとジュードには、今回のことは詳しく話しておけ。その赤いウルフを倒したくだりは特にな」
「う、うん」
いつもとは違う真剣な表情に、ルイスはたじろぐ。
自分は何か、とんでもないことをしそうになったんじゃないか。
ルイスは、そう思えて仕方なかった。
「ほら、早く帰りな。日が暮れちまうだろ」
「あっ、うん!じゃあね!」
レカーティアに怒られることが脳裏によぎったルイスは、先ほどの恐怖や不安とはうってかわって、焦りながら帰宅する。
「お前は、奥でもう少し詳しい話を聞かせてくれ。あまり、ここで話すようなことではないからな」
「は、はい!」
ルイスに助けられた女性は、ダグラスについていった。
◇◇◇
事務室で詳細を聞いたダグラスは、頭を抱える。
「それじゃあ、本当にレッドウルフが現れたんだな?」
「はい。私はまだ9級で、レッドウルフを倒せるほどの実力はありませんでしたから……私の命はここまでと諦めていました。あの子が現れるまでは」
「そうか……。ルイスのことは、他の奴らには隠しておいてくれ」
「は、はい」
ルイスが、レッドロックワームを単独討伐したという噂は、まだギルド内に留まっている。これ以上、ルイスの超人エピソードが広まるようなことがあれば、ルイスを利用しようとする輩も現れてくるだろう。
別に、ルイスがその者たちに遅れを取ると思っているわけではないが……もっと別のことが問題だ。
「あの……ルイスくんの瞳なんですが」
「うん?あいつの瞳がどうした?」
「もしかしたら、光の加減かもしれませんけど、赤くなったように見えたんです。そうしたら、様子がおかしくなったんですけど、いったいーー」
「話は終わりだ。俺は仕事があるから、休むなりなんなりしてくれ」
「えっ、ちょ、ちょっと!」
ダグラスは、女性の襟を掴み、無理やり外に出す。
「ルイスのことは言うなよ」
それだけ言って、バタンとドアを閉めた。
「いったい、なんなのよ……」
そう力なく呟いたが、女性はすごすごと戻っていった。
事務室に残ったダグラスは、再び頭を抱える。
「瞳の色まで変わっちまってるのかよ。こりゃあ、本当にまずいぞ……!」
恐れていたことが、起きようとしている。
各地で報告されている、本来、生息していないはずの魔物の目撃情報。次々と現れる赤い魔物。ルイスの瞳の変化。
これらは、おそらくは一つに繋がる。ダグラスが、違っててほしいと思っていたもの。発生した時、多数の犠牲者を生み出す。
「近いうちに……スタンピードが来るって言うのかよ……!」
ダグラスは、悔しそうにダンと大きな音を立てて、机を叩いた。
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