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公爵令嬢?それがどうした!
第49話 保存魔法
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「部屋におられないので、使用人に話を聞いてみれば、浮遊して移動していると聞いた時は、自分の耳を疑いましたよ」
笑っているが、瞳に光がない。いやぁ、あの移動方法はインパクトが強すぎたか……報告がいくのは予想していたけど、カルディアが来るとは思わなかったなぁ……
車椅子があればマシだったのかなぁ……作ってみるか?車椅子ならそこまで問題になるとは思えないし……
「歩かせるなって言われたって聞いたから、浮いて移動しようと思っただけだけど?」
歩かなければ良いんだろ?理論だ。私に移動させないようにするなら、もっと細かく制限しないといけないよ?
「義姉上はそういう方なのですね……」
はぁ……とため息をついている。そうそう、私はこういう性格なのですよ。諦めなさい。
「もうちょっとでパンが焼きあがるから、せめてそれまでは待って」
遅かれ早かれ、連れ戻されるだろう事を察して、先手をうった。
「……分かりました。言っても聞かなさそうですしね」
そして、パンが焼きあがって、取り出す。きれいに焼けてるなぁ。クリームパンを食べてみるか!
パクッと一口。あぁ……美味しい……!カスタードクリームは美味しいなぁ……ホイップクリームも作って、ホイップ&カスタードを本気でやってみるか。生クリームはもうここの料理人に常時作るようにいってあるから、切れてる事はないだろう。
「カルディアも食べたら?」
半分に割って、噛んでいない方をカルディアに手渡した。
シシーちゃんはお菓子大好きなんだけど、カルディアはそこまで甘味は好きではないみたいなんだよね……でも、私が渡すものは全部食べてくれる。
優しいねぇ~。イケメンはこれもステータスになるからねぇ~。……妬んでる訳ではありませんよ?シシーちゃんが、私よりもカルディアに懐いているのが気に入らない訳ではありませんからね!
ずっと一緒にいた兄妹ですもの。私よりも兄に懐くのは当然でしょう。でも、私にも同じくらい愛を振り撒いてほしい!こぼさずに受け取るのに!
カルディアがパクっと一口食べた。
「美味しいですね。シシーリアが喜びそうです」
「じゃあ、シシーの分も作ろっかな」
「ダメですよ!怪我が治ってないのですから!」
カルディアが慌てて止めてきた。どうやら、私自身が作ると思ったらしい。
「大丈夫だよ。これを作ったのはレイだし。レイに任せれば良いでしょ」
ね?と後ろを振り返って言った。
「私としては構いませんけど、これ以上この場にいるのをあの方が許すとは思えませんけど……」
レイの視線は、カルディアに向いている。私はそっと後ろを向いた。
な~んの事かなぁ?大丈夫大丈夫。シシーの分くらい許してくれるって!妹思いだもの。
そうは思ったものの、後ろを向いた時のカルディアは、冷たい目で見てくる。
「……ダメ?」
恐る恐るそうたずねた。カルディアは少し考えるような動作をして、ため息をついた。
「……分かりました。シシーリアの分だけです」
よっしゃー!一番うまいのを差し入れしよう。と、パン生地は残ってるのかしら?
「パン生地って残ってる?」
「いくつかは……でも、これは……」
皆まで言わなくても分かる。お前らの分だったんだろ?それなら、取引しようじゃないか。
「じゃあ、おつまみになるレシピと新しいお酒のレシピ教えてあげるから」
「いくらでもどうぞ!」
この料理人達はお酒に弱い。予想通り、これで食いついた。
「ほら、やるよー!」
本来ならゴー!みたいにガッツポーズしたいけど、腕があがらないので、心の中であげておく。
「了解しました」
いつもならうだうだ言うけど、周りに人がいるからおとなしい。
レイはさっきと同じようにクリームパンを作っていく。
そして、いくつか焼きあがった中で、シシーちゃんの分を取り出して、ついでにあの四人にも差し入れする事に。余った分は、料理人達への差し入れ。
「余ったカスタードどうしようかな……」
「保存すれば良いのではないですか?」
「ただ冷蔵庫にいれるだけじゃあ、乾燥しちゃうんだよね……」
さーて、どうするか……と思っていると、レイが手を伸ばしてくる。
「保存すれば良いんですよね?」
そう言うと、レイの手の周りがポウと光って、治まった。周りが、少し光を纏ったようになる。
「これ……何?」
「家庭教師から教わっていませんか?無属性魔法の保存魔法です」
初耳ですが!?そんなのあるの!?くそっ!知っていたらもっと早く使ったのに……!
「知らなかった……」
「では、お教えしましょうか?」
マジで!?教えて教えて!そういう思いで、私は痛いのも忘れて、何度もうなずいた。
「義姉上……?」
……あれ?おかしいな。なんか後ろがすごく寒い気がする。思わず身震いしてしまうくらいには寒く感じる気がする。パン作るだけじゃなかったんですかぁ~?みたいな感情が伝わってくる感じがする。
「もうちょっと……ね?」
手を合わせてお願いしてみる。でも、カルディアのブリザードのようなスマイルが消える事はなかった。
「ほら、義姉上。部屋に戻りますよ」
「はーい……」
また目を盗んで来るしかないか……と思っていると、カルディアが振り返ってこう言った。
「もう抜け出させませんからね?」
ニコッと笑って、私に死の宣告をしてきた。またベッドインなんて嫌だあああ!!!
笑っているが、瞳に光がない。いやぁ、あの移動方法はインパクトが強すぎたか……報告がいくのは予想していたけど、カルディアが来るとは思わなかったなぁ……
車椅子があればマシだったのかなぁ……作ってみるか?車椅子ならそこまで問題になるとは思えないし……
「歩かせるなって言われたって聞いたから、浮いて移動しようと思っただけだけど?」
歩かなければ良いんだろ?理論だ。私に移動させないようにするなら、もっと細かく制限しないといけないよ?
「義姉上はそういう方なのですね……」
はぁ……とため息をついている。そうそう、私はこういう性格なのですよ。諦めなさい。
「もうちょっとでパンが焼きあがるから、せめてそれまでは待って」
遅かれ早かれ、連れ戻されるだろう事を察して、先手をうった。
「……分かりました。言っても聞かなさそうですしね」
そして、パンが焼きあがって、取り出す。きれいに焼けてるなぁ。クリームパンを食べてみるか!
パクッと一口。あぁ……美味しい……!カスタードクリームは美味しいなぁ……ホイップクリームも作って、ホイップ&カスタードを本気でやってみるか。生クリームはもうここの料理人に常時作るようにいってあるから、切れてる事はないだろう。
「カルディアも食べたら?」
半分に割って、噛んでいない方をカルディアに手渡した。
シシーちゃんはお菓子大好きなんだけど、カルディアはそこまで甘味は好きではないみたいなんだよね……でも、私が渡すものは全部食べてくれる。
優しいねぇ~。イケメンはこれもステータスになるからねぇ~。……妬んでる訳ではありませんよ?シシーちゃんが、私よりもカルディアに懐いているのが気に入らない訳ではありませんからね!
ずっと一緒にいた兄妹ですもの。私よりも兄に懐くのは当然でしょう。でも、私にも同じくらい愛を振り撒いてほしい!こぼさずに受け取るのに!
カルディアがパクっと一口食べた。
「美味しいですね。シシーリアが喜びそうです」
「じゃあ、シシーの分も作ろっかな」
「ダメですよ!怪我が治ってないのですから!」
カルディアが慌てて止めてきた。どうやら、私自身が作ると思ったらしい。
「大丈夫だよ。これを作ったのはレイだし。レイに任せれば良いでしょ」
ね?と後ろを振り返って言った。
「私としては構いませんけど、これ以上この場にいるのをあの方が許すとは思えませんけど……」
レイの視線は、カルディアに向いている。私はそっと後ろを向いた。
な~んの事かなぁ?大丈夫大丈夫。シシーの分くらい許してくれるって!妹思いだもの。
そうは思ったものの、後ろを向いた時のカルディアは、冷たい目で見てくる。
「……ダメ?」
恐る恐るそうたずねた。カルディアは少し考えるような動作をして、ため息をついた。
「……分かりました。シシーリアの分だけです」
よっしゃー!一番うまいのを差し入れしよう。と、パン生地は残ってるのかしら?
「パン生地って残ってる?」
「いくつかは……でも、これは……」
皆まで言わなくても分かる。お前らの分だったんだろ?それなら、取引しようじゃないか。
「じゃあ、おつまみになるレシピと新しいお酒のレシピ教えてあげるから」
「いくらでもどうぞ!」
この料理人達はお酒に弱い。予想通り、これで食いついた。
「ほら、やるよー!」
本来ならゴー!みたいにガッツポーズしたいけど、腕があがらないので、心の中であげておく。
「了解しました」
いつもならうだうだ言うけど、周りに人がいるからおとなしい。
レイはさっきと同じようにクリームパンを作っていく。
そして、いくつか焼きあがった中で、シシーちゃんの分を取り出して、ついでにあの四人にも差し入れする事に。余った分は、料理人達への差し入れ。
「余ったカスタードどうしようかな……」
「保存すれば良いのではないですか?」
「ただ冷蔵庫にいれるだけじゃあ、乾燥しちゃうんだよね……」
さーて、どうするか……と思っていると、レイが手を伸ばしてくる。
「保存すれば良いんですよね?」
そう言うと、レイの手の周りがポウと光って、治まった。周りが、少し光を纏ったようになる。
「これ……何?」
「家庭教師から教わっていませんか?無属性魔法の保存魔法です」
初耳ですが!?そんなのあるの!?くそっ!知っていたらもっと早く使ったのに……!
「知らなかった……」
「では、お教えしましょうか?」
マジで!?教えて教えて!そういう思いで、私は痛いのも忘れて、何度もうなずいた。
「義姉上……?」
……あれ?おかしいな。なんか後ろがすごく寒い気がする。思わず身震いしてしまうくらいには寒く感じる気がする。パン作るだけじゃなかったんですかぁ~?みたいな感情が伝わってくる感じがする。
「もうちょっと……ね?」
手を合わせてお願いしてみる。でも、カルディアのブリザードのようなスマイルが消える事はなかった。
「ほら、義姉上。部屋に戻りますよ」
「はーい……」
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