悪役令嬢?それがどうした!~好き勝手生きて何が悪い~

りーさん

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公爵令嬢?それがどうした!

第48話 カスタードクリーム

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「どこに行くんですか?」
「厨房。何かレシピでも教えようかなって思ってね」

 何が良いかと考える。まだまだレシピはたくさんある。でも、当たり前だけど、材料がないと意味がない。
 だから、厨房に材料を確かめに行くだけだ。調理はしない。
 部屋で休んでいるはずの私がフワフワと浮いているからか、すれ違う人が目が飛び出そうなくらい驚いている。
 うん。驚かなかったレイがおかしいんだよね、やっぱ。

 そして、厨房についたので、どこぞの青だぬきのように少しだけ浮くくらいに高度を下げて、厨房に入る。第三者から見れば、普通に歩いているように見えるだろう。
 ですが、手足が動かせない私はレイに扉を開けて貰う。

「あれ!?お嬢様!?」

 私の存在に真っ先に気づいたのは、犬シェフのエルド。エルドの声に他の人達も反応する。まぁ、これが普通だよね。

「お怪我なさってたのでは……」
「治りが早かったから、ほとんど大丈夫だし。散歩してるの」

 嘘だけどな。でも、地球よりも治りが早いのは本当だ。ここには魔法があるからだろう。腕の良い回復術師なら、骨折なんてすぐに治せるそうだ。
 私が寝ている間にはある程度の治療は終えていて、もう骨は激しく動かさなければ大丈夫との事だ。ただ、痛みだけは消せないらしく、あの死ぬほどの痛みがとれるまで、一週間くらいかかるそうだ。
 つまりは、骨は走ったりとかしなければ大丈夫。でも、まだ完全にくっついてはいないので、痛みは残っていて、動かすと激痛が走るというわけだ。

 だから、二ヶ月後の学園入学には間に合うだろう。行きたくねぇけどな!

 さて、とりあえず荒らしますか。何があるかなぁ~?
 痛いっちゃあ、痛いけど、ギャアってなるほどではないので、かがんでチェックする。
 う~ん……惹かれるような物はないなぁ……と思っていたら、豆を見つけた。
 生っぽいなぁ……熱処理しないといけないな。……うん?前に生で食べてなかったかって?何の事かなぁ~?

 とりあえず、火魔法と水魔法を組み合わせて、熱湯を作り出す。
 これも合成魔法なんだけど、【砂嵐】とかに比べれば、結構地味だ。
 あまり危険ではないからかもしれないけど、一番最初に習った合成魔法がこれだった。

 熱湯で茹でたら、風魔法で風を起こして冷まし、食べてみる。
 これ、白いんげんじゃないか!?これがあれば、白あんが作れる!
 和三盆があれば最高なんだけど……それには、サトウキビでも竹糖という種類でなければならない。
 さすがに品種の区別は食べなければ分からないから、それが栽培されているところに行かないといけないけど。

 砂糖があれば、白あんが作れる。あの時、もち米も貰ったので、大福とかも作れるし……あっ、でも臼がないなぁ……さすがにキッチンの調理台でやるわけにはいかないし……

 よし、あんぱんを作ろう!ついでに、クリームパンに、ジャムパンに……作れるものは全部作っちゃえ!
 まずは、カスタードから!

 その前に、パンも作っておかないといけないか。と、思っていると、ちょうど朝ごはんにパンを焼こうとしているみたいで、そこには焼く前の生地が!何というご都合主義!!

「それ、余る奴で良いからちょうだい。二個分で良いから!」
「別に良いですけど……」

 そういって、二個は別のプレートに分けてくれた。よっしゃ!後はクリームだけじゃ!

「レイ。カスタードクリーム作るの手伝って!」

 実際は、私は指示するだけで何もしないんだけど……でも、今のレイに私が料理し始めたら叱られそうだからね。
 私も、ずいぶんレイに甘くなってしまったなぁ……前なら、そんなの関係ねぇ!ってやってただろうに。まぁ、どうしてもやりたかったらそうなるだろうけど。

「何を用意すれば良いんですか?」

 下手に拒否しなくなった。料理する事よりも、私に逆らったりする方が面倒くさいと思っているんだろう。まったく持ってその通りだが。

「卵でしょ。ミルク、砂糖、後は、薄力粉なんだけど……」

 こいつに薄力粉が何か分かるかな……?薄力粉とかそういうのって、パッと見では分からないから、間違えても怒るつもりはない。でも、違うのを混ぜると、食感に違いが出てしまう。
 だからと言って、使わないと、液状のようになってしまうのだ。

「薄力粉ってこれですか?」

 袋に入っている白い粉を見せてきたので、痛いのを我慢して、腕を伸ばして、握ってみる。うん、薄力粉だ。しっかりと固形に固まっているから。

「うん。まずは、砂糖と卵を混ぜるの。そして、ミルクを沸騰直前まで温めておいて」

 泡立て器があれば良いんだけどなぁ。ないものは仕方ないので、スプーンで混ぜる事に。泡立て器だけじゃなくて、ヘラも欲しいよなぁ。シリコンは無理でも、似たような感じには出来るんじゃないかな?
 そして、薄力粉を混ぜて、ミルクを何回かに分けて混ぜて、後は鍋にかけるだけになった。

「意外と簡単でしたね」
「でしょ?それなのに、いろいろなお菓子に使えるんだよね~」

 なんとも便利なクリームなんでしょう。生クリームでホイップクリームを作ればもう完璧ですよ!ホイップ&カスタードは神ですから!

「では、これでお菓子でも作るんですか?」
「クリームパンっていう……まぁ、お菓子みたいなものかな。パンの一種なの」

 そんな会話をしているうちに、カスタードクリームが完成した。それを、半分にした生地の真ん中に入れて、もう一つを上に重ねて挟む。やっているのはレイだけど。

「後は、普通のパンと同じように焼けば完成だよ!」

 そうは言ったものの、レイはオーブンの使い方なんて分からないかと思っていたが、何も迷う事なくダイヤルを回して温め始めた。

 マジか……昔、料理でもしていたのかしら?

 そして、焼けるまでの空き時間ができた。

 暇になったなぁ……他のクリームでも作ろうかな?でも、保存方法を確立してないのに、クリーム類を作るのもなぁ……

 どうしようかと考えていたが、次の瞬間、一気に暇ではなくなった。

「義姉上……何をしてるんですか?」

 こ、この声は……!

 おそるおそる声のする方を見てみると、不適な笑みでこちらを見ているカルディアの姿があった。

 やべぇ……どうしよう……!
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